TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。家計に関するお金のニュースを深掘りする「豊崎由里絵の家計Lab」のコーナーでは、“イチゴの高騰”について取り上げました。
◆クリスマスに必須のイチゴが高騰!
東京都中央卸売市場の今年のイチゴ卸売価格は昨年に比べ上昇。平年より約14%高騰しています。東京都にあるスーパーマーケット「アキダイ」の秋葉弘道社長によると、イチゴの価格は12月初旬に一時期安定したものの、その後再び上がっているということです。

そして、イチゴが高騰する中、今年はあるクリスマスケーキが注目を集めています。それは、イチゴなどのトッピングがない“真っ白なクリスマスケーキ”です。ローソンでは2年前からこれを販売しているそうですが、今年の予約数は前年比1,7倍。担当者は物価高が進む中で節約志向が広がっているが、お客様のニーズに応えたいと話します。

今、イチゴにどんな異変が起きているのか。今回は生産者を取材しました。伺ったのは三鷹市にあるイチゴ農園「ICHIGO HOUSE.MITAKA」です。

ビニールハウスで育てているイチゴを見せてもらうと、大きなイチゴが数多く実っていますが、そこにはある問題が。

同園の田所建人社長によると、イチゴが成長しすぎてケーキに使うには大きすぎるとか。今年は天候不順の影響で生育のサイクルがずれ込み、今の時期に必要なクリスマスケーキの飾りつけに使いやすいサイズのイチゴが少ないとのこと。

例年より1週間~10日ほど生育が遅れているといい、さらには収穫量も減少。例年この時期に行われているイチゴ狩りにも影響が出ているそうで、田所社長は「(イチゴが例年より)2〜3割は少ないと思います。(イチゴ狩りも)例年より開園を遅らせてスタートしたというところと、いつもより選べる品種が若干減っているので、そこもちょっと心許ない」と不安を語り、収穫量の減少や生育の遅れが今の価格高騰につながっていると話します。

◆DXの力で成果物の安定供給&適正価格に!
そんな中、青果物の安定供給につながる取り組みもあります。それは農家と市場をつなぐアプリ「フードループ」です。

生産者はこれを使い翌日に出荷できる数量を市場側に送付。市場側はそれを確認することで青果物の入荷状況を前日に把握することが可能となります。曖昧だった日々の入荷量を可視化することで市場は販売計画を立てやすくなり、供給バランスを整えることや価格の安定につながります。

提供元の日本事務器 食産業ソリューションの高松克彦さんは「需要側(卸売市場)は1週間先とかを予測したいのに、それができないから価格がなかなか適正価格で販売できないんじゃないか。(これを使って)計画的な販売をすることでスーパーは適正な価格で販売をすることができる」と話します。

キャスターの堀潤は「農業DXはまだまだ可能性がありますね」と今後のさらなる発展に期待していましたが、かたやキャスターの豊崎由里絵は「イチゴは暑さに弱く寒暖差が必要で(生育のサイクルが)ずれ込んでいる。かといってクリスマスの時期は変えられない。そうすると来年、再来年のサイクルもどうするんだという話に……」と来年以降の動向を案じます。

一方、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは「(クリスマスケーキが)ちょっと高めになってしまうのはある程度仕方ないと思う。いろいろな材料が上がっている中、街のケーキ屋さんもすごく苦労しているので」とコメント。

また、エッセイスト・メディアパーソナリティの小島慶子さんは「形が整ってなくてもおいしければいいよねって、消費者の意識を変えることも大事」と素直な思いを吐露。「国によってはスーパーの野菜や果物もいろいろな形のものが並んでいる。日本のスーパーは綺麗なものしか並べない、それ以外のものはどこにいっているんだろうと思うので、イチゴもいろいろあっていいようになれば」と切望。

株式会社トーチリレー代表取締役の神保拓也さんも小島さんの意見に賛同。その上で「ケーキにイチゴがある・なしではなく、規格外のイチゴで作られているケーキをその間(の選択肢)に入れて一緒に販売できるようにすると、価格も全体的に抑えることができるのでは」と話していました。

<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx





