日本のニュースや課題を海外の人たちはどのように見るのか、中国出身の報道部・曹蒙記者が、世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。今回取り上げるのは「経済安全保障」です。
そもそも経済安全保障とは、他国からの経済的な圧力や妨害から国民の暮らしや国の安全を確保するために、経済の仕組みを使って対策を講じる取り組みです。
例えば、日本では先週、ホルムズ海峡の封鎖に伴う原油価格の急騰を受け、ガソリン価格が過去最高値を更新しました。中東への依存度が9割を超える原油の調達先の分散につなげようと、先週行われた日米首脳会談で、高市総理大臣とトランプ大統領は、アメリカ産エネルギーの生産拡大に向けて連携する方針で一致しました。こうした日本の経済安全保障について、外国人はどう見ているのか。また、自身の国の現状を聞きました。
「日本の経済安全保障の取り組みについてどう思いますか」という問いに、フランスから来た男性は「賢い判断だと思う」と回答。さらに、「より多くの資源を確保するために、より多くのパートナーシップを築くべきだと思います。アメリカとの連携は良い方法だと思います。ただ、もっと改善できるとも思う。例えばヨーロッパの国々、特にノルウェーなど北欧諸国と交渉を始めるのも一つの方法だと思います」と話しました。
トルコから来た男性は、「他国に依存している国にとっては(今の状況は)非常に大きな悪影響があると思います。そしてこれは世界全体の問題になっています。他国に依存していると、コストを支払うことになります」と述べました。
一方で、日本政府が強化に乗り出しているのが、経済安保で重要と位置付ける民間技術の支援です。人工衛星の打ち上げや、海底ケーブルの設置などを後押しすることで、海外に依存しない体制づくりを目指していて、この姿勢を評価する声も上がりました。
オーストラリアから来た男性は、「特に技術への投資は、現在の状況に対する非常に興味深いアプローチだと思う。多くの国は今、支出を抑えたり、資源をコントロールしようとしていて、積極的な投資には慎重になっている。しかし、日本が『どこにチャンスがあるか』を見て、それを生かし国民を支えようとしている点はとても良いと思います」と答えました。
続いて自国の現状を聞きました。トルコから来た男性は、「私たちもイランからガスを輸入していますが、現在は供給が止まっています。そのためトルコではガス価格が上昇しており、野菜や果物などあらゆる物価に影響しています。日本と同じような状況にあります」と明かしました。
アメリカから来た女性は、「私たちが住んでいる地域でも、ガソリン価格は今とても高くなっています。残念ながら、価格を下げるために政府が何かしてくれているようには見えません」と嘆きました。
一方で、エネルギー面では影響をほとんど受けていないという国も。「主なエネルギー源は何ですか」という問いに、スイスから来た女性は「水力・太陽光・風力の3つです。スイスは山が多く風力発電に適していて、水も豊富でダムも多くあります。太陽光も活用しています。この3つで国全体の電力をまかなっているため、電力に関しては問題はありません。場合によっては、他国に電力を提供することもある。だからこそ自国でまかなえるように投資し、自立することが重要だと思います」と語りました。
イタリアから来た女性は、経済が政治的に使われている現状を問題視します。「経済を武器のように使うべきではないと思います。それは安全な状態とは言えません。経済やお金を正しく使うことが重要だと思います。そして、それを武器として使わないことです」と指摘しました。





