10月1日を迎え、来年春に卒業予定の大学生らを対象とした内定式がそれぞれの企業で行われました。

来年の春に向けて東京ビッグサイトで行われたのは、大手航空会社・全日空の内定式です。式典で井上慎一社長は「思いや目標を忘れずに、きょうここに集まった仲間の皆さんと共に、新しい未来に向かって歩んでいきましょう」と呼びかけました。
式には客室乗務員やパイロットを目指す800人以上が参加し、コロナ禍以降最大の内定者数となりました。客室乗務職に内定した女性は「とてもわくわくする気持ちと同時に、来年からお客さまの命を預かる仕事を担うということで、身が引き締まる思い」、運航乗務職に内定した男性は「前提にある『安全』というものを絶対条件に守り続けられるパイロットになりたい」などと語りました。
学生優位の“売り手市場”が続く中、大手人材サービス業の調査によりますと、来年=2026年に卒業する大学生の就職内定率は9月1日時点で94.8%で、2017年以降過去最高を記録しました。一方、内定を獲得した就活生への民間調査によりますと、およそ2割の就活生が複数の内定式に参加し、式に参加していても3人に1人以上が「辞退の可能性がある」ということです。
内定式以降、全日空では仕事内容への理解を深めて働くイメージを持ってもらうため、内定者同士や先輩社員との交流会を行っていくということです。全日空・人事部の担当者は「内定式もそうだが、どういった同期と一緒に働くのかという機会も設けながら、より多くの学生に航空業界を選択してもらえるようにしていきたい」と話しています。