TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。6月27日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【“中瀬親方”による2024年6月のおすすめ作品】
◆関脇
科学エッセイ「にゃんこパワー―科学が教えてくれる猫の癒しの秘密―」
著 カリーナ・ヌンシュテッド、ウルリカ・ノールベリ 訳 久山葉子(新潮社)
科学的に裏打ちされた世界中のさまざまな研究データを用いながら、猫の持つ魅力を分かりやすく解説している科学エッセイ。
<注目ポイント>
科学にもバレた猫の魅力! 読んで癒されるにゃんこ本の決定版!
中瀬親方のコメント「本書は無類の猫好きである海外の2人の作家さんの共同著作なんですけれども、科学エッセイだけあって、科学的にちゃんと裏打ちされた世界中のさまざまな研究データを用いながら、猫の持つ魅力を分かりやすく説明してくれています。
猫がゴロゴロと喉を鳴らすときの音って、ものすごく人間を癒してくれるということが科学的にも証明されているんですけど、その音の秘密とか、猫と人間の長い歴史や各地にまつわる伝説など猫知識を学べる上に、猫と一緒に居ることがいかに人間にとって良いことなのかを、(著者)2人の実体験と科学的にも、両方を通して書いているので、読んでいるだけで“やっぱりそうなんだ!”“よしっ!”ってガッツポーズをとりたくなるぐらい癒されます。
また、猫の記憶力って、すぐ忘れていそうですけど、実は10年ぐらいもつんです。例えば、動物病院に連れて行かれてすごい嫌な思いしたとか、犬に追いかけられてめっちゃ怖かったとか、そんなことも覚えているんです。なかでも、私がすごく心に刺さったのは、ずっと居たのにある日突然居なくなった人、もう会えなくなった人。例えば、うちのトウチャン(パートナー)みたいに亡くなった人ですよね。そういう人のことも、決して忘れていなくて、覚えているんですって。
だから、私はそこを読んでボロ泣きしてしまって……とにかく猫好きなら薄々感じていた猫の不思議な魅力を科学的に全部解説してくれるので。猫好きの皆さんにとってのバイブルです。一家に1冊、猫の隣に置いて読むと、“こいつら、いつもは好き勝手に生きて、ご飯のときだけふらっと来て”とか思っている気持ちとかも全部解消されて、めちゃめちゃ癒されますので、ぜひ読んでください!」
◆大関
映画「フェラーリ」
7月5日(金)より全国ロードショー
巨匠マイケル・マン監督が、“F1界の帝王”と呼ばれたエンツォ・フェラーリのすべてを賭けた戦いを描いた実話の物語。
<注目ポイント>
構想に30年! 監督の情熱が溢れる圧巻のレースシーン!
中瀬親方のコメント「本作は、フェラーリの創始者であり、元レーサーのエンツォ・フェラーリが、倒産寸前というすごいピンチの年があったんですけど、その会社を立て直すための激動の1年を描いた作品です。主人公のフェラーリは、難病の息子を亡くしたり、共同経営者の妻との関係も、彼が愛人を作るなどして冷え切っていて、私生活がボロボロな上に、競合他社からも買収の危機に瀕していたんです。
そんななかで、廃業を避けるべく、イタリア全土1,000マイルを縦断する“ミッレミリア”というレースに挑戦して、一発逆転を狙うんです。で、このミッレミリアのレースシーンが本当に圧巻で、疾走するレーサーの表情、ダイナミックなレースの臨場感。エンジン音などこだわり抜いていて、マシンは当時のオリジナルカーを3Dスキャンして作っているんです。
音は当時の車を探し出して、それぞれの車の音を録音していて、構想に30年かかったという巨匠の情熱がそのまま作品に表れています。とにかくレースがすごい迫力です。愛人との間にできた息子に、『勝利する者は、見た目も美しい』と言い聞かせるシーンもイタリアっぽい感じで、オシャレさも忘れていないです。
F1ファンじゃないと楽しめないかというと、そんなことは全然なくて、私もF1は普段観ないんですけど、人間ドラマがちゃんとしているので、めちゃくちゃ楽しめましたし、何といっても私が今どハマりしているアダム・ドライバーさまが主演なんです。アダムさまはまだお若いんですけど、59歳のフェラーリの役を老けメイクで堂々と演じていて、イケオジぶりがもうマジですごいんです!
それで、激強の妻をペネロペ・クルスさんが演じているんですけど、これもまたすごくて役者陣も豪華で、フェラーリの情熱と狂気を圧倒的な熱量で描いています。ぜひ劇場で、その臨場感をご堪能ください!」
◆横綱
コミック「ねずみの初恋」
著 大瀬戸陸(講談社)
第78回ちばてつや賞ヤング部門優秀新人賞を受賞してデビューした新進気鋭の漫画家・大瀬戸陸による「週刊ヤングマガジン」を震撼させた話題作。幼い頃からヤクザに“殺し屋”として育てられ、人の愛を知らずに育った少女・ねずみは、純真無垢な少年・碧(あお)と恋に落ちてしまう。そんな2人のあまりに残酷で切ない初恋の物語。
<注目ポイント>
殺し屋であり恋する乙女! 2つの対比が描く絶妙なリアリティ!
中瀬親方のコメント「裏社会に生きる少女・ねずみと無垢な少年・碧との出会いから始まる純愛ストーリーと、ねずみが実はヤクザに雇われてる殺し屋なんですけど、殺し屋としての生き方の両軸が描かれている作品で、画のタッチはすごく萌えっぽく見えるんですけど、ギャップが良いんですよね。
ねずみは、純真無垢な少年・碧と付き合うことになるんですけど、所属する組に碧の存在がバレて、碧が半殺しにされて、ねずみは碧のとどめを刺すように言われるんです。こんなかわいい顔でも、今までは何も考えずに人を殺せた、本当に残虐で誰のことも殺せるようなねずみだったんですけど、初恋相手の碧のことは絶対に殺せないわけです。知らぬ間に(彼のことを)ものすごく深く愛していた。
ねずみは、碧をヤクザの世界に引き込んで殺し屋にすることを条件に碧を守るんです。守るものができてしまったねずみの、殺し屋としての人生と恋する乙女という2つの顔のコントラストがとても絶妙で、この絵柄と、凄まじい殺しと暴力のシーンの描写がすごいんですけど、そのギャップが本当にたまらない作品です。
先日2巻が出たばかりでめちゃくちゃ面白いんですけど、3巻に行くところがまた絶妙なところで終わっているんですよ。あまりにも残酷であまりにも切ない物語に絶対にハマりますので、皆さんぜひ読んでください。ハマること請け合いです!」
中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回7月のエンタメ番付は、7月25日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。
<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~18:00 <TOKYO MX1>
メインMC:垣花正、大島由香里
番組Webサイト: https://s.mxtv.jp/goji/
番組X(旧Twitter): @gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu