変わる「インバウンド消費」外国人観光客は「日本の伝統工芸」を現代的に手軽に楽しみたい!外国人記者が取材

2025.04.18(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、「インバウンド消費の変化」を取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、「インバウンド消費の変化」を取材しました。

◆訪日観光客の滞在中の消費額が過去最高を記録

去年の訪日外国人観光客の数が3,687万人ほど、そして旅行中の消費額も8兆円を記録したということで、ともに過去最高となっています。外国人観光客が増加する中で、インバウンド消費の変化を取材しました。

日本を訪れた外国人観光客に、滞在中の買い物について聞いてみました。

アメリカから来た男性は「旅行の予算は特に決めていません。ただ、楽しむためにはお金に糸目をつけません」と回答。

中国から来た男性は「化粧品や洋服を買いました。日本は商品が充実していて、種類が豊富です。日本の物は作りが丁寧なのも魅力です」と話します。

観光庁によると、去年の訪日観光客の滞在中の消費額は一昨年から50%以上増え、過去最高となる8兆円超を記録。これは国家予算並みと言われる東京都の予算とほぼ同じ規模となっています。

日本に大きな利益をもたらすインバウンドですが、観光学の専門家は、消費動向について近年変化があると分析しています。東京都立大学の清水哲夫教授は「電化製品から、伝統工芸に。本当の伝統の物は高いですし希少性もあるので、そういうものを少し手軽にしたり、技術や使っている素材は伝統工芸の物だけれど、今の用途に合わせて作っていくとか、そういうものが売れていくんだろうなという感じがします」と変化の傾向を解説します。

◆外国人観光客の注目は…「日本の伝統を手軽に楽しむ」

日本の伝統を現代の物やアイデアと組み合わせ、より“手軽”に楽しむ。この傾向は、東京ビッグサイトで開催された「インバウンドEXPO」の展示会でも見られました。

5分で着用可能というこちらの着物は、上下で分かれている上に、生地の裏側にマジックテープが貼ってあり、帯を締めるといった手順なしで着脱できる仕組みです。「インバウンド向けに簡単に着られる着物」として展開されているそう。

そして、この着物の一番のこだわりが、生地。捨てられる予定の着物の生地を再利用しています。

出展者は「外国人の方にたくさんの着物を観光名所で着ていただくシーンは見かけますが、本物の着物でないポリエステルの着物が多い。昔の職人さんの技術や染の技術が詰まっているので、私たちは中古の着物を使ってリメイクさせてもらっています」とその意義を強調します。

そして、甲冑を製造する企業が出展していたのは、刀の形を模した靴ベラです。

柄の部分や収納ケースは甲冑の製造技術をもとに装飾されていて、重厚感が演出されています。

さらに、日本が世界に誇る匠の技術も、別の形で人気を集めていました。自動車部品を製造する企業などが開発したのは、ねじに見えますが、精密に作られたチョコレートです。

この企業は2年ほど前から、自社製品を増やすなどの目的でチョコレートの製造を開始。すると「お菓子の中にまで日本の緻密な技術が詰まっている」と、海外の人から注文が殺到したということです。

開発した企業の担当者は「この「日本の匠」を出したいということで(バイヤーから)すごく需要がある。特に海外の、今回だとオーストラリアやシンガポール、またインドやアラブ首長国連邦の方が、早速取引をしたいということでお声掛けいただいております」と話します。

ロシア出身のバイヤーは「日本のメーカーは(今後も)伝統とクリエイティビティを活かして欲しいです。すごくいいものを作れるんじゃないかなと思うんです」と期待していました。

日本独自の技術と、現代的なモノやアイデアを掛け合わせた製品が、今、外国人観光客から注目されています。

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<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx

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