TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「ライプラ!」のコーナーでは、最近人気を集めている「家庭料理のテイクアウト」に着目しました。

◆食事の救世主! 家庭料理のテイクアウト
今回取り上げたテーマは、自治体も期待しているという「家庭料理のテイクアウト」について。スーパーのお惣菜でも外食でもない“家庭の味”を自宅の近くまで届けてくれる新たなサービス「マチルダ(Matilda)」が人気ということです。
取材に訪れたのは、日が暮れた夕方5時半過ぎの東京・月島駅の辺り。その道沿いに、出現した小型のワゴン車で、次々と袋を受け取る人たちの姿が。
手にした袋のなかに入っていたのは、できたての家庭料理。メイン・副菜・汁ものとそれぞれ1品ずつ入っており、取材したこの日のメインは、しょう油麹の生姜焼きです。
このサービスについて、マチルダの共同創業者 CEOの丸山由佳さんは「マチルダは家庭料理のテイクアウトステーションサービスで、夜ごはんをパっとピックアップをして帰るという形のサービスです」と説明します。
マチルダでは1人分のセットやファミリーセットなど、分量も自由に選ぶことができ、注文や決済はオンラインで完結。保育園の前や駅前など、近所のテイクアウトステーションで料理を受け取れる仕組みです。
利用者に話を聞いてみると、「仕事をしながらごはんの準備するのは大変なので、(調理時間分の)時間を取れているかなと思います。子どもとの時間や自分の時間も確保できています」という実感の声など、マチルダを利用することで夜の時間にゆとりができ、子どもと過ごす時間も増えたという声が多く聞かれました。
さらに人気の秘密は、手作りならではの優しい味わいと豊富なメニューです。
利用者によると、「味がおいしくていろいろ種類がある」「子どもも食べられる食事になっているところと、(メニューが豊富なので)飽きないですね。目新しい料理は子どももチャレンジしてくれる」「薄味で野菜が多い。自分ではこういう野菜使わないなとか、取り合わせしないなっていう野菜がとれるということと、子どもに安心して食べさせられる。そこが助かっています」といった声など、好評を博しています。
マチルダの料理は、全て都内のキッチンで手作りしています。メニューは日替わりで、これまでに750種類以上を提供。開始から約3年で利用者は増え続け、今では毎週2500以上もの家庭が利用しています。
一体なぜこのサービスが生まれたかというと、「私自身、小学校2年生の娘がいるんですけど、子どもの健康を作る食はすごく大事だっていうのは分かっていつつも、自分自身がすごく忙しかったので、(食事を)作る手間がとても大変で(このサービスを)考えつきました」と丸山さん。
さらには、「親の負担を軽減することも重要だとは思うんですけど、マチルダを立ち上げるときに、いかに食べていただく皆さんの食卓が楽しくなるか、子どもたちの毎日がちょっとでも楽しくなるかというところを重視してサービスを作っています」と思いを語っていました。
◆自治体も期待! きっかけは子どもからのリアルな声
そんなマチルダのサービスに賛同したのが、品川区です。そのきっかけとなったのが、品川区が2024年9月に開催した「子ども会議」でした。
品川区 企画経営部の井添優子さんは、「(その子ども会議で)子どもたちから親へ『仕事からもっと早く帰ってきてほしい』とか『家族と一緒に過ごす時間がもっとあるといい』というようなご意見が出ました」と振り返ります。
家族で過ごす夜の時間をもっと増やしたいという、子どもたちから出された課題を解決するため、品川区は実証実験事業としてマチルダを採択。区が大崎駅前にテイクアウトステーションの場所を提供する形で支援を打ち出しました。
この取り組みについて、森澤恭子区長は「仕事を終えてから夕飯の準備をするのは、今もやっていますけれども非常に大変だという実感がありますので、子どもと接する時間を少しでも作るために、食の支援をと。(マチルダは)家庭料理なので、子どもに安心して食べてもらえるという、そういった食事を提供していただけるというのは非常に有意義な事業だと感じています」と力を込めます。
食の提供を通じて、親子の時間やコミュニケーションの場が増える家庭料理のテイクアウトサービス。今後も広がっていきそうです。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx