TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。2月27日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【“中瀬親方”による2025年2月のおすすめ作品】
◆関脇
マンガ「推しが死んだ朝」
著 古屋兎丸(小学館)
主人公・23歳の吉村優子は、いわゆる“推し活女子”。2.5次元俳優の金森雅哉を推すことを生きがいに生活していたのだが、推し活11年目に雅哉が何と引退宣言をして姿を消してしまう。優子は喪失感に苛まれつつも、“推しが死んだ”と考えることで自身の推し活に区切りをつけたのだが、50年後に老人ホームで雅哉と再会。あまりの感激に、50年ぶりに推し活を再開することに。そんな推しとファン、人生の物語を古屋兎丸が描く。
<注目ポイント>
推し活女子のピュアな乙女心と止まらない妄想
中瀬親方のコメント「(推し活を再開することになった優子は)どうして雅哉は突然引退したのかとか気になっているんですが、その理由を探っていくというストーリー展開のなかで、雅哉はだいぶ偏屈なじじいになっていて(笑)。(このマンガを)周りの推し活女子にも読んでもらったら、『この気持ち、分かる~!』って、めちゃめちゃ共感を呼んでいました。
私も自分の推しである“原さま(原辰徳さん)”と50年後に老人ホームで“再会したら……?”と、妄想してみましたが、そのときは原さまが116歳、私が110歳なので、“(おそらく)両方死んどるがな”と思って、“もっと現世で頑張ろう!”と(苦笑)。そういうことを夢見ながらも、ともかくとして皆さんもこれを読んで推し活女子の乙女心に胸を躍らせながら、止まらない妄想にふけってみてください。この(物語の)設定に、ちょっとジーンともしますし、ハマること請け合いです!」
◆大関
ノンフィクション「ブラック郵便局」
著 宮崎拓朗(新潮社)
西日本新聞社勤務の宮崎拓朗による話題作。本作は、自身が長年に渡る取材を通して、異常すぎるノルマなどで疲弊しきっていた郵便局員の暗部を綴ったノンフィクション。
<注目ポイント>
取材人数は1,000人以上! 闇堕ちした郵便局の驚愕の実態に迫る!
中瀬親方のコメント「2007年に民営化された日本郵政グループのブラック企業化に焦点を当てた本作は、かんぽ生命の保健不正販売問題をはじめ、配達員のうつ病発症による過労死とか自分で買い取らなければならないぐらい、いわゆる「自爆営業」と呼ばれる販売ノルマなど、1,000人以上にのぼる膨大な取材に基づいて、歪んだ巨大組織の実態に迫っています。
大きく6章に分かれていて、それぞれの遺族や取材対象者から聞いた職場環境の酷さがエピソードと共に綴られているんですけれども、どの内容も読んでいて、“こんなこと、今の時代にあるの!?”って思うぐらいビックリすると同時に、すごい怒りがだんだんとこみ上げてくるんですね。内容自体は、とにかく重くて悪いほうの驚きに満ちていて……郵政民営化の後も変わらず当たり前のように郵便局を利用してきているんですけども、その陰でこんな不都合な真実が横たわっていることに、改めて震えるほど驚いて、“この状況、何とかしなきゃいけないんじゃないの?”という気持ちにさせられました。
(2月17日の)発売直後から反響がすごくて 全国各地からこの本を読んだ読者の方たちから『こういう話も知っています』『よくぞ言ってくれた!』『自分も証言したい』といった声が続々と集まってくるくらいの状況なんです。西日本新聞社にいながら全国でこれだけ膨大な取材を重ねた宮崎さんの覚悟が詰まった1冊ですので、ぜひお手に取って読んでみてください。郵便局関係者は絶対に必読だと思いますし、その家族ももちろん、それ以外にもそういうことを知らない我々こそが読むべき本に仕上がってると思います」
◆横綱
映画「教皇選挙」
3月20日(木・祝)より全国ロードショー
リメイク版「西部戦線異状なし」で知られるエドワード・ベルガー監督の話題作。カトリック教会の総本山・バチカンを舞台に 最高指導者であるローマ教皇の死後、新たな教皇の選出選挙に渦巻く熾烈な争いを描いた極上のミステリー。
<注目ポイント>
疑惑と野心渦巻くコンクラーベ しのぎを削る根競べ
中瀬親方のコメント「主人公・ローレンス(演:レイフ・ファインズ)は、ローマ教皇の死によって新たな教皇の選出選挙、いわゆる『コンクラーベ』を執り仕切るべく、世界各地から100人を超える枢機卿を集結させるところから物語が始まります。
このコンクラーベがかなり特殊で、(選出選挙の)期間中、枢機卿は外部との接触を一切禁じられた隔離状態に置かれて、ピリピリした雰囲気のなかで行われるんですが、この選挙にはさまざまな陰謀がうごめいていて、コンクラーベに来る、事前の人物リストに載っていない人物が実は生前、ローマ教皇が秘密裏に枢機卿に任命した人物だったり、有力候補の1人に過去の性的スキャンダルの噂があったり、選挙戦を巡る攻防からも終始目が離せない展開となっています。
(コンクラーベが)すごく緻密に描かれていて、とにかく毎秒、毎分 ドラマが起きるという……それを際立たせているのが、隔離中の閉ざされた空間となっているシスティーナ礼拝堂ですね。映像のなかでは、すごく秘密めいた閉所に見えるぐらいに変貌していて、とにかく2時間、瞬きをするのも惜しいぐらいに展開がすごいです。熾烈な選挙戦が密室で行われるコンクラーベの舞台裏が全部分かりますし、ミステリー映画ならではの予測不能などんでん返しが待ち受けていて、バチカンの荘厳なシスティーナ礼拝堂を暗く彩るとにかく細やかな演出まで、普通の選挙映画として観たらもう最後、圧倒されること間違いなしの傑作です! ぜひ、劇場でご覧ください」
中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回3月のエンタメ番付は、3月27日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。
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<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~18:00 <TOKYO MX1>
メインMC:垣花正、大島由香里
アシスタントMC:ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト: https://s.mxtv.jp/goji/
番組X(旧Twitter): @gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu