TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」（毎週月～金曜7:00～）。2月20日（月）放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、“教科書再配布”に関する報道を取り上げ、デジタル教科書の是非について意見を交わしました。

◆教科書訂正で2万5,000冊を再配布

教科書出版大手「東京書籍」が配布した教科書に誤りがあり、およそ2万5,000冊を再配布していたことがわかりました。このニュースにNPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんからは、「（教科書の）電子化はダメなんですかね」との意見が。

というのも「紙で配ったから再配布をしなければいけないが、本来は“GIGAスクール構想”で（子ども）ひとり1台タブレット端末を持っている」と指摘。しかも、こうした環境は世界でも特殊だそうで「家庭の経済状況に関わらず子どもたち全員がタブレットやPCを持っている、この政策をやっている国は少ない」と大空さん。当番組が放送開始した当初は紙の台本をしていましたが、大空さんの提案もあって電子化へシフト。昨今、そうした流れはテレビ業界でも増えているそうです。

キャスターの堀潤は「本当はできるが古い慣習、古い付き合い、古い産業などそうしたものが子どもたちの教育のアップデートを阻害している可能性は十分にある」と憂慮。

◆デジタル教科書の是非、そこには課題も!?

さらに大空さんは「ノートは、鉛筆で書いて手垢がついて、ちょっとくしゃくしゃになりながら、教科書に落書きをするなど、それが教育だと言っている人がまだいる」と指摘し、「“紙神話”のようなもの。実際に紙で書いてきた日本の今の状況を見て、『やっぱり紙で教育してきたからよかったね』とはならないと思う」と主張します。

数年前に教育実習に行き、現場の課題を聞いたという株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは、「先生によって授業の仕方はまちまちで、タブレットが配られているが、使えていないケースがある」とし、「若い教員が改革を起こそうとしてもなかなか難しい部分がある」と振り返ります。そして、タブレットのほうがやりやすい部分も多いため、「普及が進めばいいなと思うが、難しい部分も多い」とも。

獨協大学特任教授の深澤真紀さんは「地域によって（配布している）タブレットのスペックの問題や、なかには先生が故障対応係になってしまうケースもある」、「メンテナンスも全部先生に任せるようなところも残念ながらある」と現場での問題点を挙げます。たとえ高性能タブレットや高速回線など環境を整備したとしても、設定や故障などに対応するバックアップ体制がないと先生方の苦労は絶えないと案じます。

ここで大空さんから、教科書そのものをデジタル化することについての意見を問われ、久保さんは「大学だとデジタルで配布する先生が多いと思うが、（大学以外では）本のままのほうが多いんじゃないか」と述べ、「僕自身、読書は本で読みたい派なので、個人の意見としては本のままでもいいのかなと思う」と素直な気持ちを吐露。

過去にデジタル教科書を導入している小学校を取材したことがあるキャスターの田中陽南は「卒業後、デジタル教科書のアカウントを誰が管理していくのか、それが消えてしまったときに全く見返せなくなるなど、ちょっとまだ課題があるのかなという感じがあった」と取材時に感じたことを語ります。

田中が挙げた課題に関して、大空さんは「もし見返すようなことがあったとしても、アーカイブ化しておけばいい。そうすれば学生だけでなく誰でも、大人も見られる。本来そうでないといけない」と主張すると、堀は「それは素晴らしい！」と同意し、「デジタル化を活かすためには、アーカイブ性、一括したタイムラインを途切らせないことが大事。それが公教育のなかでも反映されていけば」と望んでいました。

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＜番組概要＞
番組名：堀潤モーニングFLAG
放送日時：毎週月～金曜 7:00～8:00　「エムキャス」でも同時配信
キャスター：堀潤（ジャーナリスト）、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter：@morning_flag