聴覚障害者の世界中のトップアスリートが競い合う、国際スポーツの祭典・東京デフリンピックは11月20日に大会6日目を迎えました。陸上男子ハンマー投げでは初出場の遠山莉生選手が金メダルを獲得し、さらに表彰台も日本が独占しました。バレーボール女子はアメリカに圧勝しました。
<陸上男子ハンマー投げ 初出場の遠山選手が金メダル>
東京・品川区の大井ふ頭中央海浜公園で行われた陸上男子ハンマー投げでは、初出場の遠山莉生選手が60メートル19センチをマークし、金メダルに輝きました。また、4大会出場の森本真敏選手が銀メダル、前回優勝の石田考正選手が銅メダルを獲得し、日本勢が表彰台を独占です。
<水泳400メートル自由形 エース茨選手が銀>
東京オリンピックでも使用された東京アクアティクスセンターでは水泳が始まりました。20日から6日間にわたって行われる「デフ水泳」のルールは、耳が聞こえる人の水泳と同じですが、飛び込みや水球などはなく、一定の距離を決められた泳ぎ方で泳ぐ「競泳」のみ実施されます。また、スタートを知らせる方法は「音」ではなく、ピストルの音に連動して光る「スタートランプ」を使用します。
男子400メートル自由形決勝に4大会連続で出場したエース・茨隆太郎選手は、序盤からレースを引っ張ります。しかし残り200メートルでウクライナの選手に追い付かれます。そしてラスト50メートル、最後まで競りましたがわずかに及ばず、惜しくも銀メダルとなりました。
<女子バレー 会場に長蛇の列 「応援が力に」>
駒沢体育館では女子バレー予選ラウンドの最終戦が行われ、日本はアメリカとの一戦に臨みました。開放されている観客席はほぼ満席で観客席には立ち見が出るなど、会場は大いに盛り上がっています。この日は1セット目が終わった段階でも女子バレーの試合を観戦しようと、体育館の外にまで長い列が続いていました。観客席に入れた人からは「(午後0時45分試合開始で)朝8時前から来て並んだので、座って見ることができた」「100人から200人ぐらい待っていて、2時間ぐらい待ってやっと入れた」といった声も聞かれました。
会場内では声援に加えて風船やうちわ、手話を使っての「見える応援」が盛り上がりを見せていました。
大勢の応援を受けた日本代表は力強いアタックと粘りのラリーを見せ、3-0でストレート勝ちを収め、グループ1位通過を決めました。女子バレーの平岡早百合選手は「平日にもかかわらず、たくさんの人に来てもらえたことがすごくうれしいし、応援が力に変わった。日本のバレー一丸となって次戦も頑張りたい」と声援に応えました。
<サッカー男子 逆転でイギリスに勝利!準決勝へ進出>
サッカー男子・準々決勝はイギリスとの対戦となりました。
1点を追う日本は後半15分、コーナーキックの流れから中尾悠人選手がヘッドで折り返すと、ボールは双子の岡田兄弟の弟・拓也選手の元へと渡り、今大会5得点目となるエース・岡田拓也の一撃で同点に追い付きました。勢いに乗った日本は後半35分、相手ディフェンダーのパスミスを誘いボールを奪うと、これを西大輔選手が冷静にゴールに流し込み逆転に成功。このまま逃げ切った日本は22日、アメリカとの準決勝に臨みます。
<卓球女子シングルス 日本4選手全員が決勝トーナメントへ>
卓球女子はシングルスの予選が行われ、日本は前日のダブルスで銅メダルを獲得した山田瑞恵選手と高校生の山田萌心選手、そして5大会連続でのメダルを狙う亀澤理穂選手と木村亜美選手の4人が出場し、全員が21日に行われる決勝トーナメント進出を決めました。
亀澤理穂選手は「あしたは娘が応援に来てくれる。娘との約束は『金メダルを取る』ことなので、あしたは娘の応援も借りて頑張りたい」と話しました。
(※動画内の2次元コードは「番組放送中のみ」の機能です。ご了承ください。)





