東京都全体の基準地価平均変動率は13年連続で上昇 今年のデータで注目すべき点、そして地域とは?

2025.09.23(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。放送では、年々上昇している東京都の“基準地価”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。放送では、年々上昇している東京都の“基準地価”について取り上げました。

◆多摩地域・立川市の地価が急上昇!

土地を取引する際の基準となる“基準地価”が発表され、東京都全体の平均変動率は13年連続で上昇しました。その中で、多摩地域の基準地価の上昇率順を見てみると、住宅地の1、5、8位。さらには商業地の2、5、8、9、10位に「立川市」がランクインしています。

多摩地域の住宅地の基準地価上昇率1位は、「立川市錦町5丁目」。こちらは多摩モノレール「柴崎体育館駅」から徒歩9分ほどのところにある閑静な住宅街です。このエリアが上昇した理由について、都の担当者は立川駅近くの地価が高騰しており、周辺のエリアにシフトしたためと分析しています。

住民の方に話を聞いてみると「そこそこ交通が便利で、そこそこ静か。スーパーマーケットも近い。みんな頭に“そこそこ”が付くが、それがいいような気がする。もう少しバスの頻度があれば、この一帯に住む人に喜ばれると思う」(70代男性)といった声がありました。

また、商業地部門ではトップ10に5つの地点が入り、なかでも2位には立川駅などに向かうバスの運行ルートに面している「立川市高松町2丁目」がランクイン。東京都によると、需要が高まっている1階に店舗が入った集合住宅があるためこの地域が上昇したそうです。

◆銀座2丁目の1㎡あたりの価格は脅威の…

一方、東京の商業地のエリア別最高価格を見てみると、区部のトップは全国で20年連続最高額の「中央区銀座2丁目」。その額は1平方メートルあたり4,690万円です。続いて、多摩地域のトップは「武蔵野市吉祥寺本町1丁目」で863万円。島しょ部では「小笠原村父島東町」が6万2,000円となっています。

このデータにジャーナリストの風間晋さんは、同じ都内でも区部と島しょ部で800倍もの差があることに驚きます。

臨床心理士のみたらし加奈さんは、これまでたびたび問題視されてきた区部と多摩地域の格差に注目。「今回、立川の地価が上がることで、もしかしたら(格差が)緩やかな傾向になっていく可能性もあるが、一部の利益・成功が局所化してしまうとむしろ格差が広がってしまう原因になると思う」と懸念します。

また、コラムニストの河崎環さんからは「立川で(地価が)急上昇しているのを見ると、駅前にタワマンが建つんじゃないかとなんとなく思ってしまう」、風間さんからは「東京に限らず、どこでも地域格差が拡大している」といった意見も。

なお、都の担当者はコロナ禍以降、区部と多摩地域の地価は右肩上がりで、景気の緩やかな回復基調が反映されていると分析。島しょ部は大きな変動はなく、ほぼ横ばいが続いているということです。

◆住宅地地価、東京駅15km圏内が堅調

そして、沿線別の駅周辺の住宅地の地価を見てみると、1平方メートルあたり千代田区永田町の溜池山王駅は643万円。渋谷駅は144万円。住みたい街として人気の高い吉祥寺は80万1,000円。東京駅から10㎞以上離れた北赤羽まで行くと47万5,000円で、西武池袋線の石神井公園駅は45万9,000円。東京駅から20㎞以上離れた調布駅は51万5,000円。小田急線の町田駅は23万7,000円となっています。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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