日本経済が最高の輝きを放っていたバブル期、東京駅からほど近く1200年近い歴史を持つ神社の周辺では夜間の人口が減り、氏子も減少、例大祭の開催も厳しい状況にあった。その状況の中で、再び繋がりのある賑やかな街を取り戻そうと立ち上がり、鐵砲洲稲荷神社弥生会が結成され。
中央区新富、銀座界隈の妥協を許さない“粋な”氏子を集め様々な形で祭りを盛り上げた。
近年、都心回帰の流れで高層マンションが建ち始め、人口が再び増加に転じ、子どもの数も増加。街に増えた子どもたちに、ある女性が、明治以降、この地で伝統芸能として栄えた歌舞伎の文化、歴史を引き継いでもらおうと、「こども歌舞伎」の指導を始めた。
時の中で一瞬、途絶えかけた“江戸文化”の継承が再び動き出している。番組では、のべ2年間この二人に密着。新富・銀座で“祭り”をすること、文化を繋げていくことをメインテーマに、開催決断ギリギリまで新型コロナウイルスに翻弄された例大祭の模様を追いかけました。
大井真二さん(66)
弥生会会長の大井さんは、氏子地域の銀座生まれ、銀座育ち。氏子地域の人口が減り続けていたが、江戸開府400年江戸東京“華”パレードにて銀座中央通りで御本社神輿渡御をするなど祭りを通して様々な地域おこしを発案、実行に移す。また、今回、初めて銀座4丁目に御本社神輿を展示した。
中央区新富は江戸歌舞伎発祥の地であり、氏子地域には歌舞伎座もあります。諸河さんは、子どもたちに歌舞伎をふるさとの芸能として親しんでもらおうと「新富座こども歌舞伎」を2007年に発足させ、5月の例大祭に合わせ、鐵砲州稲荷神社の神楽殿にて「白浪五人男」ほか歌舞伎の人気演目を奉納しています。
諸河文子さん(75)