ウガンダで加速するICT産業、日本のJICAが若手起業家を支援 その実情を現地からレポート

2025.09.08(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。「New global」のコーナーでは、ICT(Information and Communication Technology/情報通信技術)産業が加速しているウガンダの現状を紹介しました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。「New global」のコーナーでは、ICT(Information and Communication Technology/情報通信技術)産業が加速しているウガンダの現状を紹介しました。

◆日本のJICAがウガンダの起業家を支援!

8月20日(水)~22日(金)にかけて神奈川県・横浜市で「第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)」が開催。「TICAD」とは日本政府が主導し、アフリカ各国の首脳らが参加する国際会議で、“社会”、“平和と安定”、“経済”の3つを柱としています。

一方で現在、日本のJICA(国際協力機構)は、アフリカ・ウガンダのスタートアップへの支援を行っています。今回はその現状、そしてウガンダのICT産業の実情について取材した模様をお届けしました。

ウガンダの首都・カンパラにある施設「National ICT Innovation Hub」では、ICT関連について学ぶプログラムの提供やパソコンが無料で使用できるコーナーが設けられ、さらにはラジオ収録を行える場所もあります。JICAの渡邉慎平さんによると、この施設はUNDP(国連開発計画)が支援してできた建物で、最近できたものだとか。

そして、「いくらICTを開発しても、それをみんなに使ってもらわなければ国はよくならないというところにメッセージ性を込めていて、ICTを広めていくことに注力している。さまざまなコンテンツ、ラジオを使いながらそれを発信していることは、カウンターパートとしてすごくいいメッセージを持っていると思う」と渡邉さんはその有用性を語ります。

ICT産業に力をいれているウガンダで今、JICAが取り組んでいるのがICT人材の育成や若手起業家への支援、JICA「ICT産業振興プロジェクト」です。そこで事業内容が評価され、資金援助を受けたのはウガンダの若手起業家・エマニュエルさん。「私たちは、小規模農家が良質な種子にアクセスできるよう支援しています。

小規模農家は現金で返済することが困難という課題に気がついた。彼らに現金を渡しても農業のためではなく、バイクや車を買ってしまい、結局返済もできなくなることもあった。そこで私たちはデータを活用して彼らの収益化のポイントを分析したところ、鍵は“質の悪い種子”だとわかった。だから現金ではなく直接良質な種子を渡すことにした。収穫後には現金ではなく、農作物をキロ単位で返してもらう仕組みにしたら、彼らも返済がしやすくなった」とその経緯を語ります。

しかし、ウガンダでは若手起業家が活躍する傍ら、急速な人口増加への対応が課題となっています。

コラボレートプラットフォームCEOのパールガカジさんは「ウガンダでは毎年約70万人の若者が労働市場に入ってくる。しかし、従来の労働市場で吸収できるのはそのうち9万人だけ。残りはインフォーマルセクターに流れるか、機会を求めて国外に働きに出ようとする。政府も民間も努力しているが、経済の拡大が人口増加のスピードに追いついていないのが現状です」とウガンダの実情を話していました。

◆ウガンダの現状に、識者たちの反応は?

ウガンダの現状を垣間見たキャスターの豊崎由里絵は「アフリカと日本の関係は、どうしても日本が支援してあげる側のイメージが残ってしまいがちだったけど、双方向からのテクノロジーで上を目指していく形がもうできているんだなと思った」と感心します。

フリーアナウンサーの荘口彰久さんは、ウガンダでラジオが活躍していることを喜びつつ「(アフリカ諸国は)これから伸びていくしかない国々だから、(日本も)留学生を受け入れて、学びたい人、働きたい人を受け入れればいいのにと思う」とより一層の交流を望みます。

エッセイストでメディアパーソナリティの小島慶子さんは、ウガンダでの起業家の取り組みを高く評価。「何がうまくいかないのかを明確化した上で、お金ではなく種子を渡せばいいこと、しかもそこにICTのさまざまなコミュニケーションをより効率的かつ有益なものにする技術を使っているのは素晴らしいと思う」と称賛。

さらには「既存のシステムやインフラができあがったところに新しいものを入れるのは大変だけど、まだそこまで追いついていないところに最先端のものを持っていって、それをベースに新しい経済なり雇用なりを作りだすという可能性がアフリカはすごく高い。まさにその一端を見せていただいた」とも。

タレントのふかわりょうさんは、「一口に支援といってもその場所に見合った支援でないと効果は薄まってしまう。トライ&エラーもあるかもしれないが、そういう(その場所に)見合った支援は大事」とし、「人口不足の悲鳴よりは人口増加の悲鳴のほうが未来があるというか、(そういう国は)エネルギーを蓄えているのですごく明るい未来が見えてくると思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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