日本の食に欠かせない繊細な「だし」の魅力…奥深さを外国人が文化体験!

2025.12.03(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は日本の「だし」の魅力を取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は日本の「だし」の魅力を取材しました。

◆和食がユネスコ無形文化遺産に登録…世界へ広がる日本の「だし」

日本の食に欠かせない「だし」。味噌汁や鍋、煮物など、あらゆる日本食に使われています。

都内のだし専門店「にんべん日本橋本店」には、200種類以上のだし製品が取り揃えられていて、多くの人が訪れます。

店を訪れた女性客は「(だしは)日本の伝統的な食べ物で、馴染みがあるので好きですね。毎日使います。飲むとすごい安心感があって、ほっとします」と言います。また、別の女性は「生まれた時から食べてるからかな。さっぱりしてて毎日でも飲める」と、だしが日常に深く根付いている様子を話しました。

一般的にカツオや昆布を原料とする日本のだし。中国出身の曹記者が飲んでみると、「上品な味わいで美味しい。中国でもタンと呼ばれるだしのようなものがありますが、それと比べてさっぱりしているように感じます」との比較が。

海外にも、豚骨やネギを煮詰めた中華料理の「タン」や、鶏ガラなどを使った西洋料理の「ブイヨン」など、日本の「だし」にあたるものはあります。日本の「だし」と海外の「だし」との違いについて、だしの文化に詳しいだし愛好家の梅津さんは、繊細さだと分析します。

「(海外の)ブイヨンとかパンチのあるだしに比べると、日本のカツオだしや昆布だしは割とあっさりめでさっぱりしている。奥深い味わいがだしの魅力でもあると思うので、一発では分かりやすい味ではないかもしれないですが、繰り返し食べているとやめられなくなるといいますね」と解説します。

梅津さんによると、だしはどんな料理のベースにも使えるような汎用性の高さも魅力とか。そして、そのだしを基本とする和食が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことがきっかけの一つとなり、だしの魅力が徐々に海外にも広がっているということです。

「海外の方にはうどんがすごい人気と聞きますが、うどんもしっかりだしが効いてますよね。それが美味しいと感じる方々が多いので、日本のだしの美味しさが、時間はかかるかもしれないですが、ゆくゆくは十分はっきりと伝わると思いますね」と梅津さんは語ります。

◆客の半数が外国人 文化体験としての「だし」

都内には、だしを体験的に楽しめるサービスを始めた店も登場しています。麻布台ヒルズにあるだし専門店「だし尾粂」には、30種類以上の食材が並んでいて、その中から自分だけのだしを作れます。

店頭にはカツオや昆布はもちろん、トマトやかぼちゃといっただしに使うのが珍しいものまで36種類の食材が並んでおり、店員のアドバイスを受けながら使う材料を選ぶことができます。

この“オーダーメイドだし”が好評で、現在、客の約半分が外国人だといいます。

店長の後藤さんは「だしパックを作る中で、日本のだし文化の奥深さや地域性などを文化体験できる点もポイントだと思っています」と人気の理由を話します。

シンガポールから来た女性は、体験を通じてだしへの理解が深まったと話します。「材料を選んだり、匂いを嗅いだりするのがとても楽しかった。(店員が)どの素材がどの素材と合うかも教えてくれるし、とてもよく説明してくれたので、だしについてより詳しくなりました」と喜んでいました。

繊細な味わいの日本の「だし」が、世界に広がりを見せています。

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<番組概要>
番組名:おはリナ!
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 <TOKYO MX1> (※番組終了)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
 

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