TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。家計に関するお金のニュースを深掘りする「豊崎由里絵の家計Lab」のコーナーでは、“子ども・子育て支援金制度”について取り上げました。
◆子ども・子育て支援金、国民の負担は?
子どもや子育て世帯を支えるための“子ども・子育て支援金制度”の徴収が今年4月から始まります。
これに必要な財源は3兆6,000億円で、その内容は児童手当の抜本的な拡充として所得制限の撤廃や支援期間を高校生まで延長。満3歳未満の子ども誰でも月10時間まで通うことができる「こども誰でも通園制度」を整備。そして、妊婦への支援金として妊娠届提出時に5万円、妊娠後期以降に妊娠している子どもの数ごとに5万円、合わせて10万円相当の給付があります。

さらに、子育てのための就業支援として育児休暇を取得した場合は手取りの10割程度、子育てのための時短勤務を行う場合は賃金の原則10%程度の給付。加えて、自営業など国民年金に加入している人が出産した場合は、子どもが1歳になるまで国民年金保険料が免除になります。

では、これにあたって国民はどのくらい負担することになるのか。約1兆円は社会全体で子どもや子育て世帯を支えるという考えのもと未成年を除く全ての世代と企業から医療保険料と合わせて集められます。その額は加入する医療保険制度と年収によって異なり、こども家庭庁によると会社員など被用者保険加入者は1人あたり約550円。自営業など国民健康保険の場合は1世帯あたり約300円。後期高齢者医療制度の被保険者は1人あたり約200円になるということです。

“独身税”とも揶揄される子ども・子育て支援金制度の解説を聞いたキャスターの堀潤は「“税金”という枠組みの中でやってくれたらいいのに、外に出されると分断が煽られていくよう……」と不安な顔をのぞかせます。

経済ジャーナリストの荻原博子さんも「本来これは税金でやるべきこと」と声を大にします。「社会保険料は自分で出したもので、自分が恩恵を受けるもの。ところが独身や高齢者の方など恩恵を受けないとなると『なぜ税金でやらないんだ』となる」と苦言を呈し、さらには「しかも、この子ども・子育て支援金は国民負担率に入らない。本来これは入れるべき」とも。

この制度に関して街頭で意見を聞いてみると、2歳と0歳の子どもを育てている夫婦は「子育てしている自分たちにとってはありがたい」、「財源は気になりますけど、もらえるものはもらいたい」と賛成。一方、「昔の方が家庭は大変だった。それでもやってきた人がたくさんいる。今の方が豊か。努力すればやっていける」、「年金生活者は自分の生活でいっぱいいっぱい。そこで支援してくれと言われると難しい」など子育てをしていない世帯は直接的な恩恵が受けられず不公平だという声も聞かれました。

これに対し、専門家である東京大学の山口慎太郎教授は「子どものいない人や子育てが終わった人も含め、長期的な目で見ればメリットのある制度」と今すぐに恩恵は受けられない人でも将来的にはプラスになると説明。

なぜなら、子どもが成長し立派な大人になれば1人あたりの生産性が高くなっていくことにつながるからで「広い意味で次世代に投資していると考えていただくのが良い」と山口教授。
「年金制度や社会保障制度は現役世代が納めたお金で引退世代の生活を経済的に支えていく仕組みで、自分に子どもがいなかったとしても他人の子どもに自分の老後が支えられている可能性が非常に高い。社会全体でお互い助け合っていく仕組みなので、ここで投資を怠ってしまうと20〜30年後の日本社会が明るいものではなくなってしまう。こういった投資は日本社会の維持のためにも必要なもの」と解説します。

他方で、この制度に関しては政府の説明が不十分という声も。政府は社会保険料の歳出改革を進め、その削減された範囲内で支援金を徴収するため国民の実質的な負担はゼロという説明をしています。しかし、その内容をよく見ると社会保険料の歳出改革による削減だけではなく、“賃上げによる軽減”も含めての実質負担ゼロとなっています。
これについて山口教授は、賃上げは政府の直接的な努力ではない上にインフレで実質賃金の減少さえあり、負担ゼロというのは苦しい説明ではないかと指摘。

ジャーナリストの風間晋さんは「賃上げだけじゃなく、歳出改革も本当にできるのかどうか」と懸念する傍ら「社会全体で支援するというのはその通りだが、高齢者的な立場から言えば、45年間ぐらい(税金や保険料を払って)お勤めを果たしたつもりでいたが、まだ払わないといけない。ゴールを動かされている感覚もある」と率直な思いを語っていました。

<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx





