TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は日本の「抹茶」を取材しました。
◆「抹茶ジェラート」に外国人観光客が殺到!
抹茶とは、日本で800年以上の歴史を持つ緑茶の一種です。その栽培方法は独特で、茶葉を布などで覆い、直射日光を遮って育てられます。日差しを遮ることで、茶葉に含まれる「テアニン」という旨味成分の分解が進みにくくなり、その結果渋みが少なく、旨味や甘みが前に出た味わいになります。

そして最大の特徴は、茶葉を煎じて飲むのではなく、粉状にしてお湯に溶かし、茶葉そのものを飲むという点です。近年、この抹茶が海外から味や栄養価の面で高く評価され、世界中で大きな広がりを見せています。

台東区浅草にある老舗の茶店「壽々喜園 浅草本店」には、多くの外国人観光客の姿が。お目当ては、抹茶の濃さが選べる7種類の「抹茶ジェラート」。こちらのお店では、現在訪れる客の約7割が外国人だといいます。

実際にジェラートを食べている外国人に話を聞くと、タイから来た男性は「とてもおいしかったです。風味が濃くて甘さもちょうどよく、香りもとてもいいです」と絶賛。

アメリカから来た男性も「浅草に行ったらここの抹茶アイスを食べるべきだと聞いていたので、ここに来ました」と、その知名度の高さを語りました。

中には何度も注文する人も。ドイツから来た男性は「とてもおいしいので、違うフレーバーも試したくなりました。次は一番濃い物ではなく、その一つ下の濃さの物を試します」と話し、抹茶の魅力にすっかりはまっている様子でした。

◆抹茶の輸出額が急増、「スーパーフード」として評価
日本を訪れる多くの外国人を魅了する抹茶ですが、近年は海外への輸出が急増しています。抹茶を主とした粉末茶の輸出額は、2020年には年間100億円程度でしたが、2024年は約270億円に達し、わずか数年で3倍近くに拡大しています。

日本抹茶協会によると、この急増の背景には、抹茶が「スーパーフード」としての評価の高まりがあるといいます。抹茶の茶葉にはカテキンやビタミンなどの栄養素が豊富に含まれており、それを丸ごと粉末にして飲むため、栄養素を余すことなく摂取できるのです。

実際、茶店を訪れていたアメリカからの男性も「娘が抹茶の大ファンで、健康にいいから買ってほしいとよく勧めてくるんです。私も週に一度は飲んでいます」と話しており、健康志向の観点からも支持されていることがわかります。

◆「文化」としての抹茶体験が外国人に大人気
食品として海外の食卓でも普及する抹茶ですが、今は「文化」としても注目されています。
台東区雷門のビルの一室で開催されていたのが、外国人を対象にした「抹茶づくり体験」。取材した日も12人の参加者が集まり、英語で抹茶の歴史や作り方を学んでいました。

講師の「筋肉を使う必要はありません。手先だけで回しましょう。力を抜いて」というアドバイスのもと、参加者たちは茶せんを使って実際に抹茶を点てていきます。口当たりの良いきめ細やかな泡を生み出そうと、真剣な面持ちでかき混ぜていました。

そして最後は、茶わんに両手を添える作法で、自分で点てた抹茶を味わいます。

初めて自分で抹茶を点てたというフランスからの男性は、「ただかき混ぜるだけでなく、きちんとした作法があると知って、抹茶に対する理解が深まり、より特別なものに感じました」と感想を述べました。

また、アメリカからの女性は「ニューヨークでも抹茶は飲んだことがありますが、作り方や歴史はよく知らなくて、もっと学んで自分でも作ってみたいと思い参加しました。家で自分で点てるのが楽しみです」と語り、単なる飲み物としてだけでなく、その背景にある日本文化への関心も高まっているようです。

日本で作られる“スーパーフード”抹茶がいま、世界へ広がりを見せています。






