自民党総裁の就任会見で東京・千代田区の靖国神社参拝について「適時・適切に判断する」と述べていた高市総裁が、10月17日から靖国神社で執り行われる秋の例大祭中の参拝を見送る方向で調整に入ったことが分かりました。

10月4日の就任会見で高市総裁は「靖国神社は戦没者慰霊の中心的な施設であり、平和のお社。どのように慰霊・平和をお祈りするかは、適時・適切に判断していく」と述べていました。
高市総裁はこれまで、閣僚在任中も終戦の日や春や秋の例大祭に靖国神社を参拝してきましたが、参拝を強行すれば中国や韓国の強い反発を招くのは確実で、外交問題化を回避すべきと判断した模様です。
靖国神社を訪れていた人に話を聞くと「立場が変わるのだから、自分の意思だけでは行けないこともある。そこは状況を見ながら中国など外交問題があるので、海外との外交を重視しながらやっていく必要がある」(50代)、「表面的には参拝しないと話しているが、国の付き合いとか政治のやり方とかいろいろ考えると、別に参拝しなくても心の奥底で英霊のために手を合わせていたらそれでいいのではないか」(60代)などと、理解を示す声が聞かれました。
靖国神社の参拝を巡っては公明党の斉藤代表が7日、高市総裁との会談の中で、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中「靖国神社が外交問題になるべきでない」と伝え、両者は認識を共有していました。また、アメリカのトランプ大統領の来日が控える中、高市総裁の周辺は「首脳会談を前に火種をくすぶらせることは避けるべきだ」と語っています。