TOKYO MX『堀潤 Live Junction』キャスターでジャーナリストの堀潤が気になったニュースを、AIアナウンサー技術を活用して作成した<AIホリジュン>がお伝えします。今回はノーベル化学賞を受賞した京都大学の北川進特別教授がインタビューに応じ、自身の研究哲学や日本の研究教育が抱える課題について語りました。

歌舞伎をこよなく愛する北川さん。研究の世界にも歌舞伎と通じるものがあると話します。「(歌舞伎は)京都発祥なんですよね、元々が。前から興味を持っていたんですが、やはり大学に入って研究を始めるとますます興味を持って…」と話します。
「人と人との直接のコンタクトが非常に重要です」と語る北川教授は、オンラインでの議論では伝わりにくい熱意やニュアンスが、対面でのコミュニケーションにはあると強調します。「やっぱり顔を見て、一挙手一投足を見て、こちらの熱意も伝わっていくという。そこが重要で、本当に(歌舞伎の持つ)表現の数百年の伝統が素晴らしいものなので、私は歌舞伎が気に入っている」と述べました。
そんな北川さんには、研究を進める上で大切にしている信念があります。
「基本的な考え方は「コンセプトから作っていく」。だから数値競争をやるわけではないということです。“無用の用”、要するに、役に立つものはみんな役に立つと分かっているから、当たり前にそれを認識するが、役に立たないものも役に立つんですよという考え方。自由なマインドや発想を持つためには、先が決められてしまうともうできないです」と述べました。
日本の研究教育について、北川教授は「研究内容に関しては、日本の教育はなかなか良いんですよ」と評価します。「しっかり博士課程においても、じっくりと、ただ単に数だけ稼ぐという感じでなく、どの先生方も本質的なところをやっておられると思う」と話します。
一方で、日本の研究教育においては課題もあると指摘します。それは、若手研究者が海外へ挑戦する機会が不足している点です。「自分が学位を取った時の内容だけこだわって、そこから出られない人もたくさんいますが、(海外へ)出ていく機会を与えてあげられていないんです、日本は」と語ります。
そして、「今若い人は海外へ出て行かないと言うけれど、そうではなく、出ていく機会を与える、すなわちお金をサポートする。日本に帰ってきても、それだけ就職できる機会もある。そういうことがないからいけないと思います」と述べ、若手研究者が国内外で活躍できる環境整備の必要性を強く訴えました。