“性の悩み” を相談できる相手がいない…多くの子ども・若者が抱える性・身体の悩みを支える「ユースクリニック」の重要性

2025.10.29(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“子どもの性の悩み”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“子どもの性の悩み”について取り上げました。

◆若者の“性”の悩み…相談相手がいない!?

15~29歳の若者5,800人を対象に行われた“性”などに関する意識調査で、「性全般について相談相手がいますか?」という質問に対し、「いない」と答えた人が全体で約3割。また、性に関する情報源で一番多いのは、「ネット・SNS」で51.0%。次いで「友達」(33.7%)、「恋人・パートナー」(27.7%)でした。

性の悩みを他人に打ち明けるのが難しい現状が浮き彫りとなるなか、若い世代が性や健康に関する正しい知識を得られるよう取り組んでいる施設があります。それは「ユースクリニック」です。そこでは子どもや若者が抱える身体や性の悩みなどを看護師や助産師に相談することができます。

去年4月、東京・江戸川区に開設されたユースクリニック「ユースウエルネスKuKuNa」は無料で利用することができ、これまで500人ほどが訪れているそう。この施設について、ユースウエルネスKuKuNa室長の幸崎助産師は「子どもや若者を対象にした施設ではあるけど、子どもや若者を支援する大人や保護者も使える施設になっている」と説明します。

施設内には生理用品や性教育に関連した本が置かれており、性の情報にアクセスしやすい環境になっています。また、若い世代が気軽に利用できるよう、ボランティアによるネイルアートなどのイベントも不定期で開催しているとか。

幸崎助産師は、「子どもや若者が気軽に来られる、その上で必要があれば相談に乗る。大人や支援者も迎えたいと思っていて、子どもや若者に関わるなかで大人も悩んでいる、どんなふうに子どもや若者に関わればいいかを一緒に考えられる施設でありたい。広くここの場所を知っていただくことと、こういう場所が社会に増えていくことを目指したい」と展望を語っていました。

◆日本でも増加傾向にあるユースクリニック

学生時代に北欧に留学していた経験がある「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは「ユースクリニックは北欧発祥で、スウェーデンだと小学校高学年くらいで校外学習の一環でユースクリニックに訪れていた」と言います。さらには「(授業の一環として)ゴミ処理場などに行くのと同じような感覚で行って、こういう場所があることを小さいときに知っているので、困ったことがあったらここに来たらいいよとなっているし、それこそ緊急避妊薬を無料でもらえたり、いろいろな機能がある。日本でももっと広がったらいいなと思う」と期待を寄せます。

日本でも少しずつですがユースクリニックは増加傾向にあります。厚労省によると2023年度の時点で全国に58施設あり、東京都では若者に向け「とうきょう若者ヘルスサポート(わかさぽ)」を展開。そこでは、思春期特有の健康上の悩みを電話やメール、対面などで看護師などに相談できます。

しかし、問題も山積しています。幸崎助産師は、自己実現のためにも包括的性教育が1日でも早く日本社会全体で進めてほしいと願いつつ、課題を指摘してくれました。

まずは身体的な変化や性的な興味が強くなる高校生や大学生にユースクリニックを利用してほしいものの、スタッフがクリニック勤務と並行しているので夜間運営が困難なこと。そして、ユースクリニックは現在持ち出し事業のため、やりたくても始めることができないことが多いこともあり、公的機関が関わっていくことが必要だと訴えます。

キャスターの堀潤も、幸崎助産師の意見に大きく頷き「(ユースクリニックは)“まちの保健室”と言われているが、運営母体が小児科中心になっていたり、もう少し運営しやすいよう、規制緩和や補助などをしていかないと広がらない」と憂慮。

元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは「NPOなどいろいろなところに窓口があるといいと思う」と話す傍ら、インターネットやSNSがなかった自身の少年時代を想起しつつ「(それに比べれば)恵まれていると思う」とも。

一方、気象予報士でフリーキャスターの根本美緒さんは「正直、早いうちから(性教育を)やらないといけないと思いながら、(自身の子どもは)中学生になってしまった。何をしていいかわからない。能條さんの話にあったように、学校で社会見学のような形で、みんなで行って学ぶとか、そういうふうに当たり前になっていけば」と日本でもユースクリニックが浸透することを望みます。

また、能條さんからも「今はいろいろなものが家庭の責任になっていて、性教育がまさにそう。学校には“はどめ規定”があり、なかなか教えられないとなったときに、家庭で学んでいるかどうかで差が出たり、それこそインターネットなどで子どもたちが(性の情報に)成り行きで接するようになっているので、社会としていかに整備すべきか議論が進むといいと思う」との意見が。

そして、キャスターの豊崎由里絵も「性教育のワークショップなどを調べると、善意でやっている方が多い。それもいいけれど、公的機関が関わっていくことが必要だと思う」と幸崎助産師の指摘に同意していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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