TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。5月29日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【“中瀬親方”による2025年5月のおすすめ作品】
◆関脇
漫画「どくだみの花咲くころ」
著者:城戸志保(講談社)
「マンガ大賞2025」にもノミネートされた城門志保による話題作。裕福な家庭で暮らす小学5年生の清水(きよみず)史郎は、勉強もスポーツもできる優等生。一方、クラスメイトの信楽(しがらき)大伍は、かんしゃく持ちでクラスにうまくなじめず浮いた存在。
清水は、自分とは真逆のタイプの信楽に興味津々となり、遠くから彼の観察を始める。ある日、清水は近所の空き地に信楽が入っていく姿を偶然見かけ、彼が帰った後、こっそりとその場所に行くと、そこには彼が作った独創的な形をした草人形が。その人形に心を掴まれた清水は、信楽と何とかして仲良くなろうと奮闘する姿を描いた、優等生と問題児の不穏で愉快な友情物語。
<注目ポイント>
優等生と変わり者とのちょっと不思議な関係
中瀬親方のコメント「小学校の頃って、いま考えると“友達だったのかな?”みたいな、ちょっと不思議な関係性の子っていたと思うんですけど、この2人の関係がまさにそうで、優等生の清水とクラスで浮いている信楽くんとの独特の関係もさながら、仲良くなりたい気持ちが大きくなって、優等生らしからぬ発言や行動をとってしまう清水のかわいらしい一面もあって、(彼らの)今後から目が離せない展開になっています。
(このコミックを読んで)自分の小学校時代にキャラの濃かったクラスメイトたちの顔が半世紀ぶりにフラッシュバックしてきて、得も言われぬ甘酸っぱい思い出を追体験しちゃいました。絵のタッチもきれいで、すごい素敵です。普段は、決して混じり合うことない2人が織りなす、友情未満の関係の描き方が魅力的な本作。現在、コミックは2巻まで出ていますので、ぜひ手に取ってお読みください!」
◆大関
映画「でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男」
6月27日(金)より全国ロードショー
監督・三池崇史×主演・綾野剛のタッグで、ノンフィクション作家・福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―』を映画化。本作は、2003年に福岡で実際に起きた教師によるいじめ事件を題材に、加害者教師と生徒家族との対立を描いた物語。
主人公の小学校教諭・薮下誠一(演:綾野剛)は、ある日、児童の保護者・氷室律子(柴咲コウ)に息子・拓翔(三浦綺羅)への体罰で告発されてしまう。児童に向けて「死に方を教えてやろうか」という暴力的な発言をはじめ、耳を引きちぎろうとせんばかりに引っ張ったり、歯を折ったりするなど、体罰というよりも目を覆いたくなるような暴行だった。
これを嗅ぎつけた週刊誌記者・鳴海三千彦(演:亀梨和也)が実名報道したことで、薮下はマスコミの標的となり、激しい誹謗中傷、停職と日常が壊れていく。一方、律子は、500人以上の大弁護団を味方につけて民事訴訟へと発展。世間の注目が集まるなか、法廷で薮下の口から出たのは「すべて事実無根の“でっちあげ”です」という完全否認の言葉。ここから物語は大きく動いていく……。
<注目ポイント>
真実は一体どこに? ルポルタージュとエンタメの共存
中瀬親方のコメント「マスコミが、児童の両親の主張を鵜呑みにセンセーショナルに報道したことで起きたあるまじき事件なんですけれども、報道のあり方について改めて深く考えさせられたのと、綾野剛さんの演技がとにかくすごいんです。
本作は、原告の律子と被告の薮下の両方の供述に基づいたストーリーが冒頭にバンと入ってくるんですけれども、この両者の視点を見事に演じ分けていて、実際の事件を知らない番組スタッフにこれを観せたところ、最初の15分で『(綾野演じる)この先生、胸くそ悪い!』と思って、観るのをやめてしまったそうです。それぐらい綾野剛さんの演技がすごくて。
もちろん皆さんには最後まで観てほしいんですけれども、綾野剛さんの演技をはじめ、脇を固める俳優陣も豪華すぎてその鬼気迫る演技には、思わず劇場で前のめりになって見入ってしまいました。
真実は一体どこにあるのか、何なのかという……これが三池監督の巧みな描き方によって見事にエンタメとルポルタージュが共存した作品になっていて、途中、息を呑むような場面の数々に圧倒されるかと思いますが、いつ自分の身に起きてもおかしくない問題でもあるので、ぜひ劇場に足を運んで目撃してください」
◆横綱
エッセイ「読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全」
著:堀元見(新潮社)
教養溢れる知的な下ネタを、歴史、医学、科学などさまざまな視点で考察した堀元見によるエッセイ。性にまつわる逸話を通じて、日常に埋もれた知のトリビアを掘り起こしていく……。
<注目ポイント>
「5時に夢中!」のシン・エロバイブル、現る
中瀬親方のコメント「YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で人気の堀元見さんによる新刊で、発売前に重版が決まったぐらい話題の知的な下ネタをテーマにした作品なんですけれども、これは(このコーナーで)絶対に紹介しなきゃいけないなと思いました。
7部構成になっていて、どれもエロ話のなかに教養がてんこ盛りで入ったトリビア的要素が満載で、例えば、『アイツ、骨のあるやつだよな』という言葉で使われるあの骨は、“○○○(男性の陰茎)”の骨とか、マリー・アントワネットが革命裁判で最初に問われた罪は、息子に自慰行為を教えたことだとか、コーンフレークは性欲を抑えるために開発された? 等々…どれも本当にくだらないんですけど、読むと“一理ある~!”と思うような、堀元さんの鋭い視点とワードセンスに裏打ちされて、かなり納得させられる部分も多くて、まさに『金科玉条』……って言いたいだけやないか(笑)。
我々ももっと知的なエロ番組を目指さなきゃいけないので、これは『5時に夢中!』の新しいバイブルとして読むべき参考書です(笑)。もうディレクター、プロデューサー、演者も全員読んでください! この本を読んだ後には感動のあまり書店で大人買いして配り歩くという下ネタ布教活動中の者たちの礎としても用いられますし、すでに現在Amazonでも「ギフトとしてよく贈られている商品」の2位にランキングされていて、“一体誰が誰に贈っとんねん!”みたいな(笑)。それぐらい話題の書なんです。
実は私、堀元さんの過去作品も読んで、彼の才能にベタ惚れして、『文芸誌で下ネタについてうんちくを語ってください。教養を語ってください』ってオファーしたんですけれども、私の想像の斜め上をいくかなり笑える、非常に素晴らしい教養下ネタ本に仕上がってきたので、“5時夢視聴者”ならばハマること請け合いですし、ファンならば必読・必見の1冊ですので、これはもう番組のオフィシャル課題図書にさせていただくしかありませんね。
但し、爆笑ポイントが多すぎるので、電車のなかなど人前とかで読んだら変質者扱い、職質の対象になると思いますので、くれぐれも家にこっそり1人でこもって、家族にも見られないようにしてお勉強していただければと思います」
中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回6月のエンタメ番付は、6月26日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。
※この番組の記事一覧を見る
楽天グループの無料動画配信サービス「Rチャンネル」に「TOKYO MXチャンネル」が開設!
「5時に夢中!」も、リアルタイムで全国どこからでもお楽しみいただけます!
<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~18:00 <TOKYO MX1>
メインMC:垣花正、大島由香里
アシスタントMC:ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト: https://s.mxtv.jp/goji/
番組X(旧Twitter): @gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu