東京都が住宅を購入し子育て世帯などに安価で提供、家賃は2割安…都が推進する“アフォーダブル住宅”に注目

2025.12.22(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。家計に関するお金のニュースを深掘りする「豊崎由里絵の家計Lab」のコーナーでは、都が推進している“アフォーダブル住宅”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。家計に関するお金のニュースを深掘りする「豊崎由里絵の家計Lab」のコーナーでは、都が推進している“アフォーダブル住宅”について取り上げました。

◆東京都の“アフォーダブル住宅事業”とは

不動産情報サイトのデータによると、2025年10月の東京23区の新築戸建て住宅の平均価格は7,959万円。5年前の5,530万円と比べ約44%上昇しています。また、ファミリー向け賃貸マンションの平均家賃は24万,9649円で、こちらも5年前の18万9,907円と比べ約31%増となっています。

そうした中、注目を集めているのが東京都が始める“アフォーダブル住宅事業”です。これは東京都がファンドを通じてマンションや戸建てを購入し、子育て世帯などに相場より安い家賃で提供する取り組みです。都は11月7日にこの事業の運営事業者候補を決定。野村不動産やSMBC信託銀行などが選ばれています。

そして、今回都は100億円を出資し、民間と合わせて200億円以上の規模となり、用意される住宅の家賃は相場よりも2割程度安くなる見通しです。

◆子育て世帯に向けたアフォーダブル住宅

では、アフォーダブル住宅とはどんなものなのか。築43年の戸建て住宅をリフォームした物件を取材しました。

こちらのリフォームを手掛けたのは、「アフォーダブル住宅事業」の参画候補である不動産会社・株式会社ヤモリ。汚れの目立つ壁紙を張り替え、古くなった床は全て貼り直し、さらにはキッチン設備の交換や屋根に防水加工を施すなど老朽化が進んでいた部分を全面的に手直しし、築43年の物件が新たな姿へと生まれ変わりました。

現在、株式会社ヤモリでは都内の空き家、中古戸建て物件などを選別して活用できる物件を見いだし、それらをリフォームして再生。賃貸物件として貸し出しているそうで、同社の藤澤正太郎社長は「東京都のアフォーダブル住宅ファンドでこうした事例を東京都でも作っていこうと(している)」と言います。

そして、「中古の戸建てを活用すると新築や建て替えるよりもコストを抑えられる。結局、総額でかかるコストを抑えることで入居者の賃料を抑えることができる」とアフォーダブル住宅のメリットを指摘。

また、アフォーダブル住宅は子育て世帯に手頃な家賃で住宅を提供することを目的としているため、リフォームに際しても子どもと暮らしやすい工夫がなされているとか。「(階段の)手すりも例えば隙間を埋めてあげて、お子様が安全に降りられるようにしてあげたり、あとは角のところが危険なので、角を落とし、丸みを持たせてあげるような工夫もしている」と藤澤社長。

さらには「(アフォーダブル住宅の)メインの対象入居者は子育て世帯になるので、小学校や中学校など学校から近い距離にあるとか、スーパーが生活圏内にあって、それでも活用されずに放置されてしまっている中古戸建てを見つけてリフォームしている」と語ります。

なお、東京都のアフォーダブル住宅事業は2026年度以降に入居が始まる予定となっています。

キヤノングローバル戦略研究所 上席研究員の峯村健司さんはこの東京都の施策について「本当に素晴らしいアイディア」と絶賛。しかしその一方で「(この事業は)香港のかつての姿を思い出す。香港も中国大陸の投資が増えて、今の東京のような状況、住める家がなくなってしまった。それは結果として政府に対する反発が出たり、ある意味乱れが出てきたことを考えると、東京もそのフェーズに近づいている」と危惧。

さらには「23区内の中古マンションの平均(希望売り出し)価格が1億円超という値段になっているので、このあたりの措置をしないと本当に住めなくなってしまう」と案じます。

◆アフォーダブル住宅の課題とは?

アフォーダブル住宅には課題も指摘されています。まずは供給規模の問題です。東京都は今回の計画は200億円規模で300戸のアフォーダブル住宅を提供する予定ですが、現在都営住宅に入居している世帯以外で都営住宅に入居する資格がある収入水準の世帯数、いわゆる住宅に困窮している低所得者世帯は約69万世帯。それだけに供給量が少なく、焼け石に水ではないかという意見が出ています。

もうひとつは家賃の問題。今回の事業は家賃を抑えるという趣旨のものですが、東京都の想定ではアフォーダブル住宅の家賃は市場価格の2割安程度。現在のファミリー向けマンションの平均家賃は24万,9649円だけに、2割下がっても19万9,719円。決して安い金額ではなく、低所得者世帯向けというなら6割程度まで下げるべきという意見も出ています。

元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんも「2割程度安くなっても手は届かない」、「200億円規模という割には戸数が少なすぎる」と苦言を呈す傍ら「お子さんが2人以上の家庭だと集合住宅で暮らすのは難しくなってくるので、こうしたものを試験的にやってみる意義はあると感じた」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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