TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、「外国人の日本の学校体験」に密着取材しました。

◆外国人が日本の学校を体験!
日本と海外の学校生活は、授業のやり方や給食、掃除など様々な面で違いがあるようです。その違いを体験しようと、外国人が日本の学校生活を体験できるサービスが人気を集めています。
千葉にある廃校を使って行われる、日本の学校体験サービス「君ノ高校」。価格は1人あたり3万5000円と安くはないですが、約1年前にサービスが開始して以降、200人以上の外国人が参加しているといいます。
この日体験を受けたのは、アメリカ出身の一家です。なぜ日本の学校を体験してみたいと思ったか尋ねると、父親のショーンさんは「特に子どもたちは、アメリカと日本の学校制度を比べることにとても興味を持っています」と話します。
そんな日本の学校体験は、「気をつけ、礼。よろしくお願いします」という号令で始まりました。
1時間目の授業は「書道」。みなさん、真剣な面持ちで書道に取り組みます。
プログラムは先生役や同級生役もいて、全編英語で進められます。ただ、プログラムにあるのは授業だけではありません。
突然始まったのは、地震を想定した避難訓練です。初めて防災頭巾をかぶり、机の下に隠れます。
ショーンさんの出身であるアメリカの東海岸エリアは地震が起きる頻度は少なく、避難訓練は火災を想定したものが一般的だといいます。
ショーンさんは、「火災訓練は多いですね。月に1回くらいやっています。ただ、ここ10年でワシントンDCやニューヨーク近郊でも地震が発生しましたが、ほとんどの人が準備できていませんでした。だからこそ、様々な自然災害に備えた訓練はとても重要だと思います」と説明します。
◆アメリカと日本では大きく違う「給食」に驚き!
そしてこの日、特にアメリカとの違いに驚いていたのが「給食」の時間です。
生徒が協力して配膳する日本の給食を体験。アメリカでは一般的に生徒が配膳を行うことはないのですが、日本のやり方は協力して仕事をする力が養えると、好意的に捉えていました。ショーンさんは「生徒がいろいろな役割を学べるので、いい経験だと思います。協力することを学べていいですね」と感嘆している様子。
一方で、献立については消極的な意見も。アメリカでは献立に選択肢が用意されていて、生徒自身がメニューを選べるのが一般的だと言います。家族からは「決められた食事だと、気に入らなかった場合に食べずに捨ててしまうかもしれません。選択肢があれば食べ残しをすることが減ると思います」との指摘が。
◆全員参加の「運動会」は…「特別なコミュニティイベント」
午後になり、体育館に移動して行ったのは「運動会」の体験です。
2チームに分かれて、玉入れや綱引きに奮闘します。決められたチームのもと、全員で一つの競技に臨むのが新鮮だといいます。
「アメリカには日本の運動会のようなものはありません。スポーツイベントはありますが、全員が参加はしません。日本の運動会は特別なコミュニティイベントだと思います」とショーンさん。
最後は卒業証書を受け取って、約6時間の学校体験が終了しました。
参加した家族は、「とても楽しくて、あっという間に時間が過ぎた。いろいろなことができて充実していた」、「日本の運動会はアメリカのスポーツのやり方と違って新鮮でしたし、日本の学校の雰囲気を味わいました」と、1日の感想を語っていました。
日本の学校体験を通じてショーンさんが気づいたのは、日本の学校教育が協調性を重視しているということです。「アメリカの学校は個人主義の考え方が強いのに対し、日本の学校は協調性を重視していると思います。それぞれいい点と悪い点があり、両方のシステムから学ぶことができると思います」とショーンさんは話していました。
アメリカの教育を受けながらも、日本の教育の良さを積極的に学ぼうとする姿勢から、ダイバーシティな考え方に感心しました。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx