TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜21:00~)。番組では「パブリックミーティングin中野」と題して、中野区発祥のつけ麺をいかに世界に発信するかを番組コメンテーターに加え、中野区の酒井直人区長や同区民代表、さらには人気つけ麺店の店主などを交えて議論しました。
							◆中野はつけ麺発祥の地であることを区民も知らず…
つけ麺は、1955(昭和30)年に「中野大勝軒」で提供されたことが始まりと言われ、中野はつけ麺“発祥の地”とされています。

現在の中野区・酒井直人区長は大のつけ麺好きで、その魅力を世界に伝えるべく2023年に「日本つけ麺学会」を設立。酒井区長が会長、中野大勝軒の現大将・坂口光男さんが名誉会長をつとめ、番組放送時の会員数は552人。日々、つけ麺の研究や普及活動に取り組んでいます。

さらに、中野区では観光協会が「中野つけ麺MAP」を作成し、つけ麺を提供している80店舗を紹介。加えて、過去には「つけ麺味めぐり」というスタンプラリー形式の食べ歩きイベントも開催していました。

しかし、中野がつけ麺発祥の地であることはあまり知られておらず、区民でさえ認知度が低いのが現状です。実際、中野がつけ麺発祥の地であることを知っているか中野区民に聞いてみても、多くの人が首を傾げます。

そこで番組では、中野区役所にて「パブリックミーティングin中野」を開催。参加者は、中野区・酒井区長と中野大勝軒の現大将・坂口さん、そして日本つけ麺学会事務局長の南雲克雅さん、ナカノ観光レポーターのちいたんさん、中野在住8年のライター・ヨッピーさん、フリーキャスターの伊藤聡子さん。この6人を交えて、中野発祥のつけ麺の認知を広め、盛り上げるために必要なことについて徹底議論します。

◆課題は「つけ麺 発祥の地」の周知
「中野つけ麺MAP」には80店舗が掲載されていますが、区内には実質180店舗ほどあるといい、「本当に中野区内はつけ麺のお店が多い」と酒井区長。認知度が低い理由について坂口さんは「中野がつけ麺発祥の地という点が皆さんに共有できなかったのが一番の問題」と振り返ります。南雲さんは「もっと横の繋がりを広げたい」との展望を述べますが、堀からは「その横の繋がりが多分一番難しい」との意見が。

中野区に住んでいるライターのヨッピーさんは「中野はラーメンの有名店がたくさんあり、“ラーメンの街”というイメージ。つけ麺のイメージはそこまで強くない」と自身の見解を示します。

中野といえば、アニメや漫画などのサブカルチャー、中野ブロードウェイを筆頭とした個性的な商店街も有名です。また、近年は盆踊りとDJを融合させた大盆踊り大会、通称「盆ジョヴィ」も大きな注目を集めていますが、それらと比べると中野のつけ麺の認知度の低さは否めません。

そんな現状に、ヨッピーさんが「(中野の)サブカル文化や商店街、盆ジョヴィも他の地域に比べ抜きん出ている。つけ麺も抜きん出る武器、発祥の地だけではなく何かがほしい」と改善点を指摘すると、フリーキャスターの伊藤聡子さんは「中野はとにかくちょっと尖ってる、そして多様な個性がすごくあるのが特徴。つけ麺にもその精神がどこか入った何かが欲しい」といい、ちいたんさんも「お笑い芸人さんも中野にはいたりするので、ギャグとか作ってもらいたい」と提案します。

それを聞いた坂口さんは「サブカルチャーとつけ麺をミックスさせるにはどうしたらいいのか…」と思案します。

◆宇都宮が“餃子の街”となった理由
「中野のつけ麺」をいかに周知していくべきか。今回はその成功例として、“餃子の街”として有名になった栃木県宇都宮市での取り組みを紹介。宇都宮餃子を全国に広めた仕掛け人、宇都宮餃子会の鈴木事務局長に話を聞いてみると、ブランディングのポイントは3つ。

まずは「女性客獲得」です。中華のイメージを抑制するなどし、流行を作る若い女性が好む文化作りをしました。
2つ目は「餃子のバリエーション周知」。皮の厚みや野菜と肉の比率、ニンニク量などを数値化することで、餃子それぞれの個性を紹介しました。
そして、3つ目は「食べる以外の楽しみ方」。観光の目玉となる餃子通りや餃子の形の街灯やマンホール、フォトスポットになるようなモニュメントを作成し、食べるだけでなく、見たり、触れたりして餃子が楽しめるまちづくりを心がけたそうです。

一連の取り組みを聞いたヨッピーさんは「“中華のイメージをなくす”とは要するにお店の人に「お皿変えて」と言ったってことですよね。実現したのは、それだけ密にコミュニケーションを取って関係値を築いて、並大抵の努力ではできない」と感服。
つけ麺ファンは圧倒的に4~50代の男性となっている中、伊藤さんやキャスターの豊崎由里絵ら女性陣からは、つけ汁の飛散を防ぐためのエプロンや髪をまとめるためのゴムをお店に常備したり、女性でも食べられる量のハーフサイズを用意したりと、女性が気軽にお店に入れるような工夫を求める声が。

また、酒井区長は「出汁や麺の成分など、つけ麺の特徴を数値化してみせるのも面白いかも」と興味を示します。
ただ、そこには店舗側との連携の壁があります。例えば、ハーフサイズは店舗の利益になりにくく、実装が難しいそう。さらに、中野のつけ麺の特徴を定義したいものの、各店舗それぞれ特徴があるため、まとめるのが困難だそうです。

◆中野のつけ麺を世界に発信するためには?
最後に、中野のつけ麺文化を世界に発信するために、どうするべきか。出演者がアイデアを発表します。
ナカノ観光レポーター・ちいたんさんは中野区民代表として、「学校給食につけ麺! 食文化の定着」と提案。身近なところからファンを増やすことで、世界に発信していけるのではないかと話します。

ヨッピーさんも「つけ麺の日に給食を」と賛同。まずは「つけ麺の日」を制定し、つけ麺を給食として出すことを望みます。

日本つけ麺学会・事務局長の南雲さんは「つけ麺職人認定」を掲げ、職人きっかけで町おこしを提案。

そして、中野大勝軒の大将・坂口さんは「行政から区民まで、みんなで聖地の誇りを共有したい」と言い、さらには「つけ麺フェス」の開催や「つけ麺ミュージアム」の創設を希望。

一方、伊藤さんは、中野の特徴として“新しい驚き”を挙げた上で「あえて“尖る”こと」を求めたほか、つけ麺のバリエーションを増やし、それらをSNSで発信すべきと提案します。

そして、酒井区長は「店主が個性を打ち出していて、それがつけ麺の良さでもある。それがたくさん集まり群雄割拠している。そうしたことを中野が集積していることを出していきたい」と力を込めます。

キャスターの堀潤からは、「中野つけ麺サミット」を開催して全国の店主がガチンコで競い合うべきとの意見が。

さまざまな提言を受け、最後に酒井区長は「サミットやイベントで盛り上げることはぜひやっていきたい」と今後の展望を話していました。
<番組概要>
番組名:「堀潤激論サミット」
放送日時:毎週金曜 21:00~21:25 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
「TVer」で放送後1週間Tverにて無料配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx





