経済の専門家が指摘する日本経済回復の鍵は“マーケットの信頼”と“味玉理論”、その真意とは?

2026.01.19(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。1月9日(金)の放送では、経済アナリストの池田健三郎さんと消費経済アナリストの渡辺広明さん、経済の専門家2人を迎えて“2026年の日本経済の行方”について議論しました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。1月9日(金)の放送では、経済アナリストの池田健三郎さんと消費経済アナリストの渡辺広明さん、経済の専門家2人を迎えて“2026年の日本経済の行方”について議論しました。

◆続く物価高…経済回復の処方箋は?

2025年10月に総理に就任して以降、高市首相はガソリン暫定税率廃止や年収の壁見直しなど、家計に直結する政策を次々と実現してきました。

加えて、現在掲げている総合経済対策では“生活の安全保障と物価高対応”“危機管理投資・成長投資”“防衛力と外交力の強化”の3つが柱となっています。

1月6日には日経平均株価が過去最高を更新するなど明るい兆しが見えていますが、中国との摩擦やトランプ関税などの懸念もあり、依然として国民生活は不安定な状態が続いています。

一方、経済界では連合(日本労働組合総連合会)が今年の春闘で3年連続となる5%以上の賃上げを求める方針です。

2026年の日本経済は果たしてどうなっていくのか。この日はコラムニストの河崎環さんとジャーナリストの風間晋さん、さらには2人の経済専門家、経済アナリストの池田健三郎さんと消費経済アナリストの渡辺広明さんを迎え、日本経済と家計の今後について話し合いました。

まずは専門家2人に日本経済回復のキーワードを伺うと、池田さんは“マーケットの信認確保”。「さまざまな思惑で政策が打たれてくると思うが、最終的には“マーケットの判断”。マーケットとの対話をきちんとやって、信頼を確保することが重要な1年になる」と明言。

加えて、「要は去年から続いている“ばらまき”をやめるということ」と声を大にし、「“物価高対策”という言葉を使わないようにするべき。インフレ対策、経済を加熱させないようにすることが正しい政策」と続けます。

一方、渡辺さんは“味玉理論・ちょっと贅沢”。「今、GDPの55%は個人消費で、個人金融資産も2,286兆円と過去最高になっている。ガソリン代も暫定税率がなくなっているのでラーメン屋に行って“味玉”をつけたらいい。全員が100円で味玉をつければ経済が110%伸びる。みんなで頑張って2,286兆円をちょっとずつ使っていこうという理論。つまり内需拡大」と解説すると河崎さんも大きく頷きます。

さらには贅沢をする際も“国産”を意識することを強調。「平成デフレでみんな安さを求め、中国製のものを買っているからものづくりが全部海外に出ていってしまった。特に(国産の)食べ物で贅沢するのが一番いい。働いている人の賃金も上がるし、雇用も守られる」と語るとキャスターの堀潤も共感します。

◆お米券の配布はありえない!?

高市政権は21.3兆円規模の総合経済対策を進めており、その内実は物価高対策に約11.7兆円、危機管理・成長への投資に約7.2兆円、防衛・外交力強化に約1.7兆円。中でも物価高政策は、ガソリン暫定税率の廃止、全国の自治体に活用が推奨されているお米券のほか重点支援地方交付金や子育て応援手当、電気ガス料金支援などがあります。

これに対し池田さんは「インフレ対策と言いながら、インフレを促進させるメニューがいっぱい入っている」、さらには「お米券を配ったら(お米の)値段が上がってしまう。要するにお金の価値を下げるばかり。全く逆の政策」と非難。

渡辺さんも「節約するだけじゃなく減った分を使う」と循環を促す傍ら「お米券はありえない。(お米は)バンバン作って、海外で高く買ってもらわなきゃいけない」と池田さん同様お米券配布に反対します。

◆2020年と去年で値段はどれくらい違うのか?

今回、番組では20年間に渡って家計簿をつけている主婦で、家計簿を通じて生活全般を見直そうという女性グループ「全国友の会」の会員でもある松岡さんを取材。家計簿を見せてもらうと物価高前と後での驚きの変化がありました。

例えば、コーヒーは2020年12月時点で250g入り531円でしたが、2025年12月は240gで603円。さらにお米は5kgで2,354円から5,161円へと大幅アップ。光熱費は夫・息子と3人暮らしの2020年12月が18,005円。2025年12月は夫と2人暮らしになったにも関わらず18,763円と増えています。

