TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は和菓子に欠かせない「あんこ」の魅力を取材しました。
◆職人のこだわりが生む、なめらかな食感
饅頭や羊羹、たい焼きなど、和菓子に欠かせない伝統的な食材「あんこ」。その魅力が近年、海外にも広がりを見せています。これまで外国人には馴染みが薄いとされてきましたが、日本のアニメの影響や、その優れた栄養価が「ある業界」で注目されたことをきっかけに、世界への新たな販路拡大の可能性が見えてきました。

「あんこ」は小豆などを煮詰めて練ったペースト状のもので、中国から伝来した、食べ物の中に詰める具材「餡」が日本で独自に進化したものだと言われています。
板橋区で60年以上続く製餡所「キノアン(木下製餡)」を取材しました。一番のこだわりは「食感」です。なめらかな舌触りを追求するため、つぶあん作りでは2時間、こしあんでは7時間もの時間をかけてあずきを茹でています。

実際に茹でた直後のあずきを食べてみると、「全然ざらつき感がなくて、すごく滑らかでおいしい」と曹記者。キノアンでは、こしあんに含まれる小豆の皮の部分はざらつきに繋がるため、極力使わないようにしているといいます。

◆外国人のあんこの印象は?「豆が甘いのは信じられない」
街で外国人にあんこの印象を聞いてみると、ドイツから来た男性は「(あんこは)聞いたことないですね。見たことがないです」と言い、またオランダから来た女性は「食べたことはありますがあまり好みではなかったです。甘すぎるのと乾いた感じがちょっと…」と話すなど、馴染みがない様子。

あんこの普及を目指す日本あんこ協会のにしいさんは、文化の違いを指摘します。「海外の方、特に欧米の方々にとっては「豆が甘い」というのが信じられない。お菓子作りに関しても全く考え方が違う」と説明します。一方で、ニューヨークやフランスなどで日本のあんこが「新しい価値」となり非常に人気が出てきているとも。
そのきっかけの1つが、日本のアニメです。イタリアから来た男性は「子どものころにテレビで『ドラえもん』を見ていて、日本でどら焼きの味を試してみたかったんです。甘い豆が入っているんですよね」と語り、憧れの味を楽しんでいました。

また、インドから来た男性も「どら焼きを買いました。きのう初めて食べて気に入ったので、今日もまた買いに来ました」と浅草の名物和菓子を気に入った様子でした。

◆スポーツ業界が突破口に?「飲むあんこ」がアスリートに人気
外国人にも少しずつ広がる「あんこ」の魅力。にしいさんは、スポーツ業界があんこのさらなる普及の突破口になるのではと話します。「スポーツをされる方に向けたあんこの普及は、世界的にも十分広めていける可能性がある。健康面・体づくり面からして、日本のあんこ文化は、世界に貢献することができるのでは」と熱望。

あんこは脂質が低い半面、糖質・タンパク質を多く含むことから、アスリートのエネルギー補給や体作りに適していると、近年外国人からも注目されているといいます。
この需要に応え、都内の企業は「飲むあんこ」を開発しました。これは、あんこをドリンク状にしてパウチに詰めたもので、運動中でも手軽に素早くエネルギーを補給できることから、アスリートに好評だそう。

さらに、飲むあんこは頭脳スポーツの世界にも広がっています。台湾出身の囲碁棋士、林漢傑さんは、対局中にあんこを飲んでいるといいます。「対局中は昼休憩がないので、エネルギーチャージをするんですが、結構腹持ちもいいですし、後半でも力が出るようになった」とその効果を語ります。

優秀な栄養価が注目される日本のあんこ。世界がその魅力に気づき始めています。






