チームみらい・安野貴博党首 “政治資金可視化ツール”開発を語る「ツールとルールの両輪で改革していきたい」
2025.11.24(月)
06:50
TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。放送では「チームみらい」党首の安野貴博さんを迎えて、“政治資金透明化に向けた取り組み”について伺うとともに、政治とカネの問題について議論しました。
◆チームみらい、政治資金可視化ツールを開発!
チームみらいの安野党首は10月2日、政治資金を可視化するツール「みらいまる見え政治資金」を発表。これを、政治とカネ問題の解決に近づく1歩目と位置づけており、今後も改良を重ね、政治資金収支報告書を簡単に作成できるようにしていく考えを示しています。

また、同月には公明党が、26年続いた自民党との連立から離脱。その理由は、2023年に発覚した自民党議員ら85人の不記載問題についての説明責任や企業団体献金の規制強化などを求めたものの、自民党の回答が不十分だったことでした。これまでにも度々報じられてきた政治とカネの問題については、不透明性や制度の不備、管理体制の甘さなどが指摘されています。

果たして今回のツールで政治資金の透明化は本当に進むのか、活用を広めるには何が必要なのか。チームみらい 安野党首とともに“政治資金透明化に向けた取り組み”について徹底議論します。
「みらいまる見え政治資金」は、政治資金について銀行口座やクレジットカードに紐づけ、すべての取引をデータに残し、クラウド会計システムに連携するというもの。オープンソースとして公開しており、あらゆる議員や政治団体が使用でき、収入と支出が図で示されているため収支の全体像が掴みやすいほか、収支報告書からは読み取れない情報も記載しており、ミスやエラーが起こりづらく、いつでも公開できるという特徴も併せ持っています。

このツールは、パソコンやスマートフォンなどで誰でも閲覧することができるため、「どこからお金がきていて、どこに使われているのかが、一覧で見られる仕様になっており、月ごとの収支の推移や貸借対照表、(銀行口座の)通帳みたいな形で何に使われているかが、全部まる見えになっています」と安野党首。これまで個人向けのものから企業向けのものまでさまざまな会計ソフトが登場しているものの、「それを政治家だけが使っていない」と指摘します。

キャスターの堀潤が、他の議員から「透明化されたら困る」という雰囲気はなかったかを問うと、安野党首は「議員の会計業務はすごく大変で、ミスをしたら『不記載問題』になり政治生命を絶たれる可能性もあるので、皆さんすごく工数をかけている。これが(ツールで)一定程度便利になることは、実は議員にとってもプラスが非常に大きい」と明かします。

「Forbes JAPAN」執行役員・Web編集長の谷本有香さんは、「こういった形で、(政治資金を)データ化・見える化することによって、より政治への信頼性は絶対的に上がると思う」と期待を寄せる一方で、「これをデータにするときに、誤魔化したりする人がいないのか、そこを(不正ができないように)どのようにやっていくのかがとても気になるところ」と懸念点を挙げます。

安野党首によると、民間のクラウド会計サービスの発達は目まぐるしく、クレジットカードやデビットカードなどとシステム連携されていて、決済するとその使用情報が反映される仕組みとなっているものも多いため、「(現金でのやりとりや手入力を減らして)こういうツールを政治家もしっかり使えば、不記載も起きにくくなる」とツール活用によるメリットを挙げます。
microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは、「(政治家も可視化ツールを)100%実装したほうがいい」と望みつつ、そのためにどのようなことがハードルになるのか質問を投げかけます。

これに安野党首は、「(「みらいまる見え政治資金」のツールを)入れようとすると、今までの議員さんの事務所がやっている会計業務のワークフロー、やり方をクラウド会計サービスに載せるような形に変えないといけない。(それをすることは可能だが)実際の導入においては、そこが一番時間がかかる」と課題について触れます。

◆政治資金可視化ツール 現役議員の反応は?
チームみらいが開発した「みらいまる見え政治資金」について、現役議員はどう感じているのか。
デジタルハリウッド大学大学院でMVPを受賞し、首席で修了した経歴を持つ、立憲民主党の中谷一馬衆議院議員を取材したところ、「私は使っていきたいし、仲間たちにもオススメしていきたい」と太鼓判を押します。

取材したキャスターの田中陽南が、このツールを導入することでこれまでの収支報告書と何が変わるのか尋ねると、中谷議員は「(政治資金が可視化できるので)ダイレクトに国民の皆さんに対して、スピーディーに私たちが何をしているのかを報告できる環境が整う。全党の議員がまず率先して始めたら、国民の皆さんから信頼していただける環境が作れるのではないか」と期待を寄せます。

また、中谷議員は“このツールを全議員が使うべき”とした上で、「義務化したほうがいい」との指摘も。
中谷議員はスウェーデンを引き合いに挙げ、公費がWeb上で公開されているため国民はその使い道を知ることができること、さらには、2024年に発表された各国政府の租税支出の透明性を示す「租税支出透明性指数(GTETI)」では、1位韓国、2位インドネシア、3位カナダと続くなか、日本は73位と大きな遅れをとっていることなどに触れ、「(日本は)オープンなっておらず、ブラックボックスが多い。なので、(「みらいまる見え政治資金」のように)誰でも見られる環境にしたほうが、国民の皆さんからすると、利便性的にもいいし、透明性としても高まると思うので、そういったところを進められたら」と力を込めていました。

こうした他党の中堅若手議員の声を受け、安野党首は「本当にありがたい」と感謝の意を表し、「(開発した)我々だけが使っているより、いろんな党の方が一緒に使っていったほうが、より政治とカネの問題の解決につながる」と他党にも広がることを望みます。

エッセイストでメディアパーソナリティの小島慶子さんは、「今までは、(政治資金がらみの)問題が起きると、本当はそのお金の使い方を決めた人は他にいたはずなのに、全部会計責任者が責任を問われて、その尻拭いをさせて終わりみたいに、蓋をされがちだったので、最初から属人的なものではなくて、全てこのように誰でもアクセスできる形で透明化されているとすごく分かりやすい」と大きく頷きます。

堀は、政治資金可視化ツールの導入が進み、データが蓄積されて「それが利活用されることによって、どんな資産を生み出すと考えていますか?」と質問。これに安野党首は、可視化されることで、各党・各議員がどのように政治資金を使っているのか比較することができるため「賢く支出をしている議員の真似をどんどんできるようになる。そうすると、それぞれの事務所のコスパがどんどん上がっていくのではないか」とメリットについて言及。

◆政治資金可視化ツール、他党議員に広めるには?
とはいえ、政治資金可視化ツールを全ての議員に使ってもらうことは果たして可能なのか。取材した中谷議員は、使用拡大のためのポイントとして、「地方の高齢議員でも使えること」「使う側のリテラシーが追い付くこと」「各事務所内での運用体制を作れること」などを挙げています。

谷本さんは、「みらいまる見え政治資金」のような可視化ツールが開発されたことを機に「(議員の方々も)AIを使ったり、デジタルやガジェットを使ったりして、ご自身たちの政策をより良い形で発展できるような使い方も、併せて学んでいただければ」と求めます。

ここで、小島さんからは「(ツールやシステム自体の)改ざんを防ぐための仕組み作りはどうされていますか?」との疑問が。安野党首曰く、「みらいまる見え政治資金」はオープンソースで全て公開しているため、(改ざんなどを目的とした)悪意のあるプログラムなどを書き加えていたとしても、エンジニアが見れば一目瞭然であるとしつつも、「ただ、それぞれの党で使うときに、(プログラムを書き換えるなど)何か変なことをするというのは、起き得る問題だと思うので、それについては対処が必要かなと思います」と回答します。

そして安野党首は、「みらいまる見え政治資金」が他党でも広がっていくには、中谷議員のように党の垣根を越えて“良いものは良い”と仲間うちから導入が進んでいくこと、それによってやがてスタンダードとなった段階で次に“義務化”を検討するなど進んでいくとし、「我々は、(ツールをより良くするための)コードを作ることとルールを作ることを、両輪で進めていきたい」と力を込めます。
ちなみに、昨年の法改正によって“政治とカネ”のルールはどのようになったのかというと、政治資金収支報告書については、PDFをネットで閲覧するのみからデータベース化され、検索が可能に。調査研究広報滞在費(旧:文通費)は、非公開から公開となり、余りは返納することになっています。政治資金パーティー券は、公開基準額を20万円超から5万円超に下げ、使い道が非公開だった政策活動費は全面廃止に。なお、企業・団体献金の是非については、未だに結論が出ていません。

◆“政治とカネ”の問題はどう解消する?
“政治とカネ”の問題を解消するには、どうすべきか。議論の参加者たちが提言を発表します。
渋谷さんは、可視化ツールは100%導入すべきで、そのためにも“導入しなければならない状況づくり”を訴えます。

谷本さんは、“「見える化」で信頼向上”と掲げ、「お金の問題だけでなく、どうしても政治ってブラックボックス化してしまう。そこが、国民が信頼できなかったり、不安に思ったり、ネガティブな感情が生まれてしまうので、何でも“見える化”するほうが、政治に対する信頼感が上がっていく。そういう文化をつくっていくことが大事」と声を大にします。

小島さんも、“見える化”を推奨。“見せることが信用につながる”と主張する理由として、政府によるマイナンバーカードの推進を引き合いに、「まず自分たちがそういうこと(政治資金の見える化)をやった上じゃないと、国民も安心して自分の情報を預けられない。そのための信頼づくりの第一歩として、自分たちが積極的に見せていくことが必要」と言います。

安野党首は、改めて“ツールとルールの両輪で改革”していくことを明言。

最後に、堀は「チームみらいを見ていると楽しそう。そうした雰囲気が永田町に必要」と前置き、各政党による“ピッチイベント”の開催を提案。さらには、可視化ツール導入を広く進めていくためにも、デジタルの“共通基盤づくり”を課題として挙げ、「それこそ安野党首のチームみらいが、より大きな基盤づくりに貢献されていくんじゃないか」と期待を込めていました。

<番組概要>
番組名:「堀潤激論サミット」
放送日時:毎週金曜 21:00~21:25 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
「TVer」で放送後1週間Tverにて無料配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx





