TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、和食の代名詞「天ぷら」の魅力を取材しました。

◆天ぷら職人の繊細な技術により実現した、中の食材を生かす衣
和食の代名詞として世界的に知られる「天ぷら」。中央区築地にある天丼の専門店は、客の約半分が外国人観光客だといいます。
アメリカから来た男性は「とても美味しかったです、最高でした!」「海老がすごく気に入りました。アメリカだと海老は固くてカリカリしています。でもここでは衣も大きすぎず、すごく柔らかかったです」と絶賛。
フィリピンから来た女性も「日本で天ぷらを食べるのは5回目です。日本に着いたらまず食べたいと思う物の一つです」と満面の笑み。
天ぷらの食感や味に感動する外国人たち。一昨年の調査によると、日本を訪れた外国人の半分近くが天ぷらを食べていて、天ぷらは和食の代名詞として広く親しまれています。
しかし、天ぷらの起源は日本ではありません。今から約400年前にポルトガルから伝わってきたと言われ、江戸時代には天ぷらの屋台もあり、徐々に庶民に広がりました。天ぷらはどうして日本で広まったのでしょうか。
世界の食に詳しい専門家は「天ぷらは外側が薄衣でカラっとしていて、中は素材の個性そのまま活かしている、ジューシーな部分が残っている料理です。日本の四季を生かした料理のひとつ」と解説します。
天ぷらは薄くて繊細な衣により、中の食材の魅力を引き立てます。そしてその衣は職人の熟練の技術の上に成り立っています。
天ぷら店の職人に揚げ方を見せてもらうと、「これはまだ大きめな(油の)泡で、段々小さくなってきます。この辺の泡は細かく出ている、これが合図。あと若干色がきつね色になっている」と説明しながら、「些細な小さなところですけど、そこに気づけるかというところが経験値、職人の技かなという風に思う」と、繊細な衣を揚げる天ぷらの極意を明かしました。
◆外国人に配慮したヘルシー天ぷら…天ぷらを世界へ
浅草にある天ぷら店では、さらに多くの外国人が楽しめるようにするため、衣にある配慮をしています。
衣に使われる小麦などに含まれるタンパク質「グルテン」が体質的に摂取できない人が世界には一定数存在します。そのため、こちらの店は「グルテン」を一切含まない天ぷら粉や醤油を使用。
取材した日も、この店の天ぷらを求めて来店した外国人が。オーストラリアから来た客は「グルテンフリーの選択肢がなければ、そもそも天ぷらを食べられませんでした。でも、実際に食べられたことで、家族や友人にも勧めることができます」と明かします。
オーストラリアから来た女性も「お腹の調子が悪くなってしまうことがあって。だからグルテンフリーのものを見つけてとても嬉しかったです」と喜んでいました。
また、店には天ぷらを揚げる機械が2つあり、1つは肉や魚がメイン、もう1つは野菜を揚げる専用の機械が用意されていて、動物性食品を摂取しないビーガンの人も安心して食べられるようにしています。
さらに、外国語が堪能なスタッフを積極的に雇用。日本人の母親を持つカナダ出身の海星さんもその一人です。母親と日本に観光に来た際に天ぷらを食べ感動したという海星さんは、去年来日し、天ぷら職人として働き始めました。
海星さんは「お母さんと体験した日本の天ぷらの感動や楽しさ、幸せを、私みたいな外国の方に届けたい」と話し、天ぷらという食文化の魅力を世界に発信していきたいと意気込みを語っていました。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx