台風22号と23号による被害の爪痕が残る東京・八丈島では、いまだに断水が続き、一部の地域では停電が続いています。

一部で断水が続く三根地区にあるカフェでは10月14日、被災した住民に対して温かいシチューや、地元名産のアシタバを使ったドーナツなどの炊き出しが行われていました。炊き出しを行ったカフェの店主は「島内は電気も来ていない、水道も来ていない家がたくさんある中で、当店が被害が少なかったので、炊き出しで皆さんの役に立てたらと。温かい食べ物を初めて食べることができたと言う人もいた」と話しました。
また、台風の影響により保育園が18日まで休園、小中学校が19日まで休校となっていることを受け、カフェの一部を子どもが遊べるスペースとして無料で開放しています。カフェの利用者は「(子どもが)遊べる場所が少ないので子どものストレスがたまっている。開放していただきありがたい」と話していました。
カフェは15日から通常通り営業する予定ですが、店主は「断水がいつまで続くのか」と懸念を示しています。飲食店を経営する上で一番困っていることを尋ねると店主は「これから計画的に断水が行われるのではないかと思うので、水ですかね。飲料水と生活用水の確保が一番困る」と話していました。
<東京都も断水解消へ支援強化、給水車2台追加輸送 小池知事は現地視察へ>
現在も断水が続く中、東京都は14日に開いた対策本部会議で、給水車2台を追加で輸送したと発表しました。さらに、断水の復旧作業を行う職員などをこれまでの3人体制から20人体制に増員し対応に当たるということです。
会議に参加した八丈町の山越副町長は、水を運ぶ船が高波の影響などで着岸できない事例や、着岸後の運搬に時間がかかる事例などを示し、さらなる支援を求めました。山越副町長は「せっかく運んでいただいた水を有効に活用できるよう、いろいろな検討をしている。そういう部分も含め、いろいろな支援をさらにお願いしたい」と述べました。
東京都の小池知事は今後も島民のニーズを聞いた上で対応するよう職員らに指示し、15日に八丈島を視察し、現状を確認するとしています。小池知事は「断水の長期化が予想され、住宅の補修・修復にも時間がかかることが見込まれる。避難所での生活が続く可能性もある。ニーズをしっかりと聞き取り、島民に寄り添った人的・物的支援を心がけてほしい」と指示しました。