外国人が惹きつけられる「盆栽」の魅力とは?「とても美しい」「盆栽のスタイルが好き」

2025.08.22(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、日本の「盆栽」を取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、日本の「盆栽」を取材しました。

◆外国人が惹きつけられる「盆栽」の魅力

多くの外国人が訪れる東京・丸の内仲通り。世界的な高級ブランドが並ぶ通りの中で、ある専門店が外国人に人気です。

2024年に丸の内にオープンした盆栽専門店「TRADMAN'S TOKYO」は、客の約7割が外国人だといいます。アメリカから来た女性は「盆栽はとても美しいです。手入れに精密さが必要で、すごいなと思います」と感嘆。一方、「ブラジルでも“ボンサイ”と言います。大きな木の特徴が小さいサイズの中に詰まっていて興味深いです」という男性も。

ドイツから来た女性は、家の庭にオリジナルの盆栽を飾っているのだといいます。「小さな木を園芸店で買って鉢に移し替えたんです。盆栽のスタイルが好きなので」と写真を見せてくれました。

店内を見てみると、樹齢150年の「真柏」が200万円と高額なものも。

盆栽店の担当者・鈴木さんは外国人が感動する理由について、「日本人のわびさびや引き算の美学、余白の美学というところの繊細さと、ミニマルさをすごく感動してくださるお客さんも多い」と話します。

盆栽の輸出額は2019年には4億8000万円ほどでしたが、2023年に9億円を突破し、約2倍と急激に伸びています。

さらに海外では盆栽のイベントも開催されています。フランス在住の盆栽家ラムゼさんはパリで毎年盆栽の展示会を開催。「2021年から「BONSAÏ CULTURE EXPO」という展示会を主催しています。フランスやヨーロッパ中から盆栽ファンが集まり、日本の専門家をパリに招いています。毎年3~4000人が来場します」と説明します。

◆盆栽の魅力は「小さい空間でもイメージ次第では無限に広がる」

盆栽とはどのように楽しむものなのか。曹記者は池袋にある「清香園」の盆栽体験教室を訪ねました。

教室では、木の植え替えや枝の剪定など幅広い作業を体験できます。作業を行う上で特に重要なのが「イメージ」をすること。

講師の堀部さんは、木の形などを元に、自然の中でどのような状況に置かれているのかを想像しながら配置していくことが盆栽の醍醐味だといいます。「木がこっちに向かって育っているよというのが表れている」とアドバイス。

完成した盆栽を見て曹記者は「全体的に右の方に傾けていることで、風や太陽が右の方に当たっているというのをイメージできるので、すごく面白い」と笑顔に。

盆栽の魅力について、堀部さんは「小さい空間でもイメージ次第では無限に広がります。そういう遊びですよ」と表現します。

一方、フランス在住のラムゼさんは「自然とつながること」だと話します。「自然の中の木々のイメージをたくさん持っておき、それを鉢の中で再現します。だから、盆栽をやっていると自然とつながるんです」

◆盆栽を海外に普及させるための課題とは

海外からの注目が高まる盆栽。しかし、海外に広めていく上では課題があります。それが、木を植える土です。

土などに潜む害虫や雑菌のリスクから、盆栽の中でも人気の高いクロマツという種は、5年ほど前までEUへの輸出が禁止されていました。少しずつ緩和されているといいますが、現状について専門家は「検閲を受ける期間は日本で2年間。その間おそらく2カ月に一度ぐらい検査官によって検査をされて、最終的な検査を通ったものが輸出の対象になるという形」と話します。

海外に普及させるために課題がある盆栽ですが、盆栽店の鈴木さんは今後、より世界に発信していきたいと意気込みます。「世界中で盆栽がだんだんと当たり前の存在になっていって、家庭を彩る観葉植物と同じような感覚で楽しんでもらえるものになっていくんじゃないかなと。日本の誇れる盆栽を世界に伝えるという、そこを一番頑張っていきたいと思っています」と語っていました。

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<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx

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