TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は日本の「自動販売機」を取材しました。
◆日本は「自販機大国」…その種類の豊富さが海外からも注目!
自動販売機の起源は古代エジプトと言われ、コインを置くとその重みで水が出る簡易的なものでした。それから2000年以上経った今、日本の街には自動販売機が溢れています。国内に設置されている数は約391万台で、日本は「自販機大国」とも言われています。

ここまで多くの台数が設置されている理由について、清涼飲料の販売業者などでつくる団体の担当者は「日本は非常に治安が良いので、屋外の自動販売機も壊されない環境であること、またお金を入れたら必ず購入できるとか、そういう管理がしっかりされているのも、日本ならではの文化や国民性を反映しているのではないか」と治安の良さを指摘します。

そんな日本の自動販売機を国内外にアピールするため、渋谷にオープンしたのは自販機だけが並ぶ施設「ジハン・キホーテSHIBUYA」です(現在は閉店)。搾りたてのオレンジジュースが飲めるものや、カップラーメンが買えるものまで、設置された自販機は13種類。その珍しさから多くの外国人が訪れていて、客の約半分を占めています。

アメリカから来た男性が購入したのは、グミ。「たいてい自販機は飲み物だけなので、お菓子の自販機を見つけてワクワクしました」と喜びます。もう一人の男性は「アメリカではこのような果汁100%のジュースはなかなか手に入らない。日本では道を歩いていると買えるのが本当にすごい」と、日本の自動販売機の数と種類に驚いていました。

中国出身の曹記者も「日本の自販機はとにかくあらゆるところにありますよね。中国では大都市など一部に集中していました」と指摘します。

◆日本の自動販売機を支える技術とは
多様な種類の自動販売機を実現できる背景には、日本の技術力があります。訪れたのは墨田区にある製造メーカー「サンデン・リテールシステム株式会社」。

カレーや揚げ物などの冷凍食品を販売する自販機の中を見せてもらうと、決まった大きさの商品しか販売できない従来のものと異なり、この自動販売機では商品を入れる可動式の箱「コラム」とその中に入れる商品一つ一つの区切り「スパイラル」を組み合わせて商品を収納しています。

コラム・スパイラル共に幅や高さが異なるものが数種類ずつあるため、これらの組み合わせにより幅広いサイズの物を売ることが可能になったといいます。

そして日本では今、自動販売機の形態が進化しています。都内の企業が行っているのが、「自由販売機」。これは自動販売機の棚の一部を開放し、企業などがその枠を契約することで自由に商品を出品できる仕組みです。

例えばこの自動販売機は、上の段にドリンクが並んでいますが、下の列には別の企業が出品したラーメンが売られています。

自動販売機の利便性と普及率に注目して始めたこのサービスは、近年、海外からも注目されているといいます。「自由販売機」を扱うスキマデパートの担当者は「海外の企業が日本で何か出品したいとか物を売りたいということがあるときに、これまでは店舗を構えて物を売るということを選択されたりしてたんですけど、自分たちの商品をブランドとして自販機で日本で売っていくというような企業からの相談も最近増えている」と話していました。
<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1> (※番組終了)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/