この変化に池田さんは「まだデフレだと言っている人もいるが、これはインフレ以外のなにものでもない」と言い、さらには「お金をばら撒いたり、価値を下げたらダメ。インフレが加速してしまう。なぜこんなあべこべの政策をしているのか不思議で仕方がない」と苦言を呈します。

また、河崎さんから「インフレによって我々の賃金が上がるのであれば、高価格なお米やコーヒーも買っていこうと思ってきたが、どうもそのロジックは違うのではないかと最近思う」との意見が寄せられると、池田さんは「苦しい国民を救うのはセーフティーネットで経済政策ではない。それを今ごちゃごちゃにしているからインフレになっている」と返します。

さらには「経済を引き締め、物の値段が上がらないようにする。他方で物価上昇に合わせた賃上げが起こるよう様々な働きかけを経済界に対して行う。あるいは投資減税的なことも行い経済を伸ばしていく。賃金が上がるような環境を作る、これが政府の仕事」とも。

一方、渡辺さんからは「ものの値段が上がって苦しい気持ちはわかるが、今までが安すぎる。慣れていかなきゃしょうがない」との声が。お米に関しても「昔は(5kg)2,000円ぐらいで今4,500円ぐらいだが、3,500円ぐらいで売ると農家も儲かるし国民も少しは納得する。適正価格を狙った方がいい」と指摘します。

◆ものの値段が上がれば賃金も上がる!?

ものの値段が上がれば賃金も上がるのか。池田さんに聞いてみると「それは間違いない。物の値段を上げないで賃金だけ上げるのはもう無理」と断言。「値上げ、価格転嫁が情勢の変化でできるようになってきた。今は価格転嫁しないと従業員も不安になり、離職者も出て給料もまともに払えない。上げても大丈夫とようやくマインドセットが変わってきた」と言います。

では賃金はどこまで上げられるのか。連合の春闘目標賃上げ要求は全体で5%以上。中小の労働組合は6%。パートなど非正規労働者は7%となっています。ちなみに、ユニクロなどを展開するファーストリテイリングは新入社員の初任給を33万円から37万円に。また、国家公務員の月給やボーナスを引き上げる改正給与法も可決成立し、最も人数が多い行政職の月給は平均で3.62%増えます。さらに、介護報酬の改定も行われ2.03%の引き上げとなる見通しです。

渡辺さんは賃金上昇については「ものすごくいいこと」と話す一方で「春闘の数字は労働組合に入っている16%ぐらいの企業だけで80%(の企業は)関係ないし、そこに対する対策は取られていないので心配。大手は価格を変えられるが、下請けは変えられないし、(数も)圧倒的に下請けの方が多い。大手がマインドセットした後に、下請けまでちゃんと価格転嫁できるか」と危惧。

さらには「企業団体献金をなくさないと成長戦略なかなかいかないと思う」とも。「一部の既得権温存ではダメ。成長戦略のためにはまず企業団体献金をなくしてみる。それだけでは解決しないがまずやるべき」と持論を述べます。

◆家計を安定させる政策は?

最後に、今回の議論をふまえ“家計を安定させる政策”について参加者が提言を発表。風間さんは“高市首相→トランプ大統領 ちょっとお静かに!”。「高市総理からトランプ大統領に“ちょっとお静かに”と諌めてほしい」と望みます。

続いて河崎さんは“政策…というよりも日本経済の安定・上昇に資する消費(+投資)法を知りたい!”。冒頭、渡辺さんが提案していた“味玉理論”のような経済安定に向けた簡単な方法を周知し、消費者に対してマインドセットしていくこと。さらには、そのためPRも必要と言います。

一方、渡辺さんは“労働分配率を上げた企業に税制優遇”。「やっぱり給料を上げないといけないので、労働分配率を上げた企業に税制優遇のような政策を打ってほしい」と提案。

池田さんも“賃上げ推進税制の強化(もっと) 投資減税(競争率up)”とし「今も賃上げ推進税制はやっているがもっとやらないと」と賃上げの推進を訴え、さらには「競争力を上げてもらわなきゃいけない。稼ぐ力を上げるには投資減税をして、設備投資や研究開発投資を増やしていって強くなることが大事」と主張します。

そして、堀は“自分で稼ぐ術を個人コンサル 無償で”。「自分で稼ぐ術をコンサルしてくれる個人向けのコンサルを無償で設置してほしい。どうやってお金を稼ぐのか、技術のコンサルをちゃんと国がしてほしい」と話していました。

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<番組概要>
番組名:「堀潤激論サミット」
放送日時:毎週金曜 21:00~21:25 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
TVer」で放送後1週間Tverにて無料配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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