東京・葛飾区で長年課題となっていた“南北の移動”について、新たな「地域の足」の導入で解消を目指す方針が示されました。
葛飾区は区内の南北を走るJRの「新金貨物線」=通称「新金線」に沿って専用道を作り、バス高速輸送システム=「BRT」を設置する構想を明らかにしました。
葛飾区によりますと現在、区内を南北につなぐ公共交通機関はバスのみで、新たな移動手段が長年検討されてきました。今回示された構想は、金町駅から新小岩駅までのおよそ7キロの間にある新金線の路線に沿った形でBRTの専用道を作り、新たに乗車場を10カ所ほど設ける方針です。ピーク時には1時間に最大10本運行し、1日におよそ3万人の利用を想定しています。
想定される地域の中心に当たる京成高砂駅の周辺に住む人からは、新たな「地域の足」に期待が寄せられています。60代の区民からは「(BRTができるのは)いいことだと思う。利用するんじゃないかな。金町や水元公園など、あちら側にはよく行くので」、30代の区民は「ベビーカーなので歩いていくか、行ける範囲なら自転車を使っていた。子どもがいるので、公共交通機関を使って移動できるのは行動範囲が広がるのでいいなと思う」などといった声も聞かれました。
葛飾区は新交通の整備で街の活性化にもつなげたい考えですが、葛飾区で60年以上せんべい店を営む店主は、歓迎する一方で「期待の声はあるが、絵に描いたようにいくのかな。いろいろとマイナーなところを通るから、街ができてどうとか、ちょっと考えられない」「できないと分からないけど、正直、この辺りでどこか1カ所でもBRTで便利になって良くなるだろうか」と、計画が活性化に結び付くのか不安視しています。
葛飾区は事業費を320億円から560億円ほどと見込み、年内にも具体的な案を取りまとめる方針です。





