堀潤リポート 台風被害の八丈島、産業に大打撃 アシタバ加工工場は「解体・再建に2億円」 土産物店にも被害の余波が…

2025.10.24(金)

10:20

台風22号・23号で甚大な被害が相次いだ東京・伊豆諸島の八丈島では今も一部の地域で断水や道路の通行止めなどが続いています。TOKYO MX『堀潤Live Junction』キャスターでジャーナリストの堀潤は10月22日、八丈町を取材しました。今回は「地場産業への影響」についてお伝えします。台風による被害は、加工食品を製造する工場だけでなく、関連産業に至るまで大きな打撃を与えている現状が見えてきました。

台風22号・23号で甚大な被害が相次いだ東京・伊豆諸島の八丈島では今も一部の地域で断水や道路の通行止めなどが続いています。TOKYO MX『堀潤Live Junction』キャスターでジャーナリストの堀潤は10月22日、八丈町を取材しました。今回は「地場産業への影響」についてお伝えします。台風による被害は、加工食品を製造する工場だけでなく、関連産業に至るまで大きな打撃を与えている現状が見えてきました。

八丈島の特産品・アシタバを使った調味料やあめなどを製造する「あしたば加工工場」は、台風による影響で建物に大きな被害を受け、製造再開のめどが立っていません。工場の責任者・山田真之介さんは、工場再建のためには建物の解体費用や新しい工場の建設費、製造機械のメンテナンスなどが必要で、その資金繰りに頭を悩ませています。堀潤が「どれぐらいの規模で資金が必要か」と尋ねると、山田さんは「大体2億円ぐらいは準備しないと。工場を壊して建てて作って、ということに必要なので、そのあたりが目安になると思う。(資金の用立ては)全くめどがない」と厳しい状況を明かしました。

工場では事業再開の見込みが立っていないため、金融機関に当たっても再建への資金面の後押しが進まないとして、東京都や国からの早急な支援を求めています。堀が「1次産業があり、加工品になり、次の付加価値を生んで島の経済を支えるというのは非常な重要な循環の仕組みのはず」と話すと、山田さんは「アシタバは八丈島で一番多く作られている作物。それをこれから広めようという矢先だったので、何とかやり直したいとは思うが…。やり直しさえすれば、島の経済もしっかりと回せる自信はある。何とか第一歩を踏み出す支援が、多大な資金ではあるが、あればいいなと思う」と話しました。しかし「今、踏ん張れているが、半年後もしかしたら自信がなくなっているかもしれないので、今、支援をいただきたい」そして「本当に今、まさに早めに支援をいただきたい」と繰り返し訴えました。

島の特産品製造が停止することで、販売する土産物店にも影響が及んでいます。

八丈島空港で土産物店を営む前崎隆さんは、島の観光客が途絶え売り上げが減少する中、関連産業に対しては国などからの支援が不足している実態に不安を感じています。

前崎さんは「倉庫の商品がだいぶん駄目になってしまった。くさや屋さんも水の出ない会社がいくつかあり、そこはもうしばらく生産ができないので、商品も入ってこない」と話し「大きく被災したところは大きく報道され、心配されて支援の声が上がっているが、関連産業の土産物店、レンタカー店・個人経営の宿泊施設などには被災しなければ何も支援がない」と訴えました。そして「これだけお客さんが減り売り上げが減ったら、自力で日本政策金融公庫や信用金庫に頼んで支払いを待ってもらうとか、どれだけ返せるとか、資金繰りを自力でやらなければならない。それがずっと続く」と、今後の先行きへの不安を口にしました。

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