TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。6月26日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【“中瀬親方”による2025年6月のおすすめ作品】
◆関脇
映画「アスファルト・シティ」
6月27日(金)より全国ロードショー
犯罪、薬物中毒、移民など、さまざまな問題を抱える混沌の街・ニューヨークのハーレム地区を舞台に、腕利きのベテラン救命隊員のラット(演:ショーン・ペン)と新人隊員のクロス(演:タイ・シェリダン)のバディが、救急医療現場での過酷な日常に葛藤する姿を描いたスリラー映画。
<注目ポイント>
救急医療現場の怖すぎるリアル
中瀬親方のコメント「新人隊員のクロスは、医学部志望の学生なんですけれども、(救急救命隊員として働き始めた)初日から、ブルックリンの銃撃戦の現場のすごい所に出動したり、意識不明の女性を助けたのに暴言を吐かれまくったり、とにかく阿鼻叫喚が響き渡るカオスな日常に、ほんの数日と勤めただけで心が折れそうになるところから物語が始まります。
そんな彼とバディを組むラットは、ベテランで無口ながら腕は一流で、師匠のようにクロスのことを厳しく指導しながら、彼の日々成長していく姿に徐々に心を許していくんです。
ある日、『隣室から妊婦の叫び声が聞こえた』という通報からアパートに駆けつけると、そこにはドラッグの注射針が刺さって早産した女性がベッドの上で血だらけになっていたんです。そんな壮絶な現場に直面するんですけど、すぐに手分けして措置にかかるんですが、このときの新生児への対応が2人の未来を予想だにしない方向へと導いていくというストーリー展開になっています。
実はこの作品は、救急救命士としての経験を持つ作家による実話に基づく小説を映画化したものなんです。昨今、救急隊員の自殺がすごく増加していて、その数は殉職者を上回るぐらいなんだそうです。それぐらい心が病んでしまう。そんな過酷で緊張感ある医療現場を観ていて、(思わず)息を呑む場面もあって、特に後半にかけてのショーン・ペンとタイ・シェリダンのやり取りの重さが凄まじくて、ラストの余韻も含めて観終わった後、しばらく動けなかったほどでした。
救急医療現場の知られざるリアルを通して、命の本当の意味について深く考えさせられる作品ですので、ぜひ映画館でこの緊迫感を全身で体験してほしいと思います」
◆大関
エッセイ「トットあした」
著:黒柳徹子(新潮社)
“トットちゃん”の愛称でおなじみの黒柳徹子が、幼い頃から人生のさまざまな局面、場面で大切に受け取り、励まされてきた24の名言とともに、自身の半生を辿り直した、“決定版自叙伝”と言っても過言ではない長篇エッセイ。
<注目ポイント>
24の名言で振り返る、黒柳徹子の深すぎる半生
中瀬親方のコメント「小学校を退学になった徹子さんが、転校先であるトモエ学園の校長先生から言われた『きみは、本当は、いい子なんだよ!』という言葉から始まって、92歳にして現役で舞台に立ち続けた杉村春子さんからの言葉まで、“黒柳徹子”という稀有な女性の半生を支えてきた言葉の数々を通して、人生の困難や岐路に面した女性への“生きるヒント”が学べるような本です。
私が大好きなエピソードは、徹子さんが仲良くしていた沢村貞子さんのブロックです。旦那は映画評論家の大橋恭彦さんで、ご夫婦の知られざるエピソードが綴られているんですけれども、沢村さんはとにかく旦那さんのことが大好きで、旦那さんも彼女のことをものすごく愛していて、その愛情溢れる行動、数々の描写には胸が締め付けられるぐらい感動してしまいました。
沢村さんが『人間ってね、一生懸命やると、後悔しないものよ』とおっしゃっているんですけど、そこに表される“ここまで人は他人を愛せるんだ”という夫婦愛の尊さ、それに伴走してきた徹子さんの美しい描写には、人目をはばからず号泣してしまいました。嗚咽するぐらいにすごく感動的なシーンが出てくるんですけれども、その他にも渥美清さんとの話とか、向田邦子さんとの話とか、胸を打つ話がたくさん出てきます。
徹子さんって、天真爛漫で明るい半生を送ってきているんですけど、そのなかで、笑いあり、涙ありの名言たちで振り返る自叙伝となっていて、永六輔さんとかいろいろな著名なお友達もたくさん出てくるんですけど、一般の名もない人たちの言葉も記されていて、とにかく(24からなる)エピソード全てが素晴らしいので、ぜひ読んでください!」
◆横綱
図鑑「大人も知らない みのまわりの謎大全」
著:ネルノダイスキ(ダイヤモンド社)
宇宙人が住宅街を旅しながら謎を探るストーリー仕立ての図鑑。私たちの身の回りにある不思議な謎を漫画形式で面白おかしく解説する、ネルノダイスキによる超話題作。思わず大人も夢中になる発見が満載!
<注目ポイント>
発売5日で5万部突破! 大人もハマるケッサク児童書
中瀬親方のコメント「本作は、住宅街とか商店街とか、公園とか河原など、我々の日常のなかに実は謎が結構溢れていて、その謎を解き明かしています。
例えば、『電線に止まっている鳥、鳩やスズメは、なんで感電しないの?』とか『家の塀にある穴は何のためにあるの?』など、普段見過ごしがちな当たり前になっているような風景、我々大人も、子どもから聞かれてすぐに答えられないようなものっていっぱいあると思うんですけど、それが盛り沢山で、すごく勉強になります。
一見、子ども向けの児童書に見えるんですけど、我々大人にとっても発見の連続で、全然飽きさせない構成になっています。発売当初からSNSで話題沸騰だったんですけど、Amazonの書籍ランキングでも1位になる程の超話題作で、知的好奇心がそそられるのはもちろんのこと、なんとなく知っていても子どもに説明しようと思ったら難しいような“ふわっ”とした知識の穴、大人が通り過ぎてきた穴を埋めてくれるような1冊なので、マジでハマること請け合いです。
子どもに買ったつもりが、ついつい自分が先に読んでしまってやめられなくなったなんてことも多々あるそうなので、お子さんのいる方は喧嘩にならないように(笑)。自分が“謎”と思うようなことを日常から見つけるという、子どもにとって大切な好奇心をくすぐってくれるので、いろんな意味でものすごくためになる、大人も子どもに帰るし、子どもも勉強になるという。ひと粒で何度もおいしい本になっていますので、ぜひご覧ください!」
中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回7月のエンタメ番付は、7月31日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。
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楽天グループの無料動画配信サービス「Rチャンネル」に「TOKYO MXチャンネル」が開設!
「5時に夢中!」も、リアルタイムで全国どこからでもお楽しみいただけます!
<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~18:00 <TOKYO MX1>
メインMC:垣花正、大島由香里
アシスタントMC:ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト: https://s.mxtv.jp/goji/
番組X(旧Twitter): @gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu