日本の伝統「畳」に外国人が注目!背景に職人の“こだわり” 外国人記者が取材

2025.05.29(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、日本の伝統「畳」を取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、日本の伝統「畳」を取材しました。

◆年々国内での需要が減少する「畳」…一方で海外に住む外国人からは注目が

畳は平安時代に誕生したと言われる日本独自の文化で、原料のい草による吸湿性や防音性、さらにその匂いや色合いから“心を落ち着かせる効果”もあると言われています。

中国ではあまり馴染みのなかった畳ですが、触るとなめらかで柔らかさを感じます。香りが心地よくて、リラックス感を味わえそうです。

しかし、畳の需要は近年、国内で減少傾向にあると専門家は話します。畳の需要はそれまで年間で9,000万畳程あったところ、令和に入ってから約900万畳と、10分の1まで需要が下がってきているといいます。

現状を知るため、荒川区で約90年続く畳店「森田畳店」を訪ねました。

3代目店主の森田さんは、畳文化を繋いでいく上で、今、大きな課題があると指摘します。「一番ネックなのは、畳の職人さんが減ってきてしまっている。それがなかなか上向きになってこないので、どうなるかなというのはちょっとありますよね」と、業界では年々職人の減少や高齢化が深刻になっていると語ります。

課題を抱える畳。その一方で、近年、拡大する販路があります。それが海外への販売。「畳の数でいうと(日本と海外で)半々ぐらい。多い時になると日本が3割、海外7割とか、そういう時もある」と森田さん。森田畳店では約20年前から海外のお客さんへの販売を行っていて、年に100件近く手がけることもあるそうです。

海外に住む外国人には畳がどのように映っているのでしょうか。

実際に畳を購入したスイスに住む男性に話を聞いてみると「畳は最高だよ!今まで数えきれない数の畳を買ったけど、室内にいながらも畳があることで、自然を感じられるのが素敵。畳は空間全体を温かくしてくれる」と絶賛。畳の自然以来の温かみが、外国人から評価されていました。

◆様々な職人のこだわりが好評…畳の輸出は欧米圏や中東を中心に年々増加

海外から注目される畳。森田さんは、畳を輸出する際に様々な職人のこだわりをもって作業を行っています。

海外からの発注で問題となるのが、実際に寸法を測れないことです。「この部屋の時もそうだったんですけど、左の寸法と右の寸法は若干違うんですよね。その場合は小さい方に合わせて作る、大きい方に合わせないで。必ず入るように」と説明する森田さん。その差は数ミリほどですが、通常では気づかない微調整にも配慮を欠かしません。

さらに梱包でも工夫が。畳は少しでも角が丸くなると商品価値が落ちてしまうため、念入りにダンボールで包みます。森田さんは「いま5重になってますね。ここで5重、6重、7重で、ここにまた何枚か入るので、9重、10重ぐらいです」と、畳の角を丁寧に梱包していきます。

職人のこだわりが好評を得て、畳の輸出は欧米圏や中東を中心に年々その数を増やしています。

森田さんは、畳が海外に広がることをきっかけに、再び日本国内で注目されることにも期待しています。「畳が逆輸入で外側から圧力をかけられて、ぐっと(日本国内で)盛り上がってくるといいなと思う。海外(きっかけで)来ても、それはそれでいいんじゃないかなって思うんですよね」と話していました。

日本独自の文化、畳。職人たちの工夫により世界に広がりを見せていました。今後、その影響から国内でも再注目され、次世代に受け継がれていく、そんな希望も見えました。

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<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx

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