TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、日本の伝統「甘酒」の魅力を取材しました。

◆「飲む点滴」と呼ばれ、発酵食品として注目の「甘酒」
初詣などでおなじみの「甘酒」は、奈良時代から飲まれていたとも言われる日本の伝統的な飲み物で、その魅力は都内からも世界に発信されています。
新宿区の飯田橋駅からすぐのところにある「麹専門店MURO」には、全国から厳選された約70種類の甘酒が集まっています。
店内にはスタンダードな甘酒から、かぼすやゆずといったフルーツのテイストのお酒まで、幅広く取り揃えられています。
甘酒は“飲む点滴”ともいわれるほど、ブドウ糖やビタミン群などの栄養素を多く含みます。そして、米に麹菌を混ぜ発酵させて作る「米麹甘酒」は、アルコールが含まれておらず、多くの人が楽しめることから近年注目されているということです。
店長の舘林さんは「コロナ禍を経て徐々に健康意識を高める方が多くて、免疫力や栄養豊富な、甘酒や麹食品を求められるお客様が増えてきている」と説明します。
店を訪れた女性は「日常の生活の中で体にいいことを気軽に継続していきたいと思って、いま発酵食品とか自分で発酵を簡単にできるものを探している」のだそう。また、調味料として甘酒を砂糖の代わりに使っているという人も。
さらに、甘酒を飲んだことがないという海外からのお客さんは、「かなりおいしいね。口当たりが好きだ。これまでこういうものを飲んだことがないんだけど、なかなかいいね」と初めての味に高い評価。
舘林さんは「徐々に海外のシェフの方も日本の麹について注目しているので、甘酒の栄養素や美味しさをより多く広めていきたい」と意欲を見せていました。
◆23区唯一の酒蔵で「甘酒」造り 東京産へのこだわりが
甘酒の製造は都内でも行われています。港区にある酒蔵「東京港醸造」は、東京23区唯一の酒蔵。4階建てのコンパクトなビルの中で、甘酒や日本酒を製造しています。
無形文化遺産に登録された、世界が注目する麹菌を用いた発酵技術「伝統的酒造り」。
この酒蔵で原料となる米を蒸す作業を行うのは、ベランダです。そして、麹菌の散布や瓶詰め、加熱殺菌まで作業中、階段を何度も上り下りしています。
甘酒や日本酒を造るのには多くの工程を要するため、狭い土地で酒蔵を開業するのは難しいと言いますが、代表の寺澤さんは「やはり消費地の近くで作るというのは、流通の経費を圧縮できたり、あと新鮮なものをすぐ取りに来ていただくというのが立地的にすごくいい」と利点を強調します。
そんなこちらの酒蔵のこだわり、それが「東京産」。甘酒造りに利用している水は全て、高度浄水処理された東京の水道水だということです。
寺澤さんは「(東京の水は)中硬水で真ん中より少しだけ硬度が高いため、甘酒を作るときにもすごく適していると思いますね。お米の原産地も東京都の多摩地域のものを使っています。東京で作っているという部分を大事にしているので、希少価値はあると思います」とこだわりを話していました。
都内でも製造される日本の伝統“甘酒”が今、世界から注目されています。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx