「さんまさんの見方がちょっと変わるような素敵な本」中瀬ゆかりが舌を巻いた、名物プロデューサー・吉川圭三の新刊「人間・明石家さんま」の魅力とは?

2025.11.08(土)

11:50

TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜17:00~)。10月30日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜17:00~)。10月30日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【“中瀬親方”による2025年10月のおすすめ作品】

◆関脇
漫画「到達のアクタ」
著:信楽優楽(講談社)

「ヤングマガジン」の第81回 ちばてつや賞ヤング部門にて優秀新人賞を受賞した信楽遊楽による話題作。有名女優の天津亜紀を母に持ち、役者に憧れを抱いている主人公の少女・アリサが“演じるとは何か”を模索しながら成長していく姿を描いた物語。

<注目ポイント>
天才女優を母に持つ凡人娘の苦悩と努力

中瀬親方のコメント「スター女優の母・亜紀に認めてもらいたい一心で臨んだ学芸会でアリサの前に立ちはだかったのが、家庭環境が複雑な転校生・黒川凪で、彼女の天才的な演技が何と母・亜紀の心を奪っちゃうんです。それで、亜紀の推薦で凪が子役でデビューし、瞬く間にスター街道を駆け上がっていきます。凪の活躍ぶりを前に、アリサは絶望に打ちひしがれるんですけれども、そんなアリサに手を差し伸べたのが、祖父で映画監督の天津健三郎なんです。

彼はライバルの凪や亜紀のような感情を爆発させる、いわゆる“憑依型”とは対照的で、作品を徹底的に分析するアリサの演技を評価して、さらにその才能を磨き上げようとするんです。アリサは運命に導かれるようにライバル・凪と同じ現場で相まみえるというストーリーになっています。“天才・凪の憑依型演技 vs 凡人・アリサの分析型演技”という真逆のアプローチが火花を散らす演技バトルがまさに圧巻で、凡人ゆえの努力と執念による逆襲をはかるアリサがすごくて読む手が止まらない。

このコミックは現在2巻とまだ浅いので、まだ間に合います。演劇の世界で繰り広げられる、命を懸けた役者たちの物語を、ぜひその目で体感してください。ハマることマジで請け負います!」

◆大関
映画「殺し屋のプロット」
12月5日(金)公開

ゴールデングローブ賞をはじめ、数々の賞に輝いている名優マイケル・キートンが監督・主演・製作を一手に担った最新ノワール作品。急速に記憶を失っていく病に侵された主人公の殺し屋ジョン・ノックス。病のためやむなく引退を決意したノックスの前に疎遠だった息子マイルズが突如現れ、人を殺した罪を隠蔽してほしいと懇願される。息子のために最後の完全犯罪に挑んでいくサスペンス。

<注目ポイント>
救いなきノワールの世界に芽吹く切なすぎる父の愛

中瀬親方のコメント「記憶が完全に消えるまでにノックス(演:マイケル・キートン)に残された時間は、たった数週間しかないんです。でも、彼は長年固い友情で結ばれてきたゼイヴィア(演:アル・パチーノ)の協力を得て、息子マイルズ(演:ジェームズ・マースデン)の罪を隠そうと最後の完全犯罪に挑んでいくという展開になっています。

いわゆるノワール映画の形をとりながらも、徐々に明かされていくノックスの人間関係の描き方が魅力的で、長年の友人ゼイヴィアとの不器用でどこか温かい友情には胸が熱くなりますし、ノックスが元妻のルビー(演:マーシャ・ゲイ・ハーデン)に別れを告げに行くシーンでは、ルビーの長年積み重ねた愛憎の機微が静かに溢れ出す姿には胸が締め付けられました。

後半は長年疎遠だった父と子の愛が繊細に描かれていて、ノワールならではの冷酷な世界に浮かぶヒューマンドラマの温かさが際立った作品です。脇を固める役者陣も本当に実力者揃いで、友人のゼイヴィアはなんと80歳を超えてもなお、その圧倒的な空気感と存在感で劇中でも輝いているアル・パチーノのレベルの高い演技に最後まで気の抜けない2時間でした。

とにかく掛け値なしに楽しめる極上のノワールエンターテインメントで、殺し屋が挑む最後の完全犯罪、その美しき終幕をぜひ劇場で見届けてください」

◆横綱
新刊「人間・明石家さんま」
著:吉川圭三(新潮新書)

日本テレビで「恋のから騒ぎ」や「踊る!さんま御殿!!」を担当し、公私にわたって35年以上親交のある名物テレビプロデューサー・吉川圭三が、明石家さんまとの豊富なエピソードを通して彼の人間性について惜しみなく綴った作品。

<注目ポイント>
明石家さんまの素顔が覗ける最初で最後の奇跡の1冊

中瀬親方のコメント「35年以上一緒にいるだけあって、とにかくエピソードの面白さは尋常じゃないです。例えば、さんまさんとの初仕事で“さんまさんのために!”と一生懸命用意した800万円かけて作ったコントセットを一瞥したさんまさんが『それ、いらんわ』の一言で全てが無駄になっちゃった逸話から、読むと分かるんですけどとにかく“おもんない”と思ったことに対して妥協を一切許さない、まさに狂気的とも言える仕事への執念の強さが垣間見えます。

あと、年末年始は恒例のオーストラリア旅行にずっと吉川さんも連れて行ってもらっているんですけれども、朝早くからゴルフをやって1日2ラウンドこなした後、それからご飯を食べて、夜中の3時、4時頃まで繰り広げられる“リアルさんま御殿”さながらの爆笑トークとオン・オフ関係なく笑いを貪欲に追い求めるその姿に、明石家さんまさんという人間の凄みがにじみ出ています。

実は吉川さんが『さんまさんを題材にした本を書きたい!』と本人に相談したのが10年前だったんですけど、そのときさんまさんからは『ええよ。俺の名前がタイトルに出んのやったらな』と拒絶を受けるんです。一度は断られたんですけれども、やっぱり諦められなくて“どうしてもこのすごい人間のことを書きたい!”っていう吉川さんの執念が実って、10年後に再び提案すると、今度はなんと奇跡的にOKが出たんです。

さんまさんって、自分のことを書かれたり書いたりももちろんだけど、インタビューさえもほとんど受けないので、さんまさんの素顔を見られるということ自体が、最初で最後の奇跡のギフト、奇跡の1冊と言っても過言ではないと思います。

さんまさんの知られざる素顔を覗きたい人、その哲学に触れたい人、お笑い全般を愛する人など、とにかく皆さん、ぜひ手に取って読んでみてください。さんまさんを通じて、気がつけば人間力の勉強にもなっているというお得な1冊となっているので、これを読んで絶対に損はさせない。人にもちょっと話したくなるような逸話がたくさん詰まっています。さんまさんの見方がちょっと変わるような素敵な本でした」

中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回11月のエンタメ番付は、11月27日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。

※この番組の記事一覧を見る

楽天グループの無料動画配信サービス「Rチャンネル」に「TOKYO MXチャンネル」が開設!
「5時に夢中!」も、リアルタイムで全国どこからでもお楽しみいただけます!

<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~18:00 <TOKYO MX1>
メインMC:垣花正、大島由香里          
アシスタントMC:ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト: https://s.mxtv.jp/goji/
番組X(旧Twitter): @gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu

RELATED ARTICLE関連記事