TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は日本の「中古品」を取材しました。
◆高品質と希少性が魅力 古着の聖地・下北沢
近年、日本の中古品、いわゆるリユース市場が右肩上がりで拡大しており、その成長を牽引しているのが外国人観光客です。「古着の聖地」下北沢や、高級ブランド店が立ち並ぶ銀座には、外国人が殺到しています。なぜ日本のリユース品が注目されるのか、その背景に迫りました。
東京・下北沢にある古着店「デザートスノー下北沢4号店」では、来店客の約半分を外国人客が占めています。

真剣な面持ちで古着を探す外国人たち。アメリカから来た女性は「状態がとてもいいね」と話し、日本の古着店で実感したというのが、クリーニングや管理が行き届いた日本の古着の品質の高さです。

さらに値段の安さにも驚いていました。「このTシャツはアメリカなら倍の値段かもしれない」と語り、最終的にTシャツ2枚とズボンを購入。「いい買い物ができたと思う。息子に渡すのが楽しみ!」と笑顔に。

アメリカから来た男性が探していたのは、アメリカのアメフトチームのユニフォームです。この店で探す理由を「アメリカではもう手に入らないから。引退した選手が多いので、ユニフォームは(本国でも)なかなか見つからない」と明かします。男性によると、日本の古着店の方が昔のデザインや選手のものなど品揃えがいいのだとか。

状態の良さや品揃えの豊富さから、外国人に人気の日本の古着。こうしたインバウンド需要の高まりなどの影響で、日本のリユース市場は右肩上がりで拡大しています。2009年には1兆1,000億円規模だったのが、2030年には4兆円になる見込みです。

◆「信頼」が価値に 銀座に集まる“チェックド・イン・ジャパン”
古着だけでなく、中古の高級ブランド品も外国人から絶大な人気を集めています。銀座にある中古ブランド品の買取販売店「ブランドオフ銀座本店」では、来店客数がここ1年で倍増。中でも外国人客が約8割を占めるといいます。

どうして日本で中古のブランド品を買うのか聞いてみると、アメリカから来た女性は「日本では鑑定がしっかりしていると聞いています。日本の鑑定プロセスは信頼できます」と説明します。

タイから来た女性も「このお店はとても有名で信頼できるので、本物を売っていると思っています」と話します。

外国人客が口にするのは、日本の鑑定は正確だという「信頼感」です。

そして、この評価が近年メイドインジャパンから派生して日本で鑑定されたという意味の「チェックド・イン・ジャパン」と呼ばれ、新たな価値として定着しつつあります。

店舗の担当者は「日本で厳格にチェックされたことを意味する“チェックド・イン・ジャパン”が海外で認知が広がってきて、安心して日本で買えるという認識が広がっているのかなと思う」と分析します。
◆AI技術が支える日本の鑑定力
この評価を支えているのが、査定時に用いるこの企業が独自に開発したAI技術です。

その技術を見せてもらうことに。マイクロスコープを使用して、表地やブランドのロゴなどを7か所ほど撮影し、AIがこれまでに蓄積したブランド品の画像データと比較。撮影完了後、診断にかけるとわずか2秒で結果が表示されます。店の担当者は「経験の浅いバイヤー(鑑定士)でもAI真贋を使うことによって、ベテランと同じような査定ができるのがメリット」と話します。

新たな技術が追い風となり、「日本で買うリユース品は安心」という評価とともに、日本の中古品が海外からますます注目されています。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1> (※番組終了)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/





