国民の不満が高まるなか、極右政党AfDが猛威を振るうドイツ、その状況は未来の日本? ドイツの現状から日本の政治を考える

2025.10.21(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。「New global」のコーナーでは、ドイツの極右政党の現状から鑑みる日本の政治について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。「New global」のコーナーでは、ドイツの極右政党の現状から鑑みる日本の政治について取り上げました。

◆ドイツ国内は今、雰囲気が悪い!? さらには諦観も…

ドイツでは今、中道右派の与党「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が成果をあげられず、第2党の極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が大きく支持を伸ばしています。

今回は、そうしたドイツの現状について、ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさんとドイツの政治社会情勢に詳しい神島大輔さんに話を伺いました。

まずマライさんは最近のドイツ国内を覆う空気感について「去年9月にドイツに行った際、ものすごく雰囲気が悪かった。みんなカリカリしていて、いろいろな理由があるが、とにかく何もかもうまくいっていない。なのに難民はたくさんいるし、経済はうまく回っていないから『結局、我々の税金ってそこら辺で消えるよね』というような不満をすごく感じた」と率直な印象を語ります。

さらには「今年は少し穏やかにはなっていたが、それはもしかしたらみんなのマインドが穏やかになっているのではなく、諦めに入っているのでのはないか」とも。

ドイツでは今、移民流入などの不満の受け皿としてAfDが台頭。そして、与党CDU・CSUも支持獲得のために極右の主張をマイルドにした形で移民政策に取り組んでいますが、国民がその影響を実感するには至っていないそうです。

一方、神島さんは「移民難民排外的政策の話しか出てこないのが、ある意味、すごく致命的というか、時代というか、この空気を象徴している」と言います。

また、ドイツはここ数年停滞しており、政局も我慢比べのようになっていると指摘。「政権与党としては、産業的な意味で景気のいい話があればいろいろなものをごまかせると思っていたと思う」と語り、そうしたことがなく日々過ぎていくことに危機感を募らせると、マライさんからは「それと同じことが日本でも(起きている)」との意見が。

そして、神島さんは極右政党の先行き、さらには日本の政治についても言及。「(日本の)参政党とかもそうだが、寄り合い世帯であることの矛盾がときどき噴き出す。それはAfDも同じ。いろいろなことを八方美人的に受け入れ、より合わせ、肝心の政策を打ち出そうとすると、違うという話になる。だから知識はあるとはいえ、ある意味素人なので、おそらくどこかで(連立を)組まないとちゃんとした政治活動・政権を担う活動はできない」と危惧します。

◆ドイツ極右の現状に、識者の見解は?

こうした現状に対し、フリーキャスターの伊藤聡子さんは「(人は)疲弊しているときは強いもの、わかりやすく強いものに憧れてしまうところがあると思う」と言います。

「ドイツは日本を抜いてGDP3位になったが、電気料金が高止まりして生活が大変という話もよく聞く。日本でも先行きの見えない苦しさがあるが、そうしたときにわかりやすく強い言葉を発する人についていけば“自分も強くなれるんじゃないか”と思いを重ねてしまうことがある。でも、(強い言葉を発する人たちは)そこまで裏打ちされたものがなかったりするので、すごく危険だなと思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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