旧小河内村の伝統芸能
それぞれの集落には郷土芸能の舞いが存在し、
年に一度、各神社に奉納するのが慣わしだった。
江戸時代、御嶽山への信仰が高まると、全国から訪れる湯治客や行商、旅芸人をもてなすため、街道沿いの集落では様々な郷土芸能が誕生した。
かつて江戸と甲州や日光を繋ぐ交通の要衝として多くの往来があった奥多摩。当時は、多くの“郷土芸能”が存在していて、明治以降も受け継がれ、奥多摩に根付いていった。
ダム建設や限界集落化した付近は、衰退し行われなくなった芸能が多数あり、現在、小河内神社の例大祭で行われているのは、原の獅子舞、川野の獅子舞、車人形、鹿島踊りのみ。
原の獅子舞
江戸時代前、氷川小留浦山祇神社の村木氏から伝わったとされる。
舞方三人、花笠四人、笛方・唄方四人、太刀使い三人で構成される勇壮な舞いは東京都指定無形民族文化財に指定される。
川野の獅子舞
日原の獅子と同系統で関白流、御殿ささら舞の流れを汲むといわれ、かつては雨乞いの舞として踊られていたこともあった。
東京都指定無形民族文化財に指定。
南・日指・岫沢の鹿島踊
舞は、すべて女装した青年によって踊られ、紫の振袖に帯を長く垂らし、頭には金の冠を乗せ、顔と手を白く塗って優雅に舞う。
国の重要無形民俗文化財に指定。2022年(令和4)に「風流踊」の一つとしてユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載された。