教員の負担軽減、子どもの体験機会の増加…都内で実証事業が進んでいる“部活動の地域移行”、その大きなメリットとは?
2025.10.15(水)
06:50
TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“部活動の地域移行”について取り上げました。
◆渋谷区で行われている新たな“部活動”
これまで学校の部活動は教員が主導してきましたが、近年は外部のスポーツ団体などに委ねる施策が始まっています。その背景には、教員が休日も指導を行ったり、経験がない競技を指導しなければいけないなど負担が大きいこと、さらには少子化で学校単位の部活の持続がそもそも難しくなっていることがあります。
都内では現在、品川区や渋谷区、杉並区、板橋区、日野市、狛江市で運動部の地域移行の実証事業が行われていますが、そうしたなか、渋谷区では新たなクラブの活動が始まっています。
渋谷区が地域で支える部活動「シブヤユナイテッド」に新たに誕生した「ストリートスポーツクラブ」(会費:前期入会1万1,000円・後期継続1万円・入会1万1,000円)。ここでは全員がブレイキン、ダブルダッチ、フリースタイルフットボール、スケートボードの4つの種目に取り組みます。

子どもたちの指導を行うのは、世界チャンピオンの経歴を持つなどその道で活躍する講師たちで、的確なアドバイスを受け、子どもたちはメキメキと成長していきます。ここに参加する中学2年生の1人は、学校にスケートボードを教えてくれる部活がなかったため、このクラブに入ったと言います。「今日やったブレイキンもダブルダッチもどちらもやったことなかったからできてよかった」とも。
クラブの監督で、パリオリンピックではブレイキン日本代表監督をつとめた渡邊マーロックさんは「『ストリートスポーツクラブ』としては、渋谷区内のお祭りやイベントに積極的に参加して、発表の場と大会の上を目指す場と両方に向かって頑張っていきたい。この流れが渋谷から全国に広がっていくように活動していきたいと思っています」と意欲を見せます。
◆子どもたちの“やりたい”が見つかる取り組み
なお、「シブヤユナイテッド」では「今まで部活動になかった“やりたい”を見つけよう」をコンセプトに、ブレイキンやスケートボード以外にもさまざまなことに取り組んでいます。

この活動に堀は「プロフェッショナルが子どもたちに機会を作ってくれるのは嬉しいですね」と絶賛。
また、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは「母親が学校教師で部活が終わるまで帰ってこなかったので、こうして(部活を)地域に移行してもらえると教師の家族も助かる」と自身の経験を語りつつ、今まで学校には典型的な部活しかないところが多く、こうしてさまざまなジャンルの体験ができることを高く評価。

タレントの山崎怜奈さんも「ここを拠点に活動改革が全国に広がっていけば、より多くの才能が見つかる。国として強くなる。これをモデルケースとして(全国に)普及したらいいなと思う」と今後の拡大に期待します。

さらに、株式会社トーチリレー代表取締役の神保拓也さんは「やはり選択肢が多いのは重要なこと」と指摘し、「私も中学校の後半、外部のボクシングジムに通っていたが、部活動では得られないものが外にいかないとなかった。今回こうして地域と一体となって選択肢を提供するのは非常にいい取り組みだと思う」と称賛します。

「シブヤユナイテッド」の担当者によると、学校には通えないけれどクラブになら通えるという環境を整備し、子どもたちの新しい居場所を目指しているそうです。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx





