変化しつづける街“秋葉原”の課題解決とは?「パブリックミーティング」で千代田区・樋口区長と徹底議論!

2026.01.12(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。番組では、千代田区の樋口高顕区長を迎えて「パブリックミーティング in 秋葉原」を開催。前編の放送では、安心・安全な秋葉原を作るための方法について議論しました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。番組では、千代田区の樋口高顕区長を迎えて「パブリックミーティング in 秋葉原」を開催。前編の放送では、安心・安全な秋葉原を作るための方法について議論しました。

◆変化し続ける街・秋葉原の課題とは?

秋葉原は千代田区の中でも多様性を凝縮したエリアで、様々な文化によって成長・発展してきた街。インバウンドも回復し、秋葉原は以前の活気を取り戻し連日多くの観光客で賑わっていますが、その一方でゴミの問題や安心・安全の問題が顕在化しています。

さらに、秋葉原ならではの課題も。コロナ禍以降、違法な客引きが増えたといい、通行人に声をかけてつきまとう客引きが横行し、区や警察は対応に苦慮しています。

樋口区長は「(秋葉原は)一見、繁華街、商業地のように見えますが、住む方もおられれば、この街で学び育つ子どもたちもいる。多様な文化の聖地として発展してきた秋葉原がこれからどう安全・安心に取り組んでいくかが大きなテーマ」と今後を見据えます。

そこで今回は秋葉原の課題を解決すべく「パブリックミーティング in 秋葉原」を開催。

参加者は、生まれも育ちも千代田区の万世橋地区町会連合会長・佐竹信敬さん。アニメ、プロレスなどとのコラボを実現させてきた神田明神の禰宜・岸川雅範さん。メイド歴6年、「氷の国のメイドカフェ リリアンプリアン」の接客マネージャー・凪 チルタリカ=リリアンプリアンさん。さらにはアニメやゲームなど日本のサブカルに詳しいドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさん、The HEADLINE編集長の石田健さん、そして樋口区長を交え、秋葉原の未来について話し合いました。

◆秋葉原のゴミ問題の要因は?

まずは“ゴミ”の問題です。例えば歩行者天国開始前、事業者が規定時間外にゴミ出しをすると、歩行者天国開始後にその周辺にゴミをポイ捨てされてしまう、つまりゴミがゴミを呼ぶ状況が続いており、そこにはゴミのルールを知らない外国人も影響しているとみられています。さらには“路上喫煙問題”。令和5年度は前年度の2.5倍となる約5,700件の違反を確認。その割合は日本人と外国人が半々だったそうです。

ゴミ問題についてマライさんは「ゴミのポイ捨ては論外だけど、ゴミ箱がないのも問題。表参道のようにゴミ箱を復活させた方が解決する」と指摘し、「ゴミ箱も秋葉原の街に合うもの、ツーショット写真が撮りたくなるようなものにすればみんなの目に入るし、ゴミも捨てたくなるのでは」と提案。

また、外国人の路上喫煙についても言及。「(外国人に)日本は屋外でタバコを吸えないことを伝えた方がいい。ヨーロッパとかは逆で、外じゃないとタバコが吸えない。だから吸っちゃう人がいると思う」と文化の違いを挙げます。

こうしたマライさんの意見に対し樋口区長は「区民がどこまで税負担をしてゴミ箱を設けていくかは議論しないといけない」とゴミ箱の設置・運用に関する費用面を懸念。

一方、石田さんは「キレイで安心・安全な街、そして(街が)観光・コンテンツとして競争力がつくと人や企業が来る。それによって税収が増えると好循環なのかなと思う」と語りつつ、費用負担をどう差配していくのか質問します。

すると樋口区長は「ここまで急激に体感治安が悪化してくると区としても(対策を)やらざるを得ない。考えを整理した上で取り組みを進めなければいけない岐路にきている」と回答しました。

◆客引きや客待ち、違法店舗も増加

もうひとつの課題が“治安”です。昨今、秋葉原では夜間の改造車の路上駐車が多発。番組が取材した際には路駐をしている車が約15台あり、地域の住民からは「改造車や痛車が多くてうるさい」といった声が寄せられています。また、千代田区の条例では客引きやスカウト目的での客待ちを禁止していますが、一部ではサブカルチャーを装った違法店舗や客引きが問題となっています。 

こうした状況に凪さんは「(悪い客引きで)お店に行ったら宣伝していることとは違うことをされちゃうとかの取り締まりが強化されていけば、自然と正しいお店に人も戻ると思う」と率直な思いを語ります。

他方でマライさんからは呼び込みをしている女性たちへの注意喚起も。「例えば外国人観光客がついていってしまったり、写真をしつこく撮っている人もいて、女性たちにとっても危ない。これはもうパトロールするしかない」と危惧。

この問題について、今回は安全・安心なメイド喫茶・コンセプトカフェの推進を図る事業者団体「秋葉原コンセプトショップ協会」の理事・花輪匠さんに現状を伺いました。

花輪さんによると、同協会の発足により客引き客待ちについてはだいぶ改善されたといい、違法営業店は減少しつつあるものの、協会に加盟していない店がルールを守らず加盟店に悪影響を及ぼしているといいます。花輪さんは「街全体で協力しながら良い方向に行こうという中で、悪質なお店が出てくると揃うものも揃わない。悔しい」と嘆きます。

かたや客引きや客待ち行為が横行する背景については秋葉原ならではの要因があると言います。「秋葉原は繁華街から少し外れたところ、見つけにくいところにお店が乱立しているので、どうしても中央通り、繁華街に出てきて呼び込みをやる風習がある」と花輪さん。

そして、「適法のもと行うべきというスタンスは我々協会の共通認識」と語る傍ら「街からそうした賑やかな景観が消えてしまうのは繁華街としても寂しいところがあるので、適切なすみ分けが必要」と話していました。

悪質な客引き・客待ちについては、樋口区長は「これはもう行政としても対処せざるを得ない」とし、千代田区長に就任した際に「チームAKIBA安全・安心プロジェクト」を発足。これに「秋葉原コンセプトショップ協会」が業界団体として協力を表明していると説明します。

さらには「コンセプトショップやメイド喫茶が悪いのではなく、この街を良くするためにどのバランスでやっていくか。(業界団体などと)一緒に連帯していけば変わってくると思っています」と展望を語ります。

◆秋葉原で違法駐車が増加する背景

続いては“改造車”の問題について。なぜ秋葉原に集まるのか。番組が神奈川県在住のドライバーに話を聞いたところ、街やネオン、メイドをバックに車を撮影するとSNSなどでバズるから、さらには車通りが程よく撮影しやすいからだとか。ちなみに、路上駐車問題について伺うと、すぐ車を動かせる状態なので路上駐車ではないと反論していたそうです。

これについては佐竹さんも「非常に多くなってきた。音を鳴らしたり音楽を大きく出したりする状態。車もあるがオートバイも増えてきて、夜になるとみなさんに迷惑がかかっている。不安を与えるのは非常によくない」と問題視。

また、神田明神では参拝者が通りやすいよう随神門をライトアップしていましたが、車が集まるようになり照明を消すようになったとか。さらに、撮影している人に対しては警備員が注意、言うことを聞かない場合は万世橋警察署に通報しているそうで「住んでいる方がまずは大事、街の方に迷惑をかけてまでやってはいけない」と岸川さんは苦言を呈します。

一方で石田さんは違法行為はよくないとしながらも「今、東京はどんどん雑居ビルがなくなり巨大なビルができ、どこも景色が似通ってきている。それはすごく寂しい。ネオンが雑多な文化を作っているのをいいものだと思ってしまう」と話し、「(秋葉原が)どういう方向を目指しているのか気になる」と疑問を投げかけます。

これに樋口区長は「区として上意下達で行うのではなく、地域にお住まいのみなさん、あるいはこの街が好きで事業をされている方、祭礼文化からポップカルチャーに至るまでいろいろな方々と話をしながら(街のあり方を)これから作るべきだと思っています」と力強く語りました。

◆安全・安心な秋葉原を作るためには?

では、安全・安心な秋葉原を作るためにはどうするべきか。議論の参加者たちが提言を発表します。まずマライさんは“ゴミ箱を名物化”。「秋葉原らしいゴミ箱を設置して名物化する。お金はいろいろなやり方があると思う。東京都に働きかけてもいいし、宿泊税もあるし、きっと道はあると思いたい」と声を大にします。

石田さんは“住民に還元される税制?”とし「区として魅力ある街にしたい思いとお金がどこからどう流れていくかにギャップ・ジレンマがあると思う。宿泊税や地方の交付金も含め見直さないといけない」とより大きな枠組みでの整備を望み、「住んでいる人が苦しいとなると『観光大国なんてイヤ』という声が日本中から湧き上がってきてしまう」と危惧。

一方、佐竹さんは“安全・ルール・常識”。「秋葉原のルールや常識があるということを進めていけば、ある程度のことは解決すると思う」と言います。

また、岸川さんは“顔がわかる関係をつくる”。「理想は秋葉原にいる人全てが知り合いであること。知り合いのお店の前にゴミは捨てない。そうしたものに対してNPO法人を作ることも視野に入れていいと思う」と提案。

凪さんは“違法業者の撤廃”。「メイドカフェは秋葉原の文化だと思うし、正しくお店をやっているところが堂々とPRできる、みんなに知ってもらえるようになると自然と安心・安全につながっていくと思う」と主張します。

そして、樋口区長は“連帯と継続・まちの意思・規範意識の醸成”。「街の規範意識、街の意思は一朝一夕にできるものではないので、秋葉原の常識・ルールを醸成していく取り組みを業界団体や秋葉原でビジネスをされている方、SNS上にも秋葉原が好きというファンは多いので、そうした方々も巻き込んだ取り組みをしていきたい」、さらには「この街で悪いことをすると誰かが見ている、(悪いことが)やりづらい、そうした空気を作り上げていきたい」と意気込みを語ります。

最後にキャスターの堀潤は“NG専門のインフルエンサー 街の訪ね方を伝える”。と提言。観光施設や名物料理などを紹介するインフルエンサーは数多くいるものの、その街のルールを伝える人は少ないので、そうした新たな役割を担う人の登場に期待していました。

「パブリックミーティング in 秋葉原」後編はコチラ
https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202601160650/detail/

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<番組概要>
番組名:「堀潤激論サミット」
放送日時:毎週金曜 21:00~21:25 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
TVer」で放送後1週間Tverにて無料配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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