「福島に移住しないと見えなかった」ホンネとは? 移住者たちのリアルな声を取材

2026.03.27(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。3月13日(金)の放送では、福島県出身の俳優・タレントのなすびさんを迎えて“福島の移住政策”について徹底議論。番組後半では福島県に移住した方を取材。コメンテーター陣が福島に求められている移住政策への提言を発表しました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。3月13日(金)の放送では、福島県出身の俳優・タレントのなすびさんを迎えて“福島の移住政策”について徹底議論。番組後半では福島県に移住した方を取材。コメンテーター陣が福島に求められている移住政策への提言を発表しました。

◆人口減少の中、移住政策に注力する福島県

東日本大震災から15年。さまざまな苦難を乗り越えてきた福島ですが、今、大きな課題に直面しています。それは“人口減少”です。

総務省の調べによると、福島への移住相談件数は年々増加しており、2024年度は20,505件。移住者は過去最多の3,799人を記録しました。しかし、転出者がそれを上回っており、2025年は転出超過7,197人で全国2位でした。特に、転出者の約8割が15歳〜29歳と若者の流出が深刻で、その背景には進学や就職、さらには住環境などさまざまな問題があります。

そこで福島県は移住政策に力を注いでおり、常設の相談窓口は全国に12ヵ所と47都道府県で最多。さらに、県内12市町村では国の交付金を活用した最大400万円の起業支援金制度があります。

番組では前半に引き続き、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香さん、社会学者・日本大学危機管理学部教授の西田亮介さん、新卒就活サービスを運営する久保駿貴さん、さらには福島県出身で東京との二拠点活動されている俳優・タレントのなすびさんを迎え、福島への移住者をより増やすためにはどうすればいいのか議論しました。

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◆実際に生活してみて…移住者たちのリアルな声

今回、キャスターの堀潤は福島へと赴き、移住者の方々を取材。まず話を伺ったのは、7年前にいわき市に移住した愛知県出身の寺澤さんです。

移住のきっかけは2016年。学生時代に演劇制作のリサーチでいわきを訪れたことで、その際に触れ合った地元の方々との出会いが決め手に。「やっぱり人ですかね。震災から5年ぐらいのタイミングで、まだ混乱があった中でなんとか踏ん張っていこうという人たちと交流させてもらったのがすごく大きかったと思います」と振り返ります。

移住後は自転車と地元の人をつなぐコーディネーターとして、イベント運営やサイクリングマップの作成に携わっていますが、移住して初めて気づいたことがあったとか。

それは、決まった時期になるとメディアが大挙して押し寄せること。寺澤さんはこれにより地元の方々がある意味で疲弊していると言い、「実際に住人として生活しないと見えてこない解像度は絶対にあると思っていて、それを大事にしたい」と素直な気持ちを吐露。

移住して7年。寺澤さんが考える今後の移住のあり方を伺うと「生まれてから死ぬまで安心・安全に命を全うできるかどうかは、選ばれる地域としてはとても大事なことなので、そこはちゃんとやる。でも、それ以外は無理してやるものじゃないというか、ひとりひとりの人生の流れとかにフィットする形で、オリジナリティー溢れるライフがたくさんこの地域で存在できるかという視点を持ってみるだけでも変わってくると思います」と話していました。

続いて話を聞いたのは、広野町の山中にある一軒家で整体院を運営する池谷さん。もともと埼玉県で整体院を営んでいましたがコロナで廃業し、かつてボランティアで関わった福島で再起。移住支援金制度を活用し、この地で整体院を開業しました。

70分4,000円程度という安さと高い技術で広野町に貢献していますが、現在はさらに貢献すべく、現在地からより人の多い市街地へと進出を考えているそう。「震災で辛い思いをされた浜通り12市町村の皆さん(の暮らしに)根付いていきたい」と町への思いを明かします。

移住者の方々の話を聞き、西田さんは「関わり合いがあるという理由で移住されるのは素晴らしいこと」と称賛する一方で、「池谷さんがおっしゃった人口密度が低いということは本音だと思う」と改めて浮き彫りになった課題を指摘。そして、「(人口密度が低いということは)ビジネスがしにくい。そこをどうやって(ビジネスに)つなぐかが鍵だと思うが、基本的には難しい。条件的に恵まれているとは言い難い」と苦慮します。

久保さんは「移住してくれた人と地元の人をつなげるハブに誰かがならないといけない。それが行政なのか、地元の人なのかわからないが、そこを密にやっていくことが大事」と人を繋ぐ存在の重要性を訴え、「僕の地元(兵庫県)明石も移住が多いが、移住者を見つけたら市がすぐにインタビューに行って、広報に載せたり発信していて、そういうことは地味だけど“ちりつも”になってくるのでやっていくべき」と強調しました。

◆今、福島に必要な移住政策は?

番組ではコメンテーターが、福島に求められている“移住政策”への提言を発表しました。まず、西田さんは“日本中の地方自治体との競争に勝つ方法”。「各自治体が移住を促進する政策を出している。それだけに競争になっていることをより意識することが重要」と言います。

一方で谷本さんは“法人の力を借りたまちづくり”。「直島しかり、淡路島のパソナ(グループ)しかり、大きな法人がお金を使って学校や公園などを作ったり、複層的にいろいろなことをやっていくと大きな町づくりができる。個でやってはなかなか難しいと思う」と例をあげて解説。

また、久保さんも“コミュニティ作り・企業側も努力を”。「企業側も努力が必要。例えば、採用面では内定していれば東京に行っても5年間はいつでも戻ってきていい権利を我が社の企業ではやったりしていて、あとは奨学金の返済を企業一体となって補助してあげるとか、そういったことも効果があると思う」と提案します。

そして、なすびさんは“一番のものは無いかもですが、それを逆に強みと考えたい!”。「福島県は農作物がなんでもとれる。広野町はバナナもとれますから。一番のものはないけどなんでもとれる。それが逆に強み。土地も気候も豊かですし、なんでも挑戦できることをぜひPRしたい」と猛アピール。

なすびさんの言葉を受け、堀潤は「なすびさんの言う“バナナがとれる”といった“解像度”の高い情報発信が続けば」と期待していました。

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<番組概要>
番組名:「堀潤激論サミット」
放送日時:毎週金曜 21:00~21:25 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
TVer」で放送後1週間Tverにて無料配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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