TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「ライプラ!」のコーナーでは、「宿泊型の産後ケア」を取り上げました。

◆需要が伸びている「宿泊型の産後ケア」とは
産後ケアとは、出産後の慣れない育児に疲れがちな母親のために、育児の支援や心身のケアを行うサポートのことです。2021年に国は自治体に対して産後ケアを努力義務としていて、中でも近年特に需要が伸びている「宿泊型の産後ケア」を取材しました。
横浜市にあるホテル、足早にスタッフが向かった先は、ホテルの客室です。ここはホテル内に設置された産後ケア施設「ぶどうの木」。
助産師や保育士などの専門スタッフが24時間常駐し、赤ちゃんや出産後に不安を抱えるお母さんをケアしてくれます。
今回施設を利用した女性は、2週間ほど前に第一子を出産。夫が単身赴任中だったこともあり、施設の利用を考えた理由を話します。「初めての子供なので、なんで泣いてるの?っていうところと、どうやったら泣き止むの?って。永遠と泣いている時は泣いていたので、ミルクの量だってどのくらい今はいいのかな?とか、細かいことを上げていたらきりがないですけど」と、ワンオペの子育てに悩んでいました。
ミルクの時間に女性が助産師に質問をすると、「苦しそうにしてたりしないのであれば、様子を見てもらって全然大丈夫です」と子育ての疑問にも答えてくれます。
さらに、夜は赤ちゃんをプロに預けてゆっくり睡眠を取れるのも魅力の一つ。
一夜明けて、利用した女性は「もうゾンビのような状態でここへ来て、寝不足もありましたし、夜少し寝ることもできましたし、預けながらもお世話の仕方とか学べましたし、そういう意味ではすごいポジティブな気持ちで、このチェックアウト日を迎えることができました」と話しました。
こちらの施設は一泊5万5千円からという料金ですが、この日も全3部屋がすべて埋まっていて、利用者も徐々に増えてきているということです。
「ぶどうの木」のマネージャー・助産師の玉木さんは、「核家族がすごく増えてきているというのがあって、ママが一人で子育てをする時間というのがすごく多くなっていると思います。赤ちゃんを預けるのって決して悪いことではなくて、育児も一人だとやっぱりキツイところがあって、そこは人の手を借りていいと思うんです」と説明します。
◆「産後ケア事業」を自治体の努力義務に…自治体による助成も
この秋発表された「産後のメンタルヘルス」に関するアンケートでも、多くの人が「睡眠不足による疲労感」や「自分の時間を取れないストレス」などを感じていました。
こうした状況を背景に、近年、国も産後ケアに力を入れています。2021年度には少子化対策の一環として、「産後ケア事業」を自治体の努力義務にしました。
千代田区にある浜田病院。こちらの病院でも宿泊型の産後ケアサービスを行っていて、千代田区を含む周辺3自治体に在住の人が助成を受け、サービスを利用することが可能です。
利用料金は1泊数千円から1万円程だということですが、自治体による助成が始まってから、利用者は年々伸びているといいます。
助産師の石井師長は「区が助成をしてくださるので、ハードルが下がって利用しやすくなっている、利用しやすい環境になっているところもあると思います」と話していました。
産後ケア事業は、今回取り上げた「宿泊型」の他にも、ホテルや病院などに通ってケアを受ける「日帰り型」や、助産師などが自宅を訪れてケアをしてくれる「訪問型」があります。
宿泊するのか、日帰りするのか、自分のスケジュールに合わせてサービスを選ぶことができるということで、「出産後のケア」という考え方が今後さらに広がりを見せるということです。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx