TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。巷で流行っているさまざまな出来事をピックアップし、その背景に迫るトレンド特集のコーナーでは、日本と韓国の若者の間で支持を集める“ブッダの言葉”を取り上げました。

◆“ブッダの言葉”が日韓の若者の心の支えに
昨今、韓国で日本の書籍「超訳 ブッダの言葉」(韓国版)が15万部を突破するなど大きな人気を博しています。これは元僧侶の小池龍之介さんがブッダの教えを現代風にわかりやすく翻訳した本で、2011年に単行本化。2015年には文庫版が発売されています。
なぜ今、韓国そして日本の若者でブームになっているのか、そしてブッダの言葉が若者に刺さっている理由を取材しました。
14年前に発売された本が韓国でヒットしたきっかけとなったのは、世界で活躍する韓国の人気ガールズグループ「IVE」のメンバー、チャン・ウォニョンさんの「仕事をしてつらいときにブッダの言葉を読むと、慰めになるし助けになる」という発言でした。ウォニョンさんがつらいときにブッダの言葉が心の支えになっているとメディアで紹介すると、「超訳 ブッダの言葉」は約1ヵ月で6万部も売れるほど一躍人気に。
その背景には、ウォニョンさんの何事も肯定的にとらえる「ウォニョン的思考」が韓国の若者の間で大きな支持を集めていることがあります。例えば、ウォニョンさんはスペインの人気ベーカリーでお目当てのパンが売り切れてしまったとしても「他の人が、私が買おうとしているパンオショコラを全部買ったおかげで、ラッキーなことに別の焼き立てのパンを買うことができました。やっぱり幸運の女神は私の味方」と超ポジティブ。
韓国で異例のヒットとなった「超訳 ブッダの言葉」ですが、その波はここ日本にも。版元のディスカヴァー・トゥエンティワン編集部・藤田さんによると、ウォニョンさんの紹介後、日本でも売り上げが急増し増刷。「(以前は)読者が40代だったんですが、ウォニョンさんに紹介いただいてから20代の方に読んでいただけるようになった。これはとても嬉しい驚き」と反響ぶりを語ります。
実際、20代の若者に本を見てもらっても「“どんないやな目に遭わされようとも(嘆かず)平常心を保つ”は本当に大事なことを言っていると思う。みんなこんな感じで考えていれば、平和になると思う」(20代女性・会社員)、「 “「ある」と「ない」に動じない”ですって。いいですね、これ」(20代男性・公務員)、「“悪口なんて涼しく聞き流すのが良い”っていうところですね。いい言葉がたくさん書かれている」(10代男性・学生)など、評判は上々。
では、なぜ今になってブッダの言葉が若者に響いているのか。Z世代の人材育成を研究している産業能率大学 経営学部の齊藤教授は、Z世代特有の意識が関係していると指摘します。
「(Z世代は)人間関係とか組織の雰囲気を重視し、Z世代共同体としていい関係性を作っていくことに対して価値観を持っている。そして、ブッダの教えも『こういう人たちがいっぱいいれば、良い関係がチームとして自然にできる』とあったりする。あとは超訳なのでめちゃくちゃわかりやすい。日々の生活で実践しやすいんじゃないか」と分析していました。
なお、ブッダの言葉に関連して、埼玉県秩父市にある常楽寺のホームページでは、ChatGPTを使ってAIブッダに直接質問ができる「AIブッダチャットボット」が公開されています。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx