TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「ライプラ!」のコーナーでは、20代を中心に広がりを見せている“ソーシャルギフト”について取り上げました。

◆若者を中心に人気拡大の“ソーシャルギフト”
季節の変わり目をはじめ、結婚・出産祝いや引っ越し祝いなど、ライフステージの節目につきものの“贈り物”。近年、その贈り物にある変化が起きており、それが今回のテーマ“ソーシャルギフト”です。
東京・渋谷の街頭で話を聞いてみると、「プレゼントとか誕生日のときなどに軽く送るときに使っています。めちゃくちゃ便利です」(大学生 23歳)という声や「友人だったり、遠く離れている人にもすぐに渡せるので(使っています)。1,000円とか500円とか限られているので、『この人は多めに』など、人によって(価格帯を)使い分けています」(フリーター 21歳)といった声が。
彼らが利用していると話すのは、LINEやSNSを介して、相手の住所を知らなくても品物を贈ることができる“ソーシャルギフト”です。国内では、2009年にmixiがSNS内での機能として提供したのが始まりと言われています。
オンラインギフト市場の調査・分析などを行うギフトモール オンラインギフト総研 所長の小川安英さんは、このサービスが近年、20代を中心に広がりを見せていて、日常の些細な場面やシーンでプレゼントを贈り合う文化ができつつあると分析しています。
小川さんは、「我々の最近の調査では、主に20代(に人気)。約4人に1人を超えて利用されている。プチギフトというか、ちょっとしたお礼であったり、感謝の気持ちを伝えるときに使われるケースが多いです」と補足します。
実際に、街頭インタビューでは、「友達と待ち合わせをした際、SNSを介して約束の時間に遅れるという連絡とともに、待っている間の時間潰しの足しにとお詫びのドリンクチケットをギフトとしてもらったことがある」という人も。
そんななか、ソーシャルギフト自体は10年以上前から存在していたにもかかわらず、なぜ最近になって若者の間でソーシャルギフトの利用者が増えているのでしょうか。その背景には、新型コロナの影響があるということです。
小川さんは「(ソーシャルギフトの普及の)1つ大きなポイントになっているのが、コロナ禍。身近な人に何かギフトやプレゼントを渡したいんだけれども、対面することができない。若い方々でも学校に行けないという方が結構いらっしゃったと思うんですけれども、(そうした状況下であっても)会わなくても贈れるということで、ソーシャルギフトの利用がぐんと高まった」とその背景を説明します。
◆カタログギフトとソーシャルギフトの“いいとこどり”
そんなソーシャルギフトが大きな広がりを見せつつあることから、従来の贈答品を取り扱っていた業者なども、目を向け始めています。例えば、創業から80年以上を誇る老舗のカタログギフト企業・株式会社大和もその1社です。
2022年4月に「dōzo(どーぞ)」というソーシャルギフトサービスを開発。2024年11月には、専用アプリをリリースするなど、企業としてもこの領域に力を入れているということです。
「dōzo」は100種類以上のユニークなテーマがあり、贈る側が相手にぴったりのテーマを選んで贈ることができるというのがこのサービスの大きな特徴です。
手軽に商品を贈れるソーシャルギフトに、受け取る側が商品を選べるカタログギフトの要素を組み合わせた、このサービス。例えば、「のんびりしたっていいじゃないか。」というテーマや「絶対的いぬ派。」など、ユニークなテーマがずらり。贈る側は、さまざまなテーマのなかから相手の好みやシチュエーションなどに合うものを選ぶことで、ギフトを受け取ることができます。
現在、結婚や出産といったイベントが多くなる20代後半から30代前半の女性を中心に、少しずつ利用者が増えており、今後もより多くの要素に対応できるようテーマの種類を増やしていくということです。
なお、ギフトモール オンラインギフト総研の調査によると、人気のギフト1位は「グルメ・スイーツ」。次いで、2位「電子チケット」、3位「ビューティー」、4位「ファッション」、5位「デジタルギフトカード」となっています。
ソーシャルギフトの今後について、所長の小川さんは「今後は、冠婚葬祭などの場面では『カタログ』や『ECサイト』。友人間の気軽なお礼のやり取りでは『ソーシャルギフト』といった使い分けが進むのではないか」と推測していました。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx