多くの女の子が直面する“生理の悩み”、どうすればいいのか産婦人科の専門医に直撃

2025.11.18(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、子どもの“生理の悩み”を取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、子どもの“生理の悩み”を取り上げました。

◆「生理の悩みを母親に相談しづらい」子どもが約4割

生理用品メーカーが10〜20代の学生を対象に行った「生理に関する親子のコミュニケーション調査」で、「生理の悩みを母親に相談しづらい」と回答した方が約4割いました。その理由としては「恥ずかしくて話しづらい」、「デリケートな話をする習慣がない」、「生理の話をするタイミングがない」などの意見が多く、家族間でも悩みを打ち明けるのが難しい現状がうかがえます。

そうしたなか、今回は生理の悩みを抱える子どもにどういうアプローチができるのか。小学生患者を受け入れ、子どもだけでも受診可能な「Inaba Clinic」(東京・渋谷)を取材しました。

同院の稲葉可奈子院長は、まず「婦人科を受診することにハードルがあると思う。『小中学生が婦人科を受診していいのかな?』みたいな躊躇がある」と指摘します。

その上で「相談してこないけど実は毎月の生理がしんどいという子がいるかもしれないので、親御さんのほうから『生理しんどくない?』と声をかけたり、『しんどいなら(クリニックを)受診したら軽くなるかもしれないよ』など言ってあげると、子どもが“クリニックに行こうかな”と思うきっかけになるかもしれない」とも。

生理不調の主な治療法は鎮痛薬や低用量ピルがありますが、稲葉院長は小中学生が婦人科の受診を躊躇する理由のひとつに、“薬への抵抗感”があると言います。そして、「(低用量ピルは)初潮が来た人であれば使うことができ、使っている患者さんは多い。薬を飲み続けることに懸念を示される保護者もいるが、毎月しんどい生理が来るほうが身体に負担が大きい。(薬は)それを緩和させてあげているイメージと捉えるといい」と薬の有用性を解説します。

◆子どもの生理の悩みに、婦人科医「ためらわず受診を」

こうした子どもの生理の悩みについて、「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは以前から思っていたことがあるとし、「そもそも母親も(生理に関する)正しい知識を知らないことが多い。あとは知識・情報・常識も変わってきているので、私は生理の悩みを親に相談する文化はやめたほうがいいと思う。相談しやすい環境作りは大事だが、正しい知識を持っているのは婦人科の先生や、それを専門にしている人なので、そういう方々への子どものアクセスをよくするのが大事なんじゃないか」と持論を述べます。

加えて、「(社会にも)生理の相談をしやすい場所を作る、そういう取り組みもすべき」と提言しつつ、「(今は)低用量ピルが体に悪いとされていた時代と変わってきていると思うので、母親頼みにならないことも大事」と改めて主張します。

元衆議院議員の金子恵美さんは、過去に女性の健康について調べた際に女性の教育・知識不足を痛感したことがあり、「自分の体の仕組みについて(の知識が)欧米に比べて足りない」と語り、気軽にクリニックに行くこと、正しい知識を身につけるよう切望します。

一方、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは「今はスマホやAIなどを活用し、(悩み相談も)母親一択にならなくてもいいんじゃないか」と能條さんの意見を尊重。そして、「例えば、アプリとかいろいろなチャンネルを親子間で紹介しあってもいいし、センシティブな内容を母親にダイレクトに相談しなくてもいいチャンネルを作っていくべきなんじゃないか」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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