台風22号・23号によって相次いで被害を受けた東京・伊豆諸島の八丈島出身のアーティストが、コンサートで観客に募金を呼びかけるなど、復旧に向けた支援に動き始めています。
八丈島出身のシンガーソングライター・天野花さんは、高校卒業まで過ごした島が今回の台風で大きな被害を受けたことを知った時、信じられない気持ちだったといいます。天野さんは「本当にこれが八丈島なのかと思った。電波が届かなくなり、家族に連絡が取れなかった時間があった。生きているかすごく心配だった。一番は、島にいる人たちがけがなく暮らしていてほしい」と語ります。
家族は2度目の台風接近の前に東京都心に避難して無事だったという天野さんですが、生まれ育った島のためにできることは何かと考え、コンサートでの募金の呼びかけやオリジナルグッズの売上金の寄付を始めました。
渋谷区で行われたコンサートの日はあいにくの雨でしたが、コンサートでは「何か力になれることがあればいいと思って。きょう発売するロングTシャツ、雨に濡れて寒いでしょ? お着替えによかったらぜひ」とユーモアを持って呼びかけていました。そして寄付を呼びかけた後には、ふるさと・八丈島の海の色や大切な人たちへの思いを込めて作った歌『透明なブルー』を披露しました。天野さんは「自分の中に八丈島という特別なふるさとがあって、海に行くと落ち着いたり、自分の中に八丈島がちゃんとあると思って曲を書いた」と、八丈島を歌ったこの曲への思いを語ってくれました。
コンサートでは「八丈島が大丈夫になったらみんな遊びに来てくれる? 航空券往復で3万円だよ。行ける? 約束ね!」と、復興への願いも口にしました。コンサートの後にはファンが次々と募金していて「グッズのTシャツを全部買いたいぐらい。復興に使われるのはうれしい」「以前、八丈島のワンマンライブに行く予定だったが、飛行機が欠航になって行けなかった。行けなかったお客さんに届けるような思いで歌っていたことがあった。一緒に泣きながら聴いていた」などと話していました。
天野さんは「八丈島は何より、人が温かくて優しい。自然が大きいのできっと好きになってくれる。優しい島です」と、ふるさとへの思いを語りました。





