TOKYO MX(地上波9ch)朝の情報生番組「おはリナ!」(毎週月~金曜7:00~)。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点からレポート。
今回は、日本に来る多くの外国人が直面する問題「言語の壁」を乗り越える一手となり得る最先端技術を取材しました。
◆日本に来る多くの外国人が直面する問題「言語の壁」
渋谷を訪れた外国人に、日本に来て言語の問題で困ったことはあるか尋ねました。
「私が難しいと感じるのは、話したい人と思うようにコミュニケーションが取れないこと(アメリカ人)」「レストランで料理が全て外国語で書かれているときが大変。店員が何を言っているのか理解できない時もある(アルゼンチン人)」「薬を買うときが難しい。脱臭剤だと思って買ったものが、実は接着剤だったことがある(オーストラリア人)」との回答が。
日本に来る多くの外国人が口にする、言葉が通じないことによるコミュニケーションの難しさ。そんな「言語の壁」の解消につながる技術が現在、続々と開発されています。
千葉市の幕張メッセで開催された国内最大級の展示会「CEATEC 2024」。約2年後に実装が期待される、最先端技術が集結しました。会場内では日本の技術の展示や説明が行われていましたが、その技術が世界とのつながりの中でどのように活用できるのか見ていきます。
世界トップクラスの顔認証技術を誇るNECでは、言語の壁を越える技術が。「顔画像からバイタルサインを推定する」新しい研究開発中の技術です。
このシステムは、言語を介さずに、体や精神の状態をチェックできるもので、スマートフォンのカメラで顔を撮影するだけで、AIが脈拍や血中酸素のおおよその数値を算出します。
問診を必要とせず、簡単に測れることから、将来的にはオンライン診療の代わりとしての利用も期待されています。
ブースを訪れていたマレーシアから来た女性は、日本で体調が悪くなった時に言語が通じなかった経験があったといいます。「日本に来て言語が分からないので、常に翻訳しなければならない。こういうものがあれば、自分の健康状態をすぐにチェックできるので便利です」と話しました。
◆AIがどの言語かを認識し変換するシステムや、中身を簡単に書き換えられる電子の案内板も
翻訳ソフトを手掛ける企業が開発を進めているのが、言語の切り替えをしなくても、AIがどの言語かを認識し変換してくれるシステムです。
二か国語で話しかけてみると、タッチせずに英語も中国語もスムーズに日本語に翻訳してくれました。多言語が飛び交う会議や、外国人が行政の窓口を訪れた際に手続きを円滑に進めることなどが想定されています。
そして、電気機器メーカーのシャープが開発しているのは、中身を簡単に書き換えられる電子の案内板です。
この技術、どういった使い方が想定されているのでしょうか?担当者は「インバウンドのお客さんは新幹線や交通網が止まったり地震が起こったらどこに避難したらいいかということを、日本人に聞かないと分からないという問題があるんです。外国の方が来る行楽シーズンに、その言語に対応することも簡単にできます」と話します。
案内板は、災害時には即座に表示を多言語対応の災害状況や注意喚起に切り替えられます。インドから来た男性は「この案内板を見れば、最近何が起きているのかや気候の変化について知れて助かる。観光客にとってもより安全性を高めるものです」と期待していました。
日本の最新技術が言語の壁を越えて、外国人との共生社会を実現する助けとなりそうです。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1>
キャスター:山本里菜、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X(旧Twitter):@oha_rina
番組Instagram:@oharina_mx