TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」。「ライプラ!」のコーナーでは、異業態が手掛ける“絶品ラーメン”に注目しました。
							◆牛丼屋、すた丼屋がラーメン業界に参入
近年、定食屋や居酒屋などの大手飲食チェーンがラーメン業界に次々に参入しています。
今年7月に新宿にオープンした「松太郎」は牛丼チェーン大手「松屋」が手掛けています。こちらで提供されている「醤油ラーメン」(680円)は厳選した複数の醤油をブレンドした醤油ダレ、北海道産小麦を使用した風味豊かでコシのある麺を使用し、予想を遥かに上回る売れ行きになっているそうです。

また、千代田区・御茶ノ水のラーメン店「伝説の肉そば屋」は今年5月のオープン以来連日大盛況。こちらで提供しているのは「秘伝のニンニク醤油肉そば」(913円)。たっぷりの豚肉と卵、野菜が目を惹くスタミナ系のラーメンです。

そんな同店を手掛けているのは“すた丼”でおなじみの人気チェーン「伝説のすた丼屋」です。ラーメンには、すた丼にも使われているイベリコ豚のバラ肉や卵を使用。スープもすた丼の味の核となるニンニク醤油ダレを使い、さらには米の代わりの麺にもこだわりが。創業70年以上の製麺所と共同開発した全粒粉の特注麺を使っており、お客さんからは「すた丼の米が麺になったバージョン」「ニンニクがすごく効いてて美味しい」と好評です。

なぜ、すた丼屋がラーメン店を手掛けることになったのか。運営元のアントワークス 小池さんに聞いてみると「近年の米の価格高騰や供給の不安定化のなか、どうしても丼業態だけでは難しい場面がでてきています。そこで原材料の価格が比較的に安定しているラーメンに着目しました。伝説のすた丼屋と同じ食材を使っているものもあり、同じ(仕入れ)ルートを使用しているので、安く仕入れて高クオリティな商品を安価に提供することができております」と解説。
しかも、ラーメンの反響は大きく、すた丼屋でも「すたみな肉そば」として提供するお店を順次拡大中とのことです。

◆弁当・定食の「プレナス」が挑む、海外展開を見据えた一杯
持ち帰り弁当の「ほっともっと」や定食レストラン「やよい軒」を手掛ける「プレナス」もラーメン業界に参入。今年7月、茅場町にラーメン店「KAYAVA. 総本店」をオープンしました。
こちらでは徳島県産の地鶏「阿波尾鶏」のみで炊き上げた贅沢なスープ、しなやかなコシと風味が特徴の国産小麦で作られた麺を使った「鶏白湯 醤油ラーメン」(1,000円)を提供しており、製麺からスープに至るまで全て店内で手作りというこだわりよう。

お客さんからは「麺にスープがしっかり絡んでて、濃くて美味しい」「(1,000円の)値段は全然出せるし、また来たいと思える」と大好評です。

ラーメン業界に参入した理由について、プレナスの川上さんは「事業を多角化させるためです。海外の事業展開を重要な成長戦略のひとつと位置付けていて、アメリカでの出店拡大を見据え、『KAYAVA. 総本店』をオープンしました。手間暇かかりますが海外で勝負するために全て店内で手作りしています」と説明します。

◆異業態がラーメン業界に参入するきっかけ
異業態がラーメン業界に続々参入する背景に関して、フードビジネスに詳しい日本M&Aセンターの高橋さんは「2024年がラーメン業界に関するM&Aが過去最多だった。かつ、今年8月までの数字を見ても、すでに去年1年間の数字と同じくらいの件数を記録している」と指摘します。
例えば、居酒屋「磯丸水産」を展開する「クリエイト・レストランツ・ホールディングス」は北海道で有名な「えびそば一幻」の運営会社を買収。また、「吉野家ホールディングス」も鶏白湯ラーメンの「キラメキノトリ」を今年買収しています。
こうしたM&Aが活況になったきっかけは新型コロナの広がりで、コロナにより居酒屋などアルコール需要が激減したことがラーメン業界への参入を後押ししました。

総じて高橋さんは「コロナを経て、多くの事業者に日常的な業態・定番的な食事によりフォーカスしていく意識が芽生えていった。その代表格がラーメンで、すでに立ち上がっているラーメン店をM&Aで取得し、自分たちの店舗展開ノウハウを活用してより広げていくという戦略をとっている」と解説していました。

<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1> (※番組終了)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/





