台風から1週間…八丈島「日常生活」に課題 断水続き農業漁業にダメージ

2025.10.17(金)

10:10

東京・伊豆諸島の八丈島などを襲った台風22号の被害から、10月16日で1週間がたちました。しかし島民の生活への“被害の爪痕”は、いまだに島内各地に残っています。

東京・伊豆諸島の八丈島などを襲った台風22号の被害から、10月16日で1週間がたちました。しかし島民の生活への“被害の爪痕”は、いまだに島内各地に残っています。

八丈町では土砂災害などの影響から、広い範囲で断水が続いています。八丈町によりますと島内にある8つの浄水場のうち、現在も5つの水源が使えない状態となっていて、復旧のめどは立っていないということです。取材した水源地近くの山では斜面が大きく崩れ、大木を含んだ土砂崩れとなっていて、水路に流れ込んでいました。そして流れがせき止められているためか、水の量もかなり少ない様子が確認できました。

樫立地区に住む女性は断水が続いていることを受け、雨水をためてシャワーやトイレなどの生活用水に利用しています。女性は「まだ島の生活自体が回っていない。早く普通に回るようにならないかなと思う」と話してくれました。

また、生活だけではなく、農業などへの影響も深刻です。中之郷地区で特産のシイタケを栽培する農家は、2つある農園のうち1つが全壊し、もう1つも断水の影響で生産できない状態となっています。シイタケ栽培農家の男性は「水も出ないので生産できない。キャッシュフロー(資金の出入り)も厳しい状況」といい「継続できるかどうかを考えて。これを直すのに相当な金がかかるので」と話します。

三根地区にある漁港では断水の影響により、漁に出ることができていないといいます。漁業関係者は「水が出ない、氷が作れないから漁に出られない。今月はもう出られそうにない」と訴えました。

一方で、事業の再開に向けた動きも少しずつ始まっています。一部で水道が復旧した三根地区では、島の郷土料理を提供する飲食店が1週間ぶりに営業を再開しました。郷土料理店の店主は「少しでも経済を動かしていかないと。島民でも食べ物で困っている人もいる。そういった人に少しでも利用してもらえれば」と話しています。ただ、島内の食材の生産や流通が大きく滞っていて、営業を続けるには課題が残っています。店主は「島の料理の店なので、魚が入ってこないのはつらい」と話していました。

発生から1週間が経過する中、島民たちの日常生活の再開はいまだ見通せていません。
 

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