日本のニュースや課題を海外の人たちはどう見ているのか、中国出身の報道部記者が世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。今回お伝えするテーマは「AI故人」です。

「AI故人」とは亡くなった人を生成AIで再現するサービスで、写真や動画を元に人工知能が人相・声・話し方などの癖を抽出します。海外でもこのように亡くなった人を復活させる試みが実際に行われています。日本でも広がりを見せる「AI故人」のサービスについてどのように見るのか、東京を訪れる外国人に取材しました。
中国から:「(「AI故人」のようなサービスは)あまり受け入れられないと思います。中国では死者を尊重する文化があり、埋葬や毎年の祭祀などをとても大切にしているので。(Q:故人への敬意を欠くことになるのではないかという懸念ですか)そうです」
ドイツから:「悲しみを癒やす助けになりいいと思いますが、前に進めなくなる人もいるかもしれない」
イギリスから:「それは個人情報ですから、自分の個人情報が勝手に使われたらどう思うかということだと思います。有名な俳優の声や姿をAIで使うこともできますから」
先月アメリカで開催されたイベントでは、スパイダーマンなどを生み出したアメリカン・コミック界の巨匠・スタン・リーさんをAIでよみがえらせる演出が行われました。イギリスから来た2人組によると、この演出についてはイギリスでも話題になったといいます。
イギリスから:「亡くなった人は安らかに眠るべきです、亡くなった後に利用されるべきではないと思います。スタン・リーの件のようなものは良くないです」
懸念の声が多く聞かれる一方、賛成の意見もありました。
アメリカから:「宗教的な教えでも私たちは祖先を記憶し敬うので、AIが私たちの祖先を思い出す助けになるなら問題はないと思います、祖先が私たちに何を残したかを覚えておくのはいいことだと思います」
オーストリアから:「学校での授業や歴史教育の場であれば、亡くなった人を再現するのは良いかもしれません。例えばチンギス・ハンと会話できたら面白いでしょうね。(Q:AIを通じて歴史上の人物と話すことは人々に刺激やひらめきを与えるかもしれませんね)その通りです」
多くの人は死を受け入れることや魂の安らぎを妨げるなどのリスクを懸念する一方で、遺族の心の癒やしや教育的な活用の可能性を指摘する声もありました。